カードローンを扱う金融機関の種類とそれぞれの特徴は?
カードローンは主に銀行や信用金庫、信用組合、労働金庫、消費者金融が提供しており、金融機関の種類に応じてその特徴も異なります。一般的に、審査回答期間が短いのは消費者金融、金利(実質年率)が低いのは銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫とされています。消費者金融は申込みから融資まで30分以内に可能な金融機関も多く、お急ぎの場合に大変便利です。銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫は低金利で魅力的ですが、居住地や勤務地が営業区域内の場合のみ申込み可能としている金融機関が多いため注意が必要です。
金融機関の種類別にカードローンをまとめましたので、ランキングとあわせてカードローン探しにお役立てください。
カードローンの選び方のポイント
カードローンを利用したいと思ったとき、種類の多さから「どのカードローンを選べば良いのか」と迷う方も多いでしょう。自分に最適なカードローンは、何を重視するかによって異なります。カードローンの選び方のポイントや、カードローンを利用するうえで知っておきたいポイントを紹介します。
カードローンを選ぶ際のポイントをご紹介!
まずは、カードローンを選ぶ際の4つのポイントを解説するとともに、ポイント別に商品をピックアップします。
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金利の低さ
金利によって、借りたお金に対して発生する利息額が変動します。利息を抑えるためには、できるだけ低い金利のカードローンを選ぶことがポイントです。適用される金利は借入限度額などによって異なります。ただし、初めて契約するカードローンの場合などでは最大金利が適用されるケースが多いため、最大金利も忘れずにチェックしましょう。
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審査と融資のスピード
審査に要する期間や、実際に入金されるまでの日数は、カードローンごとに異なります。借り入れを急いでいる場合は、審査スピードや融資スピードを重視しましょう。また、申込んだ時間帯によっては受付が翌日扱いとなってしまうことがあるため、早い時間帯に申込むこともポイントといえます。なお、カードローンごとに入金方法にも違いがあるため、あらかじめ確認が必要です。
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限度額の大きさ
カードローンの借入限度額は、商品の限度額の範囲内で個別に設定されます。したがって、借り入れたい金額を上回る限度額のカードローンを選びましょう。その際、必ずしも希望どおりの借入限度額が設定されるわけではない点に注意してください。
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WEB完結での契約が可能
先に紹介した商品のように、WEB完結に対応しているカードローンの種類は豊富です。WEB完結の場合は、スマートフォンやパソコンを使って、いつでも・どこでも契約手続きを進められます。例えば「日中は仕事で店舗に出向けない」という方は、WEB完結の商品から選ぶと良いでしょう。ただし、WEB完結での契約手続きには一定の条件が設けられている場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
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カードローンを利用する人が知っておくべきポイント
最後に、カードローンでお金を借りる際に気を付けたいポイントを紹介します。
返済の内容について確認しておこう
カードローンの返済は、大きく分けて次の2つです。
- 約定返済:毎月決められた金額を返済することです。指定日に口座から自動で引き落とされるケースや、期日までにATMで自ら振り込むケースなどがあります。
- 臨時返済:約定返済とは別に、好きなタイミングで借入残高の一部または全部を返済することです。「随時返済」や「追加返済」などと呼ばれることもあります。
特に約定返済では、契約したカードローンの返済期日・返済金額を把握しておかないと、「口座残高が足りず引き落とせない」「ATMでの手続きを失念していた」といった状況になりかねません。返済を延滞しないよう、返済方法をきちんと確認しておきましょう。
返済を延滞したらどうなるか確認しておこう
万が一にも返済を延滞してしまうと、「遅延損害金」が発生します。遅延損害金は、いわゆる延滞利息のことで、通常の金利よりも高く、返済が遅れれば遅れるほど金額が増えていくため注意が必要です。また、カードローンの利用に関する情報は、「信用情報機関」に登録されます。信用情報機関には、返済を延滞した情報も登録されるため、返済を延滞したカードローンだけでなく、その他のクレジットカードやローンの利用にも悪影響が生じることがあります。返済手続きに遅れ・漏れがないようにするためには、スマートフォンのカレンダーに返済期日や返済金額を入力しておくと良いでしょう。カレンダーをこまめに見る習慣がない方は、アラート通知を設定しておくと安心です。また、口座引き落としでの返済の場合は、口座残高が足りているか前もって確認するために、スマートフォンアプリを活用することがおすすめです。銀行の専用アプリを利用すれば、ATMに行かなくても、口座残高をすぐに把握できます。
まとめ
さまざまな商品のなかから次の4つのポイントを考慮し、自分の希望にあうカードローンを選びましょう。
- 金利の低さ
- 審査と融資のスピード
- 限度額の大きさ
- WEB完結での契約が可能
また、カードローンを利用する際は、「お金を借りたあと」のことも確認しておくことが重要です。事前に返済方法を確認しておくとともに、スマートフォンのカレンダーやアプリも活用して、毎月の返済を忘れないようにしましょう。
私が書きました
赤上 直紀
(あかがみ なおき)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
元銀行員。おまとめローンでは、毎月の返済負担の軽減ができるので、ライフプランを組む上で重要な商品だと考えている。現在は、編集者として金融機関を中心に、ウェブコンテンツの編集・執筆業務を行う。
カードローンの基礎知識
カードローンのこれだけは知っておきたい!そんな基礎知識をまとめました。
カードローンとは?
