カードローンを扱う金融機関の種類とそれぞれの特徴は?
カードローンは主に銀行や信用金庫、信用組合、労働金庫、消費者金融が提供しており、金融機関の種類に応じてその特徴も異なります。一般的に、審査回答期間が短いのは消費者金融、金利(実質年率)が低いのは銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫とされています。消費者金融は申込みから融資まで30分以内に可能な金融機関も多く、お急ぎの場合に大変便利です。銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫は低金利で魅力的ですが、居住地や勤務地が営業区域内の場合のみ申込み可能としている金融機関が多いため注意が必要です。
金融機関の種類別にカードローンをまとめましたので、ランキングとあわせてカードローン探しにお役立てください。
カードローンの選び方のポイント
カードローンを利用したいと思ったとき、種類の多さから「どのカードローンを選べば良いのか」と迷う方も多いでしょう。自分に最適なカードローンは、何を重視するかによって異なります。カードローンの選び方のポイントや、カードローンを利用するうえで知っておきたいポイントを紹介します。
カードローンを選ぶ際のポイントをご紹介!
まずは、カードローンを選ぶ際の4つのポイントを解説するとともに、ポイント別に商品をピックアップします。
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金利の低さ
金利によって、借りたお金に対して発生する利息額が変動します。利息を抑えるためには、できるだけ低い金利のカードローンを選ぶことがポイントです。適用される金利は借入限度額などによって異なります。ただし、初めて契約するカードローンの場合などでは最大金利が適用されるケースが多いため、最大金利も忘れずにチェックしましょう。
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審査と融資のスピード
審査に要する期間や、実際に入金されるまでの日数は、カードローンごとに異なります。借り入れを急いでいる場合は、審査スピードや融資スピードを重視しましょう。また、申込んだ時間帯によっては受付が翌日扱いとなってしまうことがあるため、早い時間帯に申込むこともポイントといえます。なお、カードローンごとに入金方法にも違いがあるため、あらかじめ確認が必要です。
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限度額の大きさ
カードローンの借入限度額は、商品の限度額の範囲内で個別に設定されます。したがって、借り入れたい金額を上回る限度額のカードローンを選びましょう。その際、必ずしも希望どおりの借入限度額が設定されるわけではない点に注意してください。
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WEB完結での契約が可能
先に紹介した商品のように、WEB完結に対応しているカードローンの種類は豊富です。WEB完結の場合は、スマートフォンやパソコンを使って、いつでも・どこでも契約手続きを進められます。例えば「日中は仕事で店舗に出向けない」という方は、WEB完結の商品から選ぶと良いでしょう。ただし、WEB完結での契約手続きには一定の条件が設けられている場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
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カードローンを利用する人が知っておくべきポイント
最後に、カードローンでお金を借りる際に気を付けたいポイントを紹介します。
返済の内容について確認しておこう
カードローンの返済は、大きく分けて次の2つです。
- 約定返済:毎月決められた金額を返済することです。指定日に口座から自動で引き落とされるケースや、期日までにATMで自ら振り込むケースなどがあります。
- 臨時返済:約定返済とは別に、好きなタイミングで借入残高の一部または全部を返済することです。「随時返済」や「追加返済」などと呼ばれることもあります。
特に約定返済では、契約したカードローンの返済期日・返済金額を把握しておかないと、「口座残高が足りず引き落とせない」「ATMでの手続きを失念していた」といった状況になりかねません。返済を延滞しないよう、返済方法をきちんと確認しておきましょう。
返済を延滞したらどうなるか確認しておこう
万が一にも返済を延滞してしまうと、「遅延損害金」が発生します。遅延損害金は、いわゆる延滞利息のことで、通常の金利よりも高く、返済が遅れれば遅れるほど金額が増えていくため注意が必要です。また、カードローンの利用に関する情報は、「信用情報機関」に登録されます。信用情報機関には、返済を延滞した情報も登録されるため、返済を延滞したカードローンだけでなく、その他のクレジットカードやローンの利用にも悪影響が生じることがあります。返済手続きに遅れ・漏れがないようにするためには、スマートフォンのカレンダーに返済期日や返済金額を入力しておくと良いでしょう。カレンダーをこまめに見る習慣がない方は、アラート通知を設定しておくと安心です。また、口座引き落としでの返済の場合は、口座残高が足りているか前もって確認するために、スマートフォンアプリを活用することがおすすめです。銀行の専用アプリを利用すれば、ATMに行かなくても、口座残高をすぐに把握できます。
まとめ
さまざまな商品のなかから次の4つのポイントを考慮し、自分の希望にあうカードローンを選びましょう。
- 金利の低さ
- 審査と融資のスピード
- 限度額の大きさ
- WEB完結での契約が可能
また、カードローンを利用する際は、「お金を借りたあと」のことも確認しておくことが重要です。事前に返済方法を確認しておくとともに、スマートフォンのカレンダーやアプリも活用して、毎月の返済を忘れないようにしましょう。
私が書きました
赤上 直紀
(あかがみ なおき)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
元銀行員。おまとめローンでは、毎月の返済負担の軽減ができるので、ライフプランを組む上で重要な商品だと考えている。現在は、編集者として金融機関を中心に、ウェブコンテンツの編集・執筆業務を行う。
カードローンの基礎知識
カードローンのこれだけは知っておきたい!そんな基礎知識をまとめました。
カードローンとは?
