第840回

必要なとき必要なだけ。カーシェアリングで「車を使う生活」

最近、車があればいいな、と思う機会が増えてきました。マイカーは高額だし維持費も大変だというので、「カーシェアリング」が気になっています。メリットやデメリットを教えてください。(神奈川県 T)
カーシェアリングは、利用時間や距離に応じた料金を支払ってクルマを借りる方法です。ごく短時間から利用できますが、使いたいときに予約が取れない場合もあります。

「カーシェアリング」なら、必要なとき必要なだけ

最近、所有することにこだわらず、必要なときに必要なだけ利用し、利用分に応じてお金を支払うサービスが注目されています。 「カーシェアリング」も利用した分だけの支払いで「車を使う生活」を実現する方法ですね。

「必要なときだけ車を借りる」のはレンタカーも同じですが、レンタカーは一般的に6時間以上の利用が想定された料金設定になっています。 一方、カーシェアリングは、一般に15分単位での利用が可能で、月会費と利用時間・走行距離に応じた料金の為(月会費のないサービス会社・プランもあります)、買い物や通院、お迎えなど、「日常生活でちょっとクルマを使いたいとき」の利用が可能です。

カーシェアリングは、利用料金を支払えばマイカーを保有する場合に必要な維持費(ガソリン代、税金、自賠責保険、車検・定期点検費用、駐車場料金等)の負担はありません。 駐車場を確保しなくてもよいことも大きなメリットといえますね。

カーシェアリングの利用方法は、サービス会社によっても異なりますが、大体次のとおりです。

1.カーシェアリングサービスの会員になる
2.スマホやインターネットのホームページから使いたい場所・車種・日時などを予約する
3.予約したステーションでスマホやICカード等で予約車のドアロックを開錠する車内には車の鍵や給油カード、そうじセットなどが備えられている
4.車を使う
5.ステーションに車を戻しドアロック施錠
6.利用時間や走行距離、利用プランに応じて料金は計算され後日クレジットカードで引き落とし

「あなた」が便利に使えるかを確認

このように、必要なときに必要なだけ使えて便利なカーシェアリングですが、あなたにとって「便利」に使えない場合もあるので注意が必要あります。

まず、車を借りる場所である「ステーション」が、近くになければ不便です。 買い物や通院、子どものお迎えなど日常生活の中で「ちょっと車が必要」なときに使うなら、ステーションまで長く歩いたり、公共交通機関を使ったりするのは負担になるでしょう。 近くにステーションがある場合でも、予約が集中していて予約できず、必要なときに利用できない場合もあります。

また、予約するのが面倒だったり、利用時間が基本的に予約した時間内に限られることを不便に感じたりもするかもしれません。 利用時間の延長も可能ですが、延長料金が必要になる場合もあります。

車の利用後は、利用者が備え付けの道具を使って掃除しますが、車内の様子が気になる場合もあるかもしれません。 利用者はマナーとして「きれいに使う」ことを心がける必要もあるでしょう。

自由に気兼ねなく、頻繁に使うならマイカーを検討

利用しやすい場所にカーシェアリングのステーションがなかったり、「事前予約は面倒だ」「時間を気にせずに使いたい」「子どもが汚しそうなので車を借りるのは気兼ねする」「車を利用することが頻繁になってきた」等、 カーシェアリングのデメリットのほうが気になったりしたら、マイカー購入を検討したほうがよいかもしれません。

新車よりも低価格の中古車を購入したり、低金利のマイカーローンを利用したりすれば、まとまった車購入資金が準備できていなくても、マイカー購入は可能でしょう。 日常生活に車がどれくらい必要かを考え、維持費の負担も考慮して、マイカー保有を検討してみてもよいのではないでしょうか。

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私が書きました

大林 香世 の写真

大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2019年09月17日