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カードローンとは、資金使途が自由で契約した限度額の範囲内で何度でも繰り返し借り入れをしたり、約定返済以外でも随時返済したりすることができるローンのことです。
カードローンの特徴
- 借入方法が簡単
- カードローンの借入方法は大きく分けて2種類あり、提携のATMから現金を引き出す方法と、インターネットや電話による手続きで指定口座にお金が振り込まれる方法があります。すぐに現金が必要なときはATMを利用し、口座の残高が不足するときはインターネットから指定口座への振り込み手続きをするなど、利用目的に合わせた借入方法が選択できます。
- 限度額の範囲内で何度でも借り入れができる
- 一般的な証書貸付では、一度融資を受けたら後は返済をするだけですが、極度方式貸付のカードローンは一度契約した限度額の範囲内で何度でも借り入れができます。お金が必要になる都度、借り入れの申込みをしていると時間がかかるため、繰り返し利用する可能性がある場合には、カードローンが便利です。
- 無担保無保証でお金の使いみちが自由
- カードローンは、原則無担保無保証で借り入れができ、また、お金の使いみちが自由なことも大きな特徴です。ATMで現金を引き出して借り入れすることはできますが、クレジットカードとは違いショッピング決済のカードとして利用することはできません。しかし、一般的にクレジットカードのキャッシングやリボ払いよりも金利は低い傾向にあります。
カードローンの返済
- 約定返済
- 毎月決められた日に決められた金額を返済する方法です。返済方式は、残高スライド元利定額リボルビング方式が一般的ですが、これは借入残高に応じた額を毎月返済する方式です。
- 随時返済
- 手元資金に余裕ができたときに、追加で返済する方法です。主に以下の3つの方法があります。
- カードを利用して提携ATMから随時返済を行う
- 金融機関が指定した返済専用の口座へ振り込む
- 事前に所定の手続きをして約定返済日に希望した金額を追加で返済する
- 一括返済
- まとまった資金ができたときに、まとめて一括返済する方法です。返済方法は「随時返済」と同じです。
このようにカードローンは、借入方法が簡単で限度額の範囲内で何度でも繰り返し利用できる自由度の高さが最大の特徴です。また、毎月決まった「約定返済」、いつでも自由に返済できる「随時返済」、残金をすべて返済できる「一括返済」があり、返済方法の自由度の高さも特徴です。
カードローンの使いみちは?
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カードローンの使いみちは原則自由です。教育ローンやマイカーローン(自動車ローン)は目的別ローンと呼ばれ、利用目的が限定されてしまいますが、カードローンは原則自由で、急な出費やライフスタイルにあわせて幅広く利用できます。ただし、事業性資金や投機目的資金としての利用は対象外としているケースがあります。
たとえば、冠婚葬祭や突然の病気、旅行中の車の故障など、急な出費や現金を持ち合わせていない時に、利用目的を問わずお金をすぐに借りることができるカードローンは、心強い味方になります。また、趣味や娯楽、資格取得や急な転勤の引越し費用などまとまったお金が必要になったときや、生活用品の購入に利用することもできます。
このように、目的を問わずさまざまな場面で利用できるカードローンは、自由度が高く生活のあらゆる場面で柔軟に対応できる便利なローンです。
ただし、便利だからといって使いすぎは禁物です。無理のない計画的な借り入れを心掛け、ご自分のライフスタイルにあわせて上手に使いましょう。
カードローンの審査とは?
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カードローンの申込みをすると審査が行われ、金利や限度額などの契約条件が決定されます。ここでは、カードローンの審査のポイントについて解説します。
審査基準は、各金融機関が独自で規定しており公表されていません。しかし、各金融機関の商品概要などから重要視している審査のポイントがうかがえる場合があります。一般的に、審査のポイントは「安定した収入」「他社での借入状況」「個人信用情報機関の登録内容」です。
- 安定した収入
- 継続した安定収入があれば、パートやアルバイトの方でも申込みが可能な金融機関は多くあります。ただし、学生や専業主婦の方は申込みができない金融機関もあるので注意が必要です。パートやアルバイトよりも正社員や契約社員として働いているほうが転職リスクが低く、「継続した安定収入」という点で有利になるでしょう。また、勤続年数に制限がなくても「安定した収入」「継続した収入」を条件とする金融機関が多いため、勤続年数は長いほど有利になると考えられます。
- 他社での借入状況
- 審査では、まず現在の借入件数や借入残高、遅延の有無などの返済状況を確認します。その上で融資後の借入総額、年収に対する借入比率を考慮し返済能力を審査します。そのため、他社からの借り入れが多いと、審査が厳しくなる可能性が高くなります。
- 個人信用情報機関の登録内容
- 金融機関は、加盟している個人信用情報機関に登録されたローンやクレジットカードの申込情報や契約内容、返済状況などの登録内容を確認します。個人信用情報機関に延滞履歴や破産などの事故情報が登録されていると審査は通らない可能性が高いでしょう。
審査にかかる期間は金融機関によってさまざまですが、銀行などでは1営業日~3営業日程度が一般的で、消費者金融などのノンバンクなら最短即日回答、中には30分で回答する金融機関もあります。
カードローンの返済額は?