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カードローンとは、資金使途が自由で契約した限度額の範囲内で何度でも繰り返し借り入れをしたり、約定返済以外でも随時返済したりすることができるローンのことです。
カードローンの特徴
- 借入方法が簡単
- カードローンの借入方法は大きく分けて2種類あり、提携のATMから現金を引き出す方法と、インターネットや電話による手続きで指定口座にお金が振り込まれる方法があります。すぐに現金が必要なときはATMを利用し、口座の残高が不足するときはインターネットから指定口座への振り込み手続きをするなど、利用目的に合わせた借入方法が選択できます。
- 限度額の範囲内で何度でも借り入れができる
- 一般的な証書貸付では、一度融資を受けたら後は返済をするだけですが、極度方式貸付のカードローンは一度契約した限度額の範囲内で何度でも借り入れができます。お金が必要になる都度、借り入れの申込みをしていると時間がかかるため、繰り返し利用する可能性がある場合には、カードローンが便利です。
- 無担保無保証でお金の使いみちが自由
- カードローンは、原則無担保無保証で借り入れができ、また、お金の使いみちが自由なことも大きな特徴です。ATMで現金を引き出して借り入れすることはできますが、クレジットカードとは違いショッピング決済のカードとして利用することはできません。しかし、一般的にクレジットカードのキャッシングやリボ払いよりも金利は低い傾向にあります。
カードローンの返済
- 約定返済
- 毎月決められた日に決められた金額を返済する方法です。返済方式は、残高スライド元利定額リボルビング方式が一般的ですが、これは借入残高に応じた額を毎月返済する方式です。
- 随時返済
- 手元資金に余裕ができたときに、追加で返済する方法です。主に以下の3つの方法があります。
- カードを利用して提携ATMから随時返済を行う
- 金融機関が指定した返済専用の口座へ振り込む
- 事前に所定の手続きをして約定返済日に希望した金額を追加で返済する
- 一括返済
- まとまった資金ができたときに、まとめて一括返済する方法です。返済方法は「随時返済」と同じです。
このようにカードローンは、借入方法が簡単で限度額の範囲内で何度でも繰り返し利用できる自由度の高さが最大の特徴です。また、毎月決まった「約定返済」、いつでも自由に返済できる「随時返済」、残金をすべて返済できる「一括返済」があり、返済方法の自由度の高さも特徴です。
カードローンの使いみちは?
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カードローンの使いみちは原則自由です。教育ローンやマイカーローン(自動車ローン)は目的別ローンと呼ばれ、利用目的が限定されてしまいますが、カードローンは原則自由で、急な出費やライフスタイルにあわせて幅広く利用できます。ただし、事業性資金や投機目的資金としての利用は対象外としているケースがあります。
たとえば、冠婚葬祭や突然の病気、旅行中の車の故障など、急な出費や現金を持ち合わせていない時に、利用目的を問わずお金をすぐに借りることができるカードローンは、心強い味方になります。また、趣味や娯楽、資格取得や急な転勤の引越し費用などまとまったお金が必要になったときや、生活用品の購入に利用することもできます。
このように、目的を問わずさまざまな場面で利用できるカードローンは、自由度が高く生活のあらゆる場面で柔軟に対応できる便利なローンです。
ただし、便利だからといって使いすぎは禁物です。無理のない計画的な借り入れを心掛け、ご自分のライフスタイルにあわせて上手に使いましょう。
カードローンの審査とは?
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カードローンの申込みをすると審査が行われ、金利や限度額などの契約条件が決定されます。ここでは、カードローンの審査のポイントについて解説します。
審査基準は、各金融機関が独自で規定しており公表されていません。しかし、各金融機関の商品概要などから重要視している審査のポイントがうかがえる場合があります。一般的に、審査のポイントは「安定した収入」「他社での借入状況」「個人信用情報機関の登録内容」です。
- 安定した収入
- 継続した安定収入があれば、パートやアルバイトの方でも申込みが可能な金融機関は多くあります。ただし、学生や専業主婦の方は申込みができない金融機関もあるので注意が必要です。パートやアルバイトよりも正社員や契約社員として働いているほうが転職リスクが低く、「継続した安定収入」という点で有利になるでしょう。また、勤続年数に制限がなくても「安定した収入」「継続した収入」を条件とする金融機関が多いため、勤続年数は長いほど有利になると考えられます。
- 他社での借入状況
- 審査では、まず現在の借入件数や借入残高、遅延の有無などの返済状況を確認します。その上で融資後の借入総額、年収に対する借入比率を考慮し返済能力を審査します。そのため、他社からの借り入れが多いと、審査が厳しくなる可能性が高くなります。
- 個人信用情報機関の登録内容
- 金融機関は、加盟している個人信用情報機関に登録されたローンやクレジットカードの申込情報や契約内容、返済状況などの登録内容を確認します。個人信用情報機関に延滞履歴や破産などの事故情報が登録されていると審査は通らない可能性が高いでしょう。
審査にかかる期間は金融機関によってさまざまですが、銀行などでは1営業日~3営業日程度が一般的で、消費者金融などのノンバンクなら最短即日回答、中には30分で回答する金融機関もあります。
カードローンの返済額は?
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カードローンの毎月の返済額は、借入残高に応じて変動させる残高スライド方式を採用している金融機関が一般的です。ここでは残高スライド方式で代表的な「残高スライド元利定額リボルビング方式」について説明します。
残高スライド元利定額リボルビング方式とは、借入残高に応じて元金と利息を合わせた毎月の約定返済額が決定する返済方式のことです。そのため借入残高に一定ラインを超える増減があると、約定返済額が変動します。適用となる借入残高は、主に返済日時点を採用するパターンと最終の借入後を採用するパターンがあります。
※返済額のイメージ
借入残高 |
返済額(元金+利息) |
10万円以下 |
3,000円 |
10万円超~20万円以下 |
6,000円 |
20万円超~30万円以下 |
9,000円 |
30万円超~40万円以下 |
12,000円 |
40万円超~50万円以下 |
15,000円 |
実際には商品ごとの契約内容によって毎月の返済額が異なります。借り入れを検討している金融機関のホームページのシミュレーション等であらかじめ確認するようにしましょう。
カードローンに関するよくある質問
カードローンの特徴や金利は?申込条件にはどのようなものがあるの?カードローンの素朴な疑問にお答えします。
- Q.1カードローンの申込条件にはどのようなものがありますか?