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カードローンの毎月の返済額は、借入残高に応じて変動させる残高スライド方式を採用している金融機関が一般的です。ここでは残高スライド方式で代表的な「残高スライド元利定額リボルビング方式」について説明します。
残高スライド元利定額リボルビング方式とは、借入残高に応じて元金と利息を合わせた毎月の約定返済額が決定する返済方式のことです。そのため借入残高に一定ラインを超える増減があると、約定返済額が変動します。適用となる借入残高は、主に返済日時点を採用するパターンと最終の借入後を採用するパターンがあります。
※返済額のイメージ
| 借入残高 |
返済額(元金+利息) |
| 10万円以下 |
3,000円 |
| 10万円超~20万円以下 |
6,000円 |
| 20万円超~30万円以下 |
9,000円 |
| 30万円超~40万円以下 |
12,000円 |
| 40万円超~50万円以下 |
15,000円 |
実際には商品ごとの契約内容によって毎月の返済額が異なります。借り入れを検討している金融機関のホームページのシミュレーション等であらかじめ確認するようにしましょう。
カードローンに関するよくある質問
カードローンの特徴や金利は?申込条件にはどのようなものがあるの?カードローンの素朴な疑問にお答えします。
- Q.1カードローンの申込条件にはどのようなものがありますか?
- A.1
一般的に契約時の年齢条件を満たすこと、継続した安定収入があることなどがあります。条件を満たせばパートやアルバイト、専業主婦でも申込みは可能です。
申込みにあたって、詳細な条件は金融機関によって異なります。20歳以上、満65歳未満までなどと年齢制限を設ける金融機関がほとんどで、継続した安定収入があれば、パートやアルバイトでも申込みできる金融機関は数多くあります。また、専業主婦の場合は、配偶者の同意や配偶者に安定した収入があるかどうかが、ポイントになります。申込み後、審査によって借り入れの可否が決まりますが、安定した収入・継続した収入を条件とする金融機関が多いため、単発契約でのアルバイトなどの場合は、審査がやや厳しくなると言えるでしょう。
また、地方銀行や信用金庫の場合は、居住地や勤務地などが営業区域内であることを申込みの条件としているケースがあります。
- Q.2カードローンを提供する金融機関とその特徴を教えてください。
- A.2
大きく分けて「銀行」「信販会社」「消費者金融」の3種類があります。それぞれに特徴があり、金利水準、審査スピード、付帯サービスなどが異なります。
カードローンは、主に3つあります。都市銀行、地方銀行、ネット銀行などの「銀行カードローン」。銀行系列のクレジットカード会社や独立運営の信販会社の「信販会社カードローン」。それに加えて「消費者金融カードローン」です。
銀行カードローンは、申込みする銀行に自分の口座があり、すでに取引があれば、借り入れの際の安心感があるでしょう。現在は、ほとんどが来店不要でパソコンやスマホからの申込みが可能となっています。審査結果の回答には1~2日かかるのが一般的です。他の金融機関のカードローンに比べて、金利が低く抑えられていること、借入限度額が大きく上限が1,000万円の商品もあることなどが特徴です。
信販会社カードローンは、主に、銀行系列のクレジットカードを発行している信販会社や、独立運営の信販会社の取り扱いです。銀行カードローンより、やや金利は高めの設定になる傾向があります。返済実績に応じて適用金利が下がる、一定期間の利息をキャッシュバックするなど、独自のサービスを設けているところもあります。申込みはWEB完結で、審査結果の回答は最短で即日。融資までは3日から1週間程度のところが多いです。
消費者金融カードローンの最大の特徴は、申込みから審査、融資までのスピードが速いことです。申込んでから審査結果がわかるまで最短30分で、即日融資を可能とするところがほとんどです。他の金融機関と比べて実質金利は高めで、利息制限法の上限金利が適用される場合があります(審査結果によって異なります)。借り入れから一定期間の利息が無料、提携キャッシュレス決済利用でポイントが貯まるなどの独自のサービスもあります。
- Q.3カードローンの金利はどのように決まるか教えてください。
- A.3
金利は大きく分けて2パターン「(1)あらかじめ借入限度額に応じて決められている」「(2)審査結果次第で決まる」と考えられます。
(1)あらかじめ借入限度額に応じて決められている
カードローンの金利は、上限を年20.0%までと法律(利息制限法)によって定められています。さらに借入金額によっても金利の上限が決められています。
| 借入金額 | 金利の上限 |
| 10万円未満 | 年20.0% |
| 10万円以上 100万円未満 | 年18.0% |
| 100万円以上 | 年15.0% |
借入金額が大きくなれば、金融機関が設定できる金利の上限は下がってきます。
そのため、法的な借入金額と金利の上限をもとに、各カードローン会社では、独自に借入限度額に応じた金利を決めているところが多いと考えられます。法的な区分よりも細分化されており、借入限度額が高いほど金利は低く、借入限度額が少ないほど金利は高くなります。いったん審査で決定した借入限度額内であれば、利用金額に関わらず、決定した金利が適用されます。
(2)審査結果次第で決まる
おおむね、銀行カードローンは年1.0%~15.0%程度、信販会社カードローンは年1.7%~18.0%、消費者金融カードローンは年3.0%~18.0%で、いずれも幅があります。実際に適用される金利は、審査によって決まります。
審査で最も重要視されるのは、信用情報です。住宅ローンやマイカーローン、クレジットカードなどの借入状況をデータベースで調査し、借入金額や返済の遅延がないかを確認します。返済遅延などがあると、審査は厳しくなります。また、複数の会社からの借り入れがある場合も、審査が通りにくくなると考えられます。
その次に、継続して安定した収入があるかという点です。パートやアルバイトであっても、「継続して安定した収入」があれば、審査が通らないということにはなりません。ただ、正規雇用で年収が高ければ、金利条件は緩やかになると考えていいでしょう。
最終的には、借入金額に対して、返済能力がどの程度あるのかによって、適用金利は決まってきます。
- Q.4クレジットカードのキャッシングとカードローンの違いを教えてください。
- A.4
最大の違いは金利で、低金利なのはカードローンです。少額を一時的に借りるならキャッシングが便利ですが、ある程度まとまった金額を自由に使うのならカードローンと使い分けるといいでしょう。
クレジットカードの付帯サービスである「キャッシング」と、「カードローン」は、似ていますが、利用の仕方、返済方法、金利などに違いがあり、それぞれ使う場面が異なります。
クレジットカードのキャッシングは、クレジットカードを所有していれば、あらかじめ申込みや審査は不要で、必要な時にATMから必要な金額を引き出すことができます。クレジットカードの種類や保有者によって金額は異なりますが、クレジットカードには、ショッピング枠とキャッシング枠が設定されており、その範囲内で買い物をし、お金を借りることができます。ただ、注意が必要なのは、クレジットカードには総利用枠が決まっており、ショッピング枠が50万円、キャッシング枠が20万円だった場合、キャッシングで10万円借りると、ショッピングで使えるのは40万円までとなります。
このように、クレジットカードのキャッシングは気軽に利用できる半面、利用可能額は数十万円までとなっているため、ある程度まとまった資金が必要、という場合には不向きです。また金利も年15.0%~18.0%とカードローンよりも高く設定されているのが一般的なので、あくまでも少額で、翌月一回払いで返済できるような使い方が望ましいでしょう。返済はリボルビング払い(リボ払い)も選べますが、通常の買い物のクレジット払いと一緒の返済となり、何にいくら使い、いつまで返済が続くのかが把握しづらくなるので、注意が必要です。
カードローンもATMなどからいつでも現金を引き出せるのは同じで、あらかじめ借入限度額が設定されていますので、その範囲内で繰り返し使うことができます。返済は残高スライド方式のリボルビング払いが一般的で、所定の返済額が毎月指定の銀行口座から引き落としになります。また、随時ATMなどで返済することも可能です。
引っ越し費用や資格取得費用など、ある程度まとまった金額を異なる目的で利用し、毎月の返済を計画的に行うのなら、金利が抑えられているカードローンのほうが望ましいでしょう。
- Q.5フリーローンではなくカードローンを選ぶメリットには何がありますか?
- A.5
使い道が自由なのは同じでも、1度の契約で限度額内であれば複数回利用できるのがカードローンのメリット。使う目的が決まっていて、金利を抑えたいなら、フリーローンの利用がいいでしょう。
フリーローンは、主に銀行や信用金庫、信販会社が取り扱っており、カードローン同様に使い道は自由です(用途を申告する場合もあります)。カードローンとの大きな違いは、1回の審査で1度の借り入れのみという点です。
教育資金の不足分や車の購入費用など、フリーローンの使い道はさまざまですが、1回の審査で1度の借り入れですから、追加で借り入れをしたい場合は、改めて申込み、審査が必要になります。カードローンの場合は、審査から借り入れまでの期間が短く、1回の審査で借入限度額が決まります。その限度額の範囲内であれば、自由に繰り返し利用することができます。
返済については、フリーローンでは、10年以内などと返済期間が決まっているため、計画的に返済を終わらせることができます。一方、カードローンには返済期間という考え方がありませんので、契約内容に応じた所定の金額を毎月返済していくということになります。
どちらにもメリット、デメリットがありますが、使う目的が決まっていて、金利を抑えて計画的な返済をしたいならフリーローン。違う目的で複数回利用する可能性があるならカードローン。というように使い方によって選ぶといいでしょう。
- Q.6契約方法にはどのような選択肢があるか教えてください。
- A.6
契約方法は、店頭窓口、郵送、WEB完結、自動契約機など、さまざまあり、金融機関によっても異なります。現在は、WEBで申込みから契約まで完結する方法が主流です。
金融機関によって契約方法は異なりますが、現在はWEB上で、申込み、必要書類送付、審査結果連絡、契約まで完結する方法が主流となっています。金融機関によっては、店頭窓口での手続きが必要なケースや、電話対応や郵送による手続きを可能とするケースもあります。
また、一部の銀行には行内にローン契約機が据え置かれており、窓口を通さず申込みをすることもできます。消費者金融では、自動契約機が置かれた無人店舗が各地に設置されています。
早く借りたいのであれば、24時間いつでも手続きができるWEBが便利です。操作方法がわからない、申込方法、契約条件などを詳しく聞きたい場合は、店頭窓口に行くのがいいでしょう。
いずれの場合も、本人確認書類が必要で、借入金額によっては(50万円以上など)、収入証明書が必要になりますので、事前に準備しておくとスムーズです。必要書類は金融機関によって異なり、送付方法も郵送、WEBから送付、スマートフォンアプリを利用など違いがあります。
- Q.7カードローンでお金を受け取るにはどのような方法がありますか?