- A.1
一般的に契約時の年齢条件を満たすこと、継続した安定収入があることなどがあります。条件を満たせばパートやアルバイト、専業主婦でも申込みは可能です。
申込みにあたって、詳細な条件は金融機関によって異なります。20歳以上、満65歳未満までなどと年齢制限を設ける金融機関がほとんどで、継続した安定収入があれば、パートやアルバイトでも申込みできる金融機関は数多くあります。また、専業主婦の場合は、配偶者の同意や配偶者に安定した収入があるかどうかが、ポイントになります。申込み後、審査によって借り入れの可否が決まりますが、安定した収入・継続した収入を条件とする金融機関が多いため、単発契約でのアルバイトなどの場合は、審査がやや厳しくなると言えるでしょう。
また、地方銀行や信用金庫の場合は、居住地や勤務地などが営業区域内であることを申込みの条件としているケースがあります。
- Q.2カードローンを提供する金融機関とその特徴を教えてください。
- A.2
大きく分けて「銀行」「信販会社」「消費者金融」の3種類があります。それぞれに特徴があり、金利水準、審査スピード、付帯サービスなどが異なります。
カードローンは、主に3つあります。都市銀行、地方銀行、ネット銀行などの「銀行カードローン」。銀行系列のクレジットカード会社や独立運営の信販会社の「信販会社カードローン」。それに加えて「消費者金融カードローン」です。
銀行カードローンは、申込みする銀行に自分の口座があり、すでに取引があれば、借り入れの際の安心感があるでしょう。現在は、ほとんどが来店不要でパソコンやスマホからの申込みが可能となっています。審査結果の回答には1~2日かかるのが一般的です。他の金融機関のカードローンに比べて、金利が低く抑えられていること、借入限度額が大きく上限が1,000万円の商品もあることなどが特徴です。
信販会社カードローンは、主に、銀行系列のクレジットカードを発行している信販会社や、独立運営の信販会社の取り扱いです。銀行カードローンより、やや金利は高めの設定になる傾向があります。返済実績に応じて適用金利が下がる、一定期間の利息をキャッシュバックするなど、独自のサービスを設けているところもあります。申込みはWEB完結で、審査結果の回答は最短で即日。融資までは3日から1週間程度のところが多いです。
消費者金融カードローンの最大の特徴は、申込みから審査、融資までのスピードが速いことです。申込んでから審査結果がわかるまで最短30分で、即日融資を可能とするところがほとんどです。他の金融機関と比べて実質金利は高めで、利息制限法の上限金利が適用される場合があります(審査結果によって異なります)。借り入れから一定期間の利息が無料、提携キャッシュレス決済利用でポイントが貯まるなどの独自のサービスもあります。
- Q.3カードローンの金利はどのように決まるか教えてください。
- A.3
金利は大きく分けて2パターン「(1)あらかじめ借入限度額に応じて決められている」「(2)審査結果次第で決まる」と考えられます。
(1)あらかじめ借入限度額に応じて決められている
カードローンの金利は、上限を年20.0%までと法律(利息制限法)によって定められています。さらに借入金額によっても金利の上限が決められています。
借入金額 | 金利の上限 |
10万円未満 | 年20.0% |
10万円以上 100万円未満 | 年18.0% |
100万円以上 | 年15.0% |
借入金額が大きくなれば、金融機関が設定できる金利の上限は下がってきます。
そのため、法的な借入金額と金利の上限をもとに、各カードローン会社では、独自に借入限度額に応じた金利を決めているところが多いと考えられます。法的な区分よりも細分化されており、借入限度額が高いほど金利は低く、借入限度額が少ないほど金利は高くなります。いったん審査で決定した借入限度額内であれば、利用金額に関わらず、決定した金利が適用されます。
(2)審査結果次第で決まる
おおむね、銀行カードローンは年1.0%~15.0%程度、信販会社カードローンは年1.7%~18.0%、消費者金融カードローンは年3.0%~18.0%で、いずれも幅があります。実際に適用される金利は、審査によって決まります。
審査で最も重要視されるのは、信用情報です。住宅ローンやマイカーローン、クレジットカードなどの借入状況をデータベースで調査し、借入金額や返済の遅延がないかを確認します。返済遅延などがあると、審査は厳しくなります。また、複数の会社からの借り入れがある場合も、審査が通りにくくなると考えられます。
その次に、継続して安定した収入があるかという点です。パートやアルバイトであっても、「継続して安定した収入」があれば、審査が通らないということにはなりません。ただ、正規雇用で年収が高ければ、金利条件は緩やかになると考えていいでしょう。
最終的には、借入金額に対して、返済能力がどの程度あるのかによって、適用金利は決まってきます。
- Q.4クレジットカードのキャッシングとカードローンの違いを教えてください。
- A.4
最大の違いは金利で、低金利なのはカードローンです。少額を一時的に借りるならキャッシングが便利ですが、ある程度まとまった金額を自由に使うのならカードローンと使い分けるといいでしょう。
クレジットカードの付帯サービスである「キャッシング」と、「カードローン」は、似ていますが、利用の仕方、返済方法、金利などに違いがあり、それぞれ使う場面が異なります。
クレジットカードのキャッシングは、クレジットカードを所有していれば、あらかじめ申込みや審査は不要で、必要な時にATMから必要な金額を引き出すことができます。クレジットカードの種類や保有者によって金額は異なりますが、クレジットカードには、ショッピング枠とキャッシング枠が設定されており、その範囲内で買い物をし、お金を借りることができます。ただ、注意が必要なのは、クレジットカードには総利用枠が決まっており、ショッピング枠が50万円、キャッシング枠が20万円だった場合、キャッシングで10万円借りると、ショッピングで使えるのは40万円までとなります。
このように、クレジットカードのキャッシングは気軽に利用できる半面、利用可能額は数十万円までとなっているため、ある程度まとまった資金が必要、という場合には不向きです。また金利も年15.0%~18.0%とカードローンよりも高く設定されているのが一般的なので、あくまでも少額で、翌月一回払いで返済できるような使い方が望ましいでしょう。返済はリボルビング払い(リボ払い)も選べますが、通常の買い物のクレジット払いと一緒の返済となり、何にいくら使い、いつまで返済が続くのかが把握しづらくなるので、注意が必要です。
カードローンもATMなどからいつでも現金を引き出せるのは同じで、あらかじめ借入限度額が設定されていますので、その範囲内で繰り返し使うことができます。返済は残高スライド方式のリボルビング払いが一般的で、所定の返済額が毎月指定の銀行口座から引き落としになります。また、随時ATMなどで返済することも可能です。
引っ越し費用や資格取得費用など、ある程度まとまった金額を異なる目的で利用し、毎月の返済を計画的に行うのなら、金利が抑えられているカードローンのほうが望ましいでしょう。
- Q.5フリーローンではなくカードローンを選ぶメリットには何がありますか?