- A.7
契約完了後、カードが発行され、提携ATMで利用することが一般的ですが、一部の金融機関では指定の銀行口座へ振込をしてもらうこともできます。最近は、スマホアプリをカード代わりにしてATM利用が可能になるなど、カードレス化も進んでいます。
一般的な方法は、契約完了後、郵送でカードが送られ、到着次第、提携のATMから現金を受け取ることになります。カード到着は、最短で3日程度となります。一部の金融機関では、自行の口座や指定の口座に、カード到着前に振込可能とするところもあります。また、カード発行はローン契約機・自動契約機でできる金融機関もあります。
最近は、スマートフォンアプリがカード代わりとして使えるようになり、一部の提携ATMで引き出すことも可能です。キャッシュレス決済機能のあるアプリに、直接借入金額をチャージできる金融機関もあります。カードレス対応の場合、会員番号の書類が送付されるケースもあります。
現金引き出しにかかるATM手数料は無料の場合も、月3回まで無料など回数制限する場合もあります。手数料がかかってしまうと、無駄な出費となってしまいます。手数料体系については、事前に確認しておくといいでしょう。
私が回答しました
伊藤 加奈子
(いとう かなこ)
ファイナンシャル・プランナー。
大学卒業後、リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。不動産、住宅、マネー情報誌の編集者、マーケティングプランナーを経て2003年独立。フリーランスで各種媒体のエディトリアルアドバイザーを務める。2013年沖縄移住後は、各種WEBサイトに不動産、ライフプラン、マネープランに関するコラムの執筆を中心に活動中。
カードローンを借り入れるまでの流れ
使いみちが自由で、一度契約した限度額の範囲内なら何度でも借りられるカードローンは、銀行や信用金庫、消費者金融、信販会社などの金融機関で取り扱われています。カードローンの比較検討から借り入れまでの流れを確認しましょう。
- 希望条件を洗い出す
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カードローンを比較検討する前に、希望条件を洗い出しておきましょう。
利用目的や借入希望額、借入希望時期、借入方法(口座振込、金融機関のATM、コンビニATMなど)、返済の条件(毎月返済可能な金額、返済期間)などを考えておけば、カードローンを比較検討する際のチェックポイントにすることができます。
- カードローンを比較して選ぶ
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借り入れの希望条件を洗い出せたら、各金融機関のカードローン商品の情報を集めて比較検討しましょう。
金利や借入限度額だけではなく、自分が必要な時期に借りられるか(借り入れまでに何日かかるのか)、希望する方法で借りられるか(近くのATMなどを利用できるか)など、洗い出した条件と照らし合わせてチェックしていきます。
さらに、それぞれのローン商品の申込条件を確認します。年齢や収入、勤続年数、居住地などの申込条件に合わないローン商品は候補から外していきます。
- カードローンの申込み
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利用したいカードローン商品が見つかったら、申込み、審査を受けます。カードローンの申込みはWEB上で完結する商品が一般的ですが、電話やFAX、郵送、店頭、無人契約機などの申込方法を選べる商品もあります。申込みの際には、本人に関する情報(氏名、生年月日、住所、居住年数など)や勤務先、収入、他社からの借入状況、返済日や返済方法の希望などが問われます。また、申込時(商品によっては審査後)に、本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)の提出が求められます。
さらに借入希望額によっては、年収を証明する書類(前年の源泉徴収票、確定申告書の控えなど)の提出も求められます。個人がお金を借りる場合(リボルビング契約の借入枠を設定する場合も含む)には、貸金業法で「ある貸金業者から50万円を超えて借りるとき」「他の貸金業者から借りている分も合わせて100万円を超えて借りるとき」には、年収を証明する書類の提出が必要とされています。必要書類は、店頭への持参、郵送やFAXでの提出のほか、パソコンやスマホを利用してアップロードできる商品もあります。書類の不備や不足があると、審査や手続きが進まず、スムーズに借り入れできません。申込前に必要書類を確認し、用意しておきましょう。
審査結果は、メールや電話などで通知されます。審査結果の回答にかかる期間は、一般的に1日~3日程度ですが、30分~1時間程度で通知する金融機関もあります。金融機関によって違いはありますが、消費者金融のほうが銀行などの金融機関よりも審査回答期間は短めです。
- カードローンの契約
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審査に通過したら、限度額(極度額)や返済日などの内容を確認して契約します。
- WEB完結の場合
- アプリやWEB上で契約内容を確認します。契約の際に必要な書類は、デジカメやスマホなどで撮影した画像ファイルを、アップロードにより提出します。
- 郵送の場合
- 金融機関から送られる契約書類で契約内容を確認し、契約時に必要な書類がある場合は同封して、返送します。契約書類のフォーマットは、WEB上からダウンロードできる場合もあります。
- 店頭の場合
- 店頭で契約内容を確認し、契約書に記名・押印します。契約の際に必要な書類があれば、提出します。
- カード発行・借入金の受取り
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- ローンカードが発行される場合
- 契約が成立すればローンカードが発行されます。カードは、店頭や無人契約機で受け取ったり、あるいは郵便や宅配便などで受け取ったりします。カードを受け取ったら、借入先金融機関のATMをはじめとして、その提携する金融機関やコンビニなどのATMで借り入れできます。カードを受け取る前に、指定した金融機関の口座に、借入金を振り込んでくれるサービスを行っている金融機関もあります。また、WEBやアプリから操作して、借入金を口座に入金して受け取ることができる商品もあります。
- ローンカードが発行されない場合
- 最近は、カードを発行しないカードローンも増えています。
カード発行されない場合は、WEBやアプリから操作して、借入金を口座に入金して受け取ります。
入金されたら借入金をご自身の利用目的にあわせて使用しましょう。
私が書きました
大林 香世
(おおばやし かよ)
ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。
大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。
カードローンお役立ち記事
お役立ち情報が満載のカードローンに関する記事を紹介します。
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カードローンの「借入診断」の目的や仕組みは?
FPからのアドバイス(第1150回)
- Qカードローンを利用しようとして、いろんな金融機関のホームページを見ると、「借入診断」によって借り入れが可能か判断できると書いてあり、「年齢」や「年収」、「他社からの借入額」を入力するようになっています。この「借入診断」は、どんな仕組みなのですか。
(会社員 女性 35歳)
- A「借入診断」は、カードローンを正式に申込む前に、借り入れの可否を簡易的に把握できるツールです。利用者にとっては、不安や手間を軽減できるメリットがあります。診断では、利用者が入力する「年収」と「他社からの借入額」によって、総量規制への適合などの確認が行われます。なお、あくまで簡易判定なので、借り入れの可否を保証するものではありません。実際に利用できるかどうかは、正式な申込みを行った後の本審査によって判定されます。
カードローンの「借入診断」とは?
カードローンの利用を検討する際、多くの金融機関や消費者金融が、「借入診断」などの事前診断機能を提供しています。これは、インターネットサイトや専用のアプリなどで、氏名や住所などの個人情報を入力せずに、年齢、年収、他社からの借入額など、ごく限られた情報を入力するだけで、数秒から数十秒後には借り入れの可否が確認できるサービスです。一般的に、カードローンは、満20歳以上、65歳から70歳程度までと設定されており、このような年齢要件を満たすかどうかも診断結果に反映されます。利用者にとっては、正式に申込む前に、借り入れ可否の可能性がわかるため、不安や手間を軽減できるメリットがあります。
総量規制等の関係が重視される
「借入診断」では、「年収」と「他社からの借入額」が重視されます。貸金業法には総量規制というルールがあり、消費者金融など貸金業者からの借入総額は、原則として年収の3分の1までに制限されています。例えば、年収450万円の人の場合、借入可能限度額は合計150万円となり、すでに他社から100万円を借りていれば、新規の借入可能額は50万円程度までということになります。「借入診断」は、総量規制の範囲内かどうかをシステム的に判定し、借り入れの可否を表示します。なお、銀行のカードローンは総量規制の対象外ですが、各銀行が独自に設定している基準で判定した結果を表示します。
「借入診断」を利用する上での注意点
「借入診断」はあくまで簡易的な判定であり、借り入れの可否を保証するものではありません。入力項目が限定されているため、職業や雇用形態、勤続年数、返済能力、クレジットカードやローンの利用履歴や延滞歴などの信用情報等は、判定結果に反映されません。また、誤った情報を入力してしまうと正しい判定結果を得られません。したがって、「借入診断」で「借入可能」と判定されても、正式に申込みをした後の本審査では通過しない場合もあります。「借入診断」は、あくまで"目安"と考えることが重要です。
「借入診断」を経て、正式な申込み後の本審査の結果、借入可能な限度額が想定より大きかった場合でも、実際にカードローンを利用する時には、必要な金額だけを計画的に利用する姿勢が大切です。
私が書きました
中村 宏
(なかむら ひろし)
ファイナンシャル・プランナー。FPオフィス・ワーク・ワークス 代表。
教育出版社勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。「お客様のお金の不安を解消する」をモットーに、1,500件を超える個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を中心に活動。無料メルマガ「生活マネー ミニ講座」を配信中。著作 「自分のお金の育て方」(祥伝社)、「老後に破産する人、しない人」(KADOKAWA中経出版)。
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便利な後払いサービス、手数料はカードローンの利息と比べると?
FPからのアドバイス(第1144回)
- Q最近、後払いで決済できるサービスが増えていて、給料日前など資金が少し足りないときに便利だと思うのですが、クレジットカード払いやカードローンと何が違うのでしょうか? もし利用するとしたら、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか?(会社員・35歳)
- Aインターネット通販をはじめ、コンビニや実店舗でも後払いサービスを導入している企業が増えています。商品を受け取ったあとに請求書などにしたがって支払いを行います。資金不足の際に便利な半面、手数料などのコスト負担などを十分に理解しておくことが大切です。
後払いサービスとは? 利用時の注意点は?