- A.5
使い道が自由なのは同じでも、1度の契約で限度額内であれば複数回利用できるのがカードローンのメリット。使う目的が決まっていて、金利を抑えたいなら、フリーローンの利用がいいでしょう。
フリーローンは、主に銀行や信用金庫、信販会社が取り扱っており、カードローン同様に使い道は自由です(用途を申告する場合もあります)。カードローンとの大きな違いは、1回の審査で1度の借り入れのみという点です。
教育資金の不足分や車の購入費用など、フリーローンの使い道はさまざまですが、1回の審査で1度の借り入れですから、追加で借り入れをしたい場合は、改めて申込み、審査が必要になります。カードローンの場合は、審査から借り入れまでの期間が短く、1回の審査で借入限度額が決まります。その限度額の範囲内であれば、自由に繰り返し利用することができます。
返済については、フリーローンでは、10年以内などと返済期間が決まっているため、計画的に返済を終わらせることができます。一方、カードローンには返済期間という考え方がありませんので、契約内容に応じた所定の金額を毎月返済していくということになります。
どちらにもメリット、デメリットがありますが、使う目的が決まっていて、金利を抑えて計画的な返済をしたいならフリーローン。違う目的で複数回利用する可能性があるならカードローン。というように使い方によって選ぶといいでしょう。
- Q.6契約方法にはどのような選択肢があるか教えてください。
- A.6
契約方法は、店頭窓口、郵送、WEB完結、自動契約機など、さまざまあり、金融機関によっても異なります。現在は、WEBで申込みから契約まで完結する方法が主流です。
金融機関によって契約方法は異なりますが、現在はWEB上で、申込み、必要書類送付、審査結果連絡、契約まで完結する方法が主流となっています。金融機関によっては、店頭窓口での手続きが必要なケースや、電話対応や郵送による手続きを可能とするケースもあります。
また、一部の銀行には行内にローン契約機が据え置かれており、窓口を通さず申込みをすることもできます。消費者金融では、自動契約機が置かれた無人店舗が各地に設置されています。
早く借りたいのであれば、24時間いつでも手続きができるWEBが便利です。操作方法がわからない、申込方法、契約条件などを詳しく聞きたい場合は、店頭窓口に行くのがいいでしょう。
いずれの場合も、本人確認書類が必要で、借入金額によっては(50万円以上など)、収入証明書が必要になりますので、事前に準備しておくとスムーズです。必要書類は金融機関によって異なり、送付方法も郵送、WEBから送付、スマートフォンアプリを利用など違いがあります。
- Q.7カードローンでお金を受け取るにはどのような方法がありますか?
- A.7
契約完了後、カードが発行され、提携ATMで利用することが一般的ですが、一部の金融機関では指定の銀行口座へ振込をしてもらうこともできます。最近は、スマホアプリをカード代わりにしてATM利用が可能になるなど、カードレス化も進んでいます。
一般的な方法は、契約完了後、郵送でカードが送られ、到着次第、提携のATMから現金を受け取ることになります。カード到着は、最短で3日程度となります。一部の金融機関では、自行の口座や指定の口座に、カード到着前に振込可能とするところもあります。また、カード発行はローン契約機・自動契約機でできる金融機関もあります。
最近は、スマートフォンアプリがカード代わりとして使えるようになり、一部の提携ATMで引き出すことも可能です。キャッシュレス決済機能のあるアプリに、直接借入金額をチャージできる金融機関もあります。カードレス対応の場合、会員番号の書類が送付されるケースもあります。
現金引き出しにかかるATM手数料は無料の場合も、月3回まで無料など回数制限する場合もあります。手数料がかかってしまうと、無駄な出費となってしまいます。手数料体系については、事前に確認しておくといいでしょう。
私が回答しました
伊藤 加奈子
(いとう かなこ)
ファイナンシャル・プランナー。
大学卒業後、リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。不動産、住宅、マネー情報誌の編集者、マーケティングプランナーを経て2003年独立。フリーランスで各種媒体のエディトリアルアドバイザーを務める。2013年沖縄移住後は、各種WEBサイトに不動産、ライフプラン、マネープランに関するコラムの執筆を中心に活動中。
カードローンを借り入れるまでの流れ
使いみちが自由で、一度契約した限度額の範囲内なら何度でも借りられるカードローンは、銀行や信用金庫、消費者金融、信販会社などの金融機関で取り扱われています。カードローンの比較検討から借り入れまでの流れを確認しましょう。
- 希望条件を洗い出す
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カードローンを比較検討する前に、希望条件を洗い出しておきましょう。
利用目的や借入希望額、借入希望時期、借入方法(口座振込、金融機関のATM、コンビニATMなど)、返済の条件(毎月返済可能な金額、返済期間)などを考えておけば、カードローンを比較検討する際のチェックポイントにすることができます。
- カードローンを比較して選ぶ
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借り入れの希望条件を洗い出せたら、各金融機関のカードローン商品の情報を集めて比較検討しましょう。
金利や借入限度額だけではなく、自分が必要な時期に借りられるか(借り入れまでに何日かかるのか)、希望する方法で借りられるか(近くのATMなどを利用できるか)など、洗い出した条件と照らし合わせてチェックしていきます。
さらに、それぞれのローン商品の申込条件を確認します。年齢や収入、勤続年数、居住地などの申込条件に合わないローン商品は候補から外していきます。
- カードローンの申込み
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利用したいカードローン商品が見つかったら、申込み、審査を受けます。カードローンの申込みはWEB上で完結する商品が一般的ですが、電話やFAX、郵送、店頭、無人契約機などの申込方法を選べる商品もあります。申込みの際には、本人に関する情報(氏名、生年月日、住所、居住年数など)や勤務先、収入、他社からの借入状況、返済日や返済方法の希望などが問われます。また、申込時(商品によっては審査後)に、本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)の提出が求められます。
さらに借入希望額によっては、年収を証明する書類(前年の源泉徴収票、確定申告書の控えなど)の提出も求められます。個人がお金を借りる場合(リボルビング契約の借入枠を設定する場合も含む)には、貸金業法で「ある貸金業者から50万円を超えて借りるとき」「他の貸金業者から借りている分も合わせて100万円を超えて借りるとき」には、年収を証明する書類の提出が必要とされています。必要書類は、店頭への持参、郵送やFAXでの提出のほか、パソコンやスマホを利用してアップロードできる商品もあります。書類の不備や不足があると、審査や手続きが進まず、スムーズに借り入れできません。申込前に必要書類を確認し、用意しておきましょう。
審査結果は、メールや電話などで通知されます。審査結果の回答にかかる期間は、一般的に1日~3日程度ですが、30分~1時間程度で通知する金融機関もあります。金融機関によって違いはありますが、消費者金融のほうが銀行などの金融機関よりも審査回答期間は短めです。
- カードローンの契約
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審査に通過したら、限度額(極度額)や返済日などの内容を確認して契約します。
- WEB完結の場合
- アプリやWEB上で契約内容を確認します。契約の際に必要な書類は、デジカメやスマホなどで撮影した画像ファイルを、アップロードにより提出します。
- 郵送の場合
- 金融機関から送られる契約書類で契約内容を確認し、契約時に必要な書類がある場合は同封して、返送します。契約書類のフォーマットは、WEB上からダウンロードできる場合もあります。
- 店頭の場合
- 店頭で契約内容を確認し、契約書に記名・押印します。契約の際に必要な書類があれば、提出します。
- カード発行・借入金の受取り
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- ローンカードが発行される場合
- 契約が成立すればローンカードが発行されます。カードは、店頭や無人契約機で受け取ったり、あるいは郵便や宅配便などで受け取ったりします。カードを受け取ったら、借入先金融機関のATMをはじめとして、その提携する金融機関やコンビニなどのATMで借り入れできます。カードを受け取る前に、指定した金融機関の口座に、借入金を振り込んでくれるサービスを行っている金融機関もあります。また、WEBやアプリから操作して、借入金を口座に入金して受け取ることができる商品もあります。
- ローンカードが発行されない場合
- 最近は、カードを発行しないカードローンも増えています。
カード発行されない場合は、WEBやアプリから操作して、借入金を口座に入金して受け取ります。
入金されたら借入金をご自身の利用目的にあわせて使用しましょう。
私が書きました
大林 香世
(おおばやし かよ)
ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。
大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。
カードローンお役立ち記事
お役立ち情報が満載のカードローンに関する記事を紹介します。
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NEW
変動金利のカードローンの金利上昇による負担増への対策は?
FPからのアドバイス(第1117回)
- Qカードローンで借り入れをして、現在返済中です。金利タイプは変動金利です。先日、日本銀行が利上げをし、今後も利上げの可能性が高いという報道を耳にしたのですが、変動金利のカードローンを使っていると、金利が上昇して、利息の負担が重くなるのではないでしょうか。対策があれば教えてください。(会社員 男性 29歳)
- A変動金利のカードローンを借りて返済をしている場合、今後、市場金利の上昇の影響で適用金利が見直され、返済負担が重くなる可能性があります。ただし、一般的には利息制限法による上限金利を超えて設定されることはありません。金利上昇による負担を軽減する最も効果的な方法は、繰上返済を行うことですが、手元にまとまった金額がなくて繰上返済ができない場合は、他のローンに借り換える方法もあります。
利息制限法によって、上限金利を超える部分は無効になる!
利息制限法によって上限金利を超える部分は無効になります。超過する利息を支払う必要はありません。
この法律は、個人も法人も対象とされ、お金の貸し借りを業務としているか否かも問いません。上限金利は、下記の通り、元本の額に応じて決められています。
カードローンも、上記の範囲内で、消費者金融や銀行が貸し出し金額に応じて独自に金利を設定しています。
変動金利で借り入れをしている場合、今後の市場金利の上昇に伴って、適用金利が見直されて上昇し、負担が重くなる可能性があります。しかし、基本的には、上限金利を超えることはありません。
負担増が心配ならば、まず、現在利用しているカードローンの適用金利を確認し、今後、どの程度上昇余地があるかを把握しましょう。
たとえば、現在、ある金融機関のカードローンを利用し、借入残が50万円で、適用金利が年14.0%であれば、上限金利の18%まで、あと4%の上昇余地があることになります。
金利上昇に伴う負担増の効果的な対策は借り換え!
金利上昇に伴う負担増の最も効果的な対策は、繰上返済による完済です。返済の負担を一気にゼロにできます。なお、繰上返済は、全部でなく一部であっても、ローンの残高を減らせるため、負担の軽減に繋がります。ただし、繰上返済は、手元にある程度のまとまった資金がなければ実施できません。
繰上返済ができないときに検討したいのが、借り換えです。
担保になる不動産があれば、不動産担保ローンへの借り換えによって、負担を大幅に軽減できます。なぜなら、カードローンのような無担保ローンよりも、不動産担保ローンのほうが、金利が低く設定される傾向があるからです。なお、不動産担保ローンには、変動金利と固定金利があります。金利上昇リスクを回避するなら、金利は高めでも固定金利を選択したほういいでしょう。
担保になるものがない場合は、フリーローンに借り換える方法もあります。カードローンは、一度申込みをして審査を通過すると、設定された限度額の範囲内で何度でも利用できますが、フリーローンは借り入れをするたびに審査・契約が必要です。カードローンと同様、資金使途に制約はありませんが、カードローンよりも金利が比較的低く設定される傾向があるため、金利上昇による負担を軽減できる可能性があります。なお、フリーローンにも、変動金利と固定金利があります。
ちなみに、カードローンにも変動金利と固定金利があります。変動金利から固定金利に借り換えれば、金利上昇リスクを回避できます。
複数の金融機関のカードローンを利用している場合、それらをおまとめローンでまとめることで負担を軽減できる場合もあります。
おまとめローンの金利は、金融機関ごとに、借入額に応じて設定されており、一般的に借入額が多いほど、金利は低く設定されています。複数のカードローンを1つにまとめて借入額が大きくなれば、これまでよりも低い金利が適用されて、負担が軽減できることがあります。
借り換えをする場合は、自分にとってどのローンに借り換えるのが適切かを事前に吟味しましょう。借り換えるローンを決めたら、複数の商品の中から、金利タイプ(固定金利か、変動金利か)、金利水準をしっかり比較・検討し、できるだけ有利なものを選ぶようにしましょう。
私が書きました
中村 宏
(なかむら ひろし)
ファイナンシャル・プランナー。FPオフィス・ワーク・ワークス 代表。
教育出版社勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。「お客様のお金の不安を解消する」をモットーに、1,500件を超える個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を中心に活動。無料メルマガ「生活マネー ミニ講座」を配信中。著作 「自分のお金の育て方」(祥伝社)、「老後に破産する人、しない人」(KADOKAWA中経出版)。
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消費者金融のカードローン、その特徴は?