後払いサービス(後払い決済、後払い決済サービスとも言う)とは、従来の現金払いやクレジットカード、デビットカードなどの即時決済とは異なり、商品やサービスを受け取ったあとに支払いを行う決済方法です。ネット通販の普及に伴い、最近では後払いサービスを選択する人が増加傾向にあります。後払いサービスにはメリットもありますが、デメリットもあり、その仕組みを理解して利用することが大事です。便利さの一方で、思わぬ費用がかかるケースをもありますので、コスト意識を持っておくようにしましょう。
商品やサービスを購入した際に、後払いを選択すると、商品やサービスを受け取ったあとに、指定された期日までにコンビニや銀行などで請求された金額を支払うことになります。銀行や郵便局での振り込みも可能です。また、最近、急増している決済アプリを使い、提携している携帯電話会社からの請求時に合算して支払うことも可能になっているなど、後払いサービスの内容が多様化しています。
メリット・デメリットを理解し、計画的な返済が可能かチェックする
後払いサービスのメリットとしては、支払い前に商品を確かめられるという点が挙げられます。ネット通販などでは、事前に現物を確認することができないために不安を感じることもあるでしょう。お金を払ったのに商品が届かないといった不安もあります。後払いサービスを利用すれば、商品を確認したあとに支払うことができるため、トラブルを回避しやすいと言えるでしょう。
また、セキュリティの観点からクレジットカードを使いたくない、クレジットカードの利用限度額を超えてしまったといった場合、クレジットカードがなくても後払いサービスは利用できます。一時的に手元資金が不足している場合にも、後払いサービスであれば、給料日や収入が入るタイミングに合わせて、支払いをすることができる点も利用しやすさの一つとなっています。
しかし、注意が必要なのは、気軽に利用できるために、無計画に後払いサービスを使い続ければ、後日、多額の請求がくることになり、支払いができなくなる可能性もあります。支払い期日を過ぎてしまうと遅延損害金や延滞料金が発生し、長期にわたって未払いが続くと、信用情報機関に延滞情報が登録され、今後の各種ローンやクレジットカードの審査に影響が及ぶことになります。後払いサービスの多くは、利用金額や利用回数に上限が設定されていますが、審査は簡易的なものであり、利用しやすい半面、自己管理をきちんとし、家計負担が重くならないように注意しましょう。
カードローンとの違いは?金利とサービス手数料で比較してみる
もうひとつ、後払いサービスで注意すべきなのは、サービス手数料や振込手数料がかかることです。サービス手数料は決済ごとに発生する場合があり、1回100円から数百円程度ですが、繰り返し何度も使っていれば、大きな負担となります。サービス手数料や振込手数料が大きければ、安く買えたと思っていても、結果的に割高になる可能性もある点にも注意しましょう。
一時的な資金不足で後払いサービスを利用するのであれば、カードローンを検討するのも一つの考え方です。カードローン取扱金融機関の審査に通れば、設定された利用限度額の範囲内で、いつでも借りることができます。
カードローンの金利は実質年利で表示され、金融機関によっては取り扱い手数料や保証料などの諸費用が含まれていることもあります。適用金利は審査によって決まりますが、1%程度から15%程度と幅があり、初めての利用の場合は、上限金利が適用されるケースもありますが、1カ月後、2カ月後に返済する予定であれば、それほど大きな金額にはなりません。
たとえば、10万円の買い物をするためにカードローンを利用し、店舗で現金で支払い、1カ月後にカードローンを返済するとします。
10万円×15%(実質年利上限)÷365日×30日=10万1232円となります。
後払いサービスを利用した際の手数料と振込手数料の合計額と比較してみてもいいでしょう。
後払いサービスもカードローンも返済しなければならないものですから、無理のない返済計画なのかを踏まえた利用を心がけるようにしましょう。
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伊藤 加奈子
(いとう かなこ)
ファイナンシャル・プランナー。
大学卒業後、リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。不動産、住宅、マネー情報誌の編集者、マーケティングプランナーを経て2003年独立。フリーランスで各種媒体のエディトリアルアドバイザーを務める。2013年沖縄移住後は、各種WEBサイトに不動産、ライフプラン、マネープランに関するコラムの執筆を中心に活動中。
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カードローンやクレジットカードのキャッシング枠は完済後に解約すべき?
FPからのアドバイス(第1140回)
- Q住宅の購入を考えています。住宅ローンの審査の際、カードローンやクレジットカードのキャッシングの利用が関係すると聞きました。以前カードローンを利用していたことがあり、既に完済していますが、大丈夫でしょうか。(会社員 36歳)
- Aカードローンを完済していても、いつでも利用できる状態ではローンの審査に影響する可能性があります。今後利用しないならなるべく解約した方がよいでしょう。
カードローンやクレジットカードのキャッシング枠は他のローンに影響する?
ローンにも様々なものがありますが、生活費やレジャー費などが不足して、カードローンやクレジットカードのキャッシングで資金を調達した経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
カードローンやクレジットカードのキャッシングだけでなく、教育ローン、マイカーローンなど他の様々なローンを利用すると、氏名、住所、契約内容、返済状況などの情報が信用情報機関に一定期間記録されます。これらの情報は、新たな借り入れの際、ローンの借入額や返済状況、また延滞の有無も含めて照会され、融資の判断材料となります。
カードローンやクレジットカードのキャッシングは、使途が自由で、契約時に設定した上限の金額(極度額)の範囲内なら繰り返し利用できるのが特徴です。つまり、完済後も解約しない限りいつでも利用できる状態です。返済が終わった後も「またお金が足りなくなったら使うかも」とそのままにしていると、他のローンを利用する際に影響が出る場合もあるのです。
住宅ローンの審査にどう影響する?