FPからのアドバイス(第1104回)
- Q街中の看板やCMで見ることのある「消費者金融」は、どんな会社でしょうか。消費者金融にも銀行にも「カードローン」がありますが、違いがあるのでしょうか。(群馬県Tさん)
- A消費者金融は、カードローンなどの個人向けの貸付を主に扱う会社です。審査回答期間が短く、急な資金需要に便利ですが、銀行等のカードローンに比べると金利は高め、といった特徴があります。
消費者金融とは
消費者金融は、カードローンなどの個人向けの貸付を主に扱う会社です。法人向けの事業資金の貸付も扱う消費者金融もあります。
貸金業者である消費者金融は、「貸金業法」に基づいて貸付を行っています。
貸金業法とは、消費者金融などの貸金業者に関する規制などを定めている法律です。多重債務者の増加が深刻な社会問題となったことから、貸金業法は2006年12月に改正され、2010年6月に完全施行されました。改正された貸金業法には、返済能力を超えた借りすぎを防ぐための「借入総額の規制(総量規制)」や「上限金利(借入金額に応じて15%~20%)」、ヤミ金対策として「著しい高金利での貸付け」や「無登録営業」に対する罰則(10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金、またはこの併科)などが盛り込まれています。
消費者金融などの貸金業を営むためには、主たる営業所等の所在地を管轄する財務局長又は都道府県知事の登録を受けなければならないこととなっています。
金融庁のホームページには「登録貸金業者情報検索サービス」があり、登録業者であるかどうかを確認することができます。
なお、身近な銀行等でもローン商品が扱われていますが、銀行等の商品は貸金業法ではなく、銀行法の規制を受けます。
「急な出費」に強い、消費者金融のカードローン
カードローンを比較してみると(⇒表1)、銀行に比べ、消費者金融のカードローンは、審査回答期間が短く、素早く借りられることがわかります。その一方、金利は銀行等のカードローンに比べると高めに設定されています。
表1 消費者金融と銀行のカードローンの違い
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消費者金融のカードローン |
銀行のカードローン |
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適用される法律 |
貸金業法 |
銀行法 |
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実質金利(最低・最高)* |
3.00%・18.00% |
0.9%・14.8% |
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審査回答期間 |
15秒~15分 |
即日~2日 |
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* 実質金利・審査回答期間は2024年10月30日現在、イー・ローン「カードローン」で、「銀行」「その他の金融機関」でそれぞれ検索した場合。表は筆者作成。
また、消費者金融の場合、貸金業法の「総量規制」の対象となり、原則として「年収の3分の1」までしか、借り入れることができません。
総量規制とは、返済不能なほど借り入れることを防ぐために設けられた、借り入れる金額の総額に制限を設ける規制です。貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合、新規の借り入れをすることはできません(住宅ローンなど、総量規制の規制を受けないローンもあります)。
総量規制は消費者金融などの貸金業者を対象とした規制であり、銀行等のローンには総量規制による制限はありません。しかし、銀行等のカードローンなら希望通りの金額が借りられるとは限りません。利用者それぞれの収入や勤務状況などから、無理なく返済が続けられるかを審査されることは銀行等のローンでも変わりません。また、その金融機関やその商品ごとの審査基準もあるので、基準をクリアできなければ、希望の金額が借りられない場合もあるでしょう。
カードローンを選ぶなら、自分のニーズに合わせて
このように、銀行のカードローンと比べると消費者金融は、「素早く借りられるが、比較的高金利、限度額が小さい場合もある」という特徴があります。したがって、早急に(それほど多くない)資金が必要、という方には向いた選択肢だと思います。
なお、消費者金融によっては、「初回30日間無利息」など、初めて利用する場合には一定期間利息がかからない商品もあります。その制度が利用できて無利息期間中に完済すれば、「素早く借りられて利息負担もなし」ということになりますね。利用を検討される場合は、無利息のサービスの有無もチェックしておかれるとよいでしょう。
一方、銀行のカードローンは、審査回答期間の短さは消費者金融に譲るものの、比較的低金利で利用できます。早急に資金が必要、というわけでなければ、金利や利便性を比較検討して選ばれるとよいでしょう。
私が書きました
大林 香世
(おおばやし かよ)
ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。
大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。
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カードローンの「限度額まで何度でも借り入れ可能」ってどういうこと?
FPからのアドバイス(第1101回)
- Q今年の夏は出費が重なり、やりくりに苦労しました。カードローンは限度額まで何度でも借り入れ可能で、いざというときに便利だと聞きましたが、仕組みや注意点について教えてください。(24歳 会社員)
- Aカードローンは利用限度額の範囲内であれば何度でも借り入れが可能で、コンビニATMでも利用できるなどのメリットがある反面、その利便性から借りすぎてしまうおそれがあるなど、使い方には注意も必要です。利用前にしっかりと返済計画を立てて、賢く利用しましょう。
カードローンの特徴
カードローンとは、銀行や消費者金融など多くの金融機関で取り扱っている個人向けのローン商品です。その大きな特徴は、資金の使い道が自由な点です。引っ越しや車の購入など、目的や時期がわかっている支出であれば、積み立て貯蓄などで計画的に準備をしたり、目的別ローンを利用したりすることが可能ですが、冠婚葬祭や生活費の補填などには、使い道が自由なカードローンが便利です。
一般的にカードローンの利用には保証人や担保は不要な上、申込みから借り入れまでがスピーディで、即日融資可能な商品もあり、急な出費にも対応できる点も魅力です。提携金融機関やコンビニのATM、インターネットやスマホのアプリなどで手軽に借り入れや返済ができます。
また、カードローンの大きな特徴として、限度額まで何度でも借り入れ可能な点があげられます。
住宅ローンやマイカーローン、フリーローンなどのローン商品は、当初決めた金額を一度に借り入れます。追加の借り入れが必要な場合は、改めて審査を受ける必要があります。
一方、カードローンは、契約当初に決めた利用限度額の範囲内であれば何度でも借り入れが可能です。例えば、利用限度額が30万円と設定されているカードローンで10万円を借り入れた場合、追加でさらに20万円まで借り入れることができます。また、10万円を借り入れた後、元金2万円を返済した場合には追加でさらに22万円までの借り入れが可能になります。
カードローンの注意点
カードローンは便利な一方で、使い方によっては大きな負担になることもあります。主な注意点を確認しておきましょう。
(1)金利が高め
カードローンは住宅ローンやマイカーローンなどの目的別と比較すると金利が高い傾向にあります。金融機関によっても適用金利が異なるため、事前に調べておきましょう。また、初回限定などの条件つきで無利息期間が設けられている商品もありますので、条件が合えば利用を検討してみるといいでしょう。
(2)無計画に使うと借りすぎてしまう
カードローンは利用限度額の範囲内であれば何度でも借り入れが可能で、コンビニのATMでも借り入れができるなど利便性が高い反面、借りすぎてしまうおそれがあります。また、借り入れと返済を繰り返すうちに借入総額がわからなくなってしまう場合もあるので、しっかりと返済計画を立てて必要な金額だけを借りることが大切です。
(3)返済が長期化しやすい
カードローンの多くは「リボルビング方式」を採用しています。毎月の返済額が一定であるため、返済計画を立てやすい一方、借入額が大きくなると返済が長期化し、利息負担が増える場合があります。余裕がある月には、いわゆる繰り上げ返済に相当する臨時返済(随時返済)を利用するなどして早めに完済するようにしましょう。
私が書きました
宮野 真弓
(みやの まゆみ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。
大学在学中にFP資格を取得。証券会社、銀行、独立系FP会社を経て独立。忙しくても無理なく実践できるメリハリ家計を提案するママFP。
ライフプラン全般の相談業務や家計簿診断、ライフプランセミナー講師、FP資格取得講座の講師として活動中。
学校での金銭教育にも注力している。
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欲しかった商品が値上げ宣言! カードローンで今すぐ購入するのはあり?
FPからのアドバイス(第1094回)
- Q冬のボーナスで家電の買い換えを検討していますが、最近、食品以外でも家電などの高額商品も値上げされているというニュースを目にし、値上げされる前に買ったほうがいいのか悩んでいます。ただ、余裕資金がないので、カードローンの利用をすることになりますが、ボーナスまで待ったほうがいいでしょうか?(東京都 Mさん)
- A円安傾向などの影響もあり、食品だけではなく大型家電やパソコン、スマートフォンなどのデバイスも価格が上昇しています。購入希望の商品の値上げが公表されているのであれば、その前に購入したくなる気持ちも理解できます。カードローンを利用するのであれば、金利などの条件を確認し、無理のない利用額にとどめるようにしましょう。
値上げが確実なら、カードローンを賢く使うのも手。ただし、安く買える方法の検討も必要
昨今の異常気象などによる原材料費の高騰や、円安の進行、物流コストの増加などにより、値上げラッシュが続いています。水道料金や電気料金など生活に欠かせないライフラインでも値上げの波が押し寄せ、家計管理はますます苦しい局面になってきています。
家電製品の購入、買い換えなども、快適な生活を送るうえで、欠かせない出費です。故障によるものであれば、時期を問わず買い換えせざるを得ないため、預貯金から工面することになるでしょう。購入、買い換えが必要であっても、ボーナス時期まで待てるなら、それがベストかもしれません。
しかし、この先、物価上昇が続くと予想されるなか、希望する商品が値上げされることも考えられます。資金的な余裕があれば、今のうちに希望する商品を購入するのもひとつの考え方でしょう。問題は資金的な余裕がない場合です。
ご相談者のようにカードローンを一時的に利用し、ボーナスが出たら返済する、という考え方もあるでしょう。値上げ前にカードローンを利用して購入するほうが支払い利息を考慮しても、結果的に安く済むケースもあります。ただし、家電などは、家電量販店の決算時期や年末セールなどでおトクに購入できるものや、新商品が発売されたタイミングで旧タイプが値下げされることもあります。
カードローンを利用して今すぐ購入しなければならないモノでなければ、値上げのニュースに惑わされることなく、冷静に判断することも大切です。
金利と返済期間でカードローンが得かどうかは判断が変わる
カードローンを利用する場合の判断基準として、商品の値上げ幅よりも、カードローンの利息のほうが下回る可能性が高いかどうかという点が挙げられます。
例えば、50万円(税込み55万円)の商品が10%の値上げを予定しているとします。値上げ後は55万円(税込み60万5000円)です。値上げによって5万5000円支払いが多くなってしまいます。
カードローンを利用して値上げ前の50万円(税込み55万円)で購入し、金利と返済期間次第で5万5000円より少なくて済めば利用価値はあるでしょう。
カードローン金利15.0%、返済期間90日間の場合、「55万円×15.0%×90日÷365日=2万342円」が支払い利息となり、値上げ後に購入するよりも少なくてすみます。
ただし、同じ条件で返済期間1年とすると、「55万円×15.0%」=8万2500円が支払い利息となってしまいます。カードローンを利用するなら、いかに早く返済できるかが大事であるということです。
カードローン利用の注意点も事前にチェックし、無理な借り入れはしないこと
上記の例では、金利を15.0%としましたが、カードローンの場合、年収や勤続年数、利用額などによって適用金利が変わります。また、利用する金融機関によっても金利が異なります。一般的に、消費者金融のカードローンは、銀行のカードローンに比べると融資までの期間が短い一方、金利は高い傾向があります。
審査スピード、即日融資を優先するのか、金利を優先するのかによっても利用する金融機関は変わってきますが、緊急性のある資金でなければ、できるだけ金利の低いカードローンを利用し、できるだけ早く返済することが、何よりも重要です。
カードローンを申込むと限度額が提示され、その範囲内であれば何度も借り入れができることになりますが、くれぐれも目的を見失わず、借り入れは確実に返済できる金額にとどめるようにしましょう。
私が書きました
伊藤 加奈子
(いとう かなこ)
ファイナンシャル・プランナー。
大学卒業後、リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。不動産、住宅、マネー情報誌の編集者、マーケティングプランナーを経て2003年独立。フリーランスで各種媒体のエディトリアルアドバイザーを務める。2013年沖縄移住後は、各種WEBサイトに不動産、ライフプラン、マネープランに関するコラムの執筆を中心に活動中。
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計画的なフリーローン利用のはずが、予想外の資金不足!対処法は?
FPからのアドバイス(第1090回)
- Q引っ越しの資金が不足するため、必要な額をフリーローンで借り入れをしましたが、家具や家電の買い替えが必要となり資金が不足してしまいました。適切な対処方法を教えてください。(Fさん 会社員 26歳)
- A利用したローンがフリーローンなら必要な金額を新たに契約する必要があります。また、追加分はカードローンを利用する方が便利な場合もありますし、ローンをまとめる方法もあります。それぞれのローンの特徴を踏まえて自分に合った方法を選びましょう。
フリーローンとは?カードローンとの違いをチェック
フリーローンは資金使途が自由なローンです。例えば、引っ越し、家具や家電、旅行、冠婚葬祭などで、ある程度まとまった資金に利用する場合が多いでしょう。ただし、資金使途が自由とはいえ、基本的には事業資金やギャンブルなどには利用できません。フリーローンは1回の借り入れごとに金銭消費貸借契約証書を作成して契約する証書貸付で、借入時に返済期間、毎月返済額が確定するので返済計画も立てやすく、追加の借り入れができないので使いすぎも防げます。
カードローンは、フリーローンと同じく使途は自由で、限度額の範囲内なら追加で何度も借り入れができます。返済期間を設定せず、毎月一定額を返済するリボルビング払い(リボ払い)が一般的です。比較的少額の資金が不足する場合に利用する場合が多いでしょう。
フリーローンの借り入れ後に資金不足になったらどうする?
フリーローンで借り入れたものの予想外の支出があり、最初に借入れた金額では不足する場合、カードローンを利用する方法もあります。
家具や家電を一度に買い換えず、生活状況を見ながら少しずつ購入する場合、カードローンでその都度必要な分だけ借りるという選択肢もあります。但し、いつでも借り入れができるので気持ちが緩み、生活費にも使うようになってしまうと、なかなか完済できないといったことになってしまいます。カードローンを利用するなら、必要な金額だけを借り入れ、ボーナス時など余裕が生じた場合には繰り上げ返済もして、カードローンの利用分を早めに完済するという強い気持ちを持っておきましょう。
追加分もフリーローンを利用するなら、最初の借り入れに加え別途契約をし、審査を受ける必要があります。追加で必要な金額を明確にし、毎月返済可能な金額を計算して、返済計画を立てると良いでしょう。
複数のローンをまとめて1本のフリーローンへの借り換えも
他の方法として、最初に借りたフリーローンの残高分を含めて新たなフリーローンを契約し、最初の契約分を完済してしまう方法もあります。つまり、1本のフリーローンにまとめるのです。複数のローンの返済をする必要が無い分お金の管理がしやすくなります。また、借入金額が大きくなる分、より低金利で借り入れできる可能性があります。新たな契約で借入期間を延ばすことができれば、毎月の負担を抑え無理のない返済計画を立てることもできます。
どの借入方法を行う場合でも、複数の金融機関で金利を比較し、申込条件や繰り上げ返済の手数料等も確認し、自分に合ったローンを探すと良いでしょう。
新たな生活を始める機会に、無駄な支出を減らして繰り上げ返済に回し、ローンを早めに完済しましょう。今後は急な出費にも対応できるよう、貯蓄ができる家計にしていきましょう。
私が書きました
福島 佳奈美
(ふくしま かなみ)
ファイナンシャルプランナー(CFPR)。
大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFPR)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、独立系FPとして活動を行っている。
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難しいカードローン用語をフィーチャー!
難しいローン用語を分かりやすく説明したローン大辞典から、カードローンに関する用語を週替わりで6つピックアップします。
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しょうひしゃろーん
消費者ローン
消費者ローンとは、一般の消費者を対象にした消費資金のローンをいいます。厳密には住宅ローンや教育ローンは含まれません。
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かいとりや
買取屋
買取屋とは、ヤミ金の一種で多重債務者にクレジットカードで、高額商品や金券を大量に購入させ、定価の30~40%くらいで下取りし、これらの商品や金券をディスカウントショップや金券ショップに転売する業者のことをいいます。クレジットカードで購入した商品の所有権は、その支払が終了するまではクレジット会社にあるため、支払い途中の商品を現金化してしまえば、買取屋と共に詐欺罪の共犯となる場合もあります。
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のんばんく
ノンバンク
ノンバンクとは、金融事業のうち、融資のみを行い、預金の受け入れはしない金融機関をいいます。 消費者金融会社や信販会社、クレジットカード会社などが、一般に「ノンバンク」と呼ばれています。銀行は、原則として預金によって得た資金で企業や個人に融資を行っていますが、「ノンバンク」は銀行等から借り入れた資金を融資の原資としています。また、ノンバンクは貸金業法の総量規制対象となり、一般的な個人向けローンの借入限度額は年収の3分の1までとなります。
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ざんだかすらいどほうしき(ざんだかすらいどへんさい)
残高スライド方式(残高スライド返済)
残高スライド方式とは、カードローンの返済方式(返済方法)のひとつで、借入残高に応じて、毎回の返済額が変動する方式のことをいいます。例えば、100万円超150万円以下なら毎月3万円ずつ、50万円超100万円以下なら毎月2万円ずつなどと、借入残高の水準に応じて自動的に返済額が決められる方式です。
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かーどろーん
カードローン
カードローンとは、資金使途が自由で契約した限度額の範囲内で何度でも繰り返し借り入れをしたり、約定返済以外でも随時返済したりすることができるローンのことをいいます。カードローンの返済方式(返済方法)は、多くの場合一括払いではなく、分割払い(リボルビング払い)です。銀行系のカードローンの他には、消費者金融のカードローン、カード会社などのカードローンがあります。
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おーそりぜーしょん
オーソリゼーション
オーソリゼーションとは、クレジットカード加盟店が有効期間内のクレジットカードかどうかなど、カードの有効性についてクレジットカード会社に確認することをいいます。確認の方法は、オンラインで結ばれている、クレジット端末を通して行われるケースが多いようですが、カード会社に直接電話連絡する方法もあります。
ローン大辞典