金融機関で住宅ローンなどを借りる場合には、年収や年齢、勤務先や勤続年数などが審査されます。また、信用情報機関の信用情報も照会されます。過去にカードローンやクレジットカードのキャッシングを利用したことがあっても、きちんと返済していれば他のローンの審査に悪影響があるわけではありませんが、延滞の履歴が残っている場合や、返済中の借り入れがあったら審査に影響が出る場合もあります。
住宅ローンでは返済負担率も重視されます。返済負担率とは、年収に対するローンの年間返済額の割合です。例えば、年収600万円で毎月のローンが15万円だったら、
15万円×12÷600万円=0.3となりますので、返済負担率は30%です。
返済負担率がどの程度までなら融資可能なのかは金融機関によって異なりますが、年間返済額は、住宅ローン以外のローンも含めて判断されますので、住宅ローンを申込む際にカードローンなどを利用していれば、その分住宅ローンで借り入れできる金額が減ることになります。また、カードローンを完済していたとしても、解約していなければいつでも借りられる状態であるため、返済負担率が増えやすいと判断され住宅ローン審査に影響がある可能性も考えられます。
カードローンやクレジットカードのキャッシングを完済後のおすすめの対応
住宅ローンなど金額が大きなローンを借りる場合には、審査への影響を減らすため、なるべく他のローンを利用していない方がよいでしょう。すでにカードローンを完済していて今後利用する予定がないなら、解約するのがおすすめの対応です。今後の生活で安易に利用するのを予防する対策にもなります。
クレジットカードのキャッシングを利用したことが無い場合でも、カード作成時にキャッシング枠を設定している可能性もあります。キャッシング枠の有無はクレジットカード契約時の書類や、カード会社の契約内容照会などで確認できます。利用しない場合には削除または0円にしておく方がよいでしょう。
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福島 佳奈美
(ふくしま かなみ)
ファイナンシャルプランナー(CFPR)。
大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFPR)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、独立系FPとして活動を行っている。
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「サラ金」は何の略?今さら聞けないカードローンの用語を解説
FPからのアドバイス(第1135回)
- Q消費者金融のCMを見ていたら、親が「サラ金のCMだ」と言いました。「サラ金」とは消費者金融のことなのでしょうか?闇金とは違いますよね?(会社員 20代)
- A「サラ金」とは「サラリーマン金融」の略で、消費者金融のことを指します。貸金業登録をしている正規の金融業者であり、もちろん「闇金」ではありません。
「サラ金」は消費者金融のこと
「サラ金」とは「サラリーマン金融」の略で、消費者金融のことを指します。
消費者金融は1960年代に誕生しましたが、当時の利用者の中心は「サラリーマン」でした。定期的な収入があり、企業に一定年数勤務している「サラリーマン」は返済能力が高いと判断され、利用者が増えていったのです。
消費者金融(サラ金)の利用が急増する中で、借り入れのし過ぎで返済不能になったり、悪質な業者による過剰貸し付け、高金利、過酷な取り立てなどが問題になったりしたこともあり、「サラ金」はネガティブなイメージで使われることも多いようです。「~金」とコトバが似ているので、「ヤミ金」と同様のイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、「消費者金融(サラ金)」は主に個人を対象として融資を行う、貸金業登録をしている貸金業者です。貸付額や金利、取り立て方法なども貸金業法の規制のもとで事業を行っています。
一方、「ヤミ金」は貸金業登録をしていない違法な貸金業者のこと。「ヤミ金」を利用すると、法外な金利を要求されたり、過酷な取り立てをされたりすることもあります。資金が必要でも利用すべきでない業者です。
知ってる?カードローンにまつわる用語
「サラ金」のほかにも、カードローンが話題になるときには、耳慣れない用語が登場することがありますね。いくつか確認しておきましょう。
極度額
カードローンの「極度額」は、契約書であらかじめ設定された、借りられる上限の金額のことです。利用枠、利用限度額、借入限度額と言われることもあり、極度額の範囲内で、繰り返し借り入れを受けることができます。
残高スライド方式
残高スライド方式は、カードローンの返済方式(返済方法)のひとつで、借入残高に応じて、毎回の返済額が変動する方式です。返済額は借入残高の水準に応じて自動的に決められます。借入残高が多いと返済額が大きく、借入残高が少ないと返済額は小さくなるので返済は楽になりますが、返済額が毎月変わらない場合に比べると、返済の進みは悪くなります。
過払い金
過払いとは、貸付業者に対して本来支払うべき金額以上の返済をすることです。過払い金が発生するのは、利息制限法の上限金利(15~20%)よりも高金利で借りている場合で、返済しすぎた場合には過払い金返還請求を行うことができます。
利息を制限する法律には、利息制限法と出資法がありますが、以前は下表のような金利差があり、利息制限法には違反するが出資法には違反しない金利(グレーゾーン金利)で貸し付けを行う業者がいました。2006年1月に最高裁判所の判決により、「利息制限法を超える金利については、利息制限法の金利で再計算し、その差額を求める」訴えが急増しました。2010年6月以降は、出資法の上限金利も20.0%となり、グレーゾーン金利は撤廃されています。
なお、過払い金請求は、完済後10年(時効)以内、もしくは過払い金の請求ができることを知ってから5年以内に行う必要があります。したがって、現在はグレーゾーン金利による貸付に対する過払い金請求ができるケースは少なくなっていると考えられます。
カードローンに関する「用語」の意味は、思った通りのものでしたか? 「なんとなくこんな感じ?」で済ませてしまうと、商品性や返済方法を勘違いして不利になることもあるかもしれません。
気になる用語があったら、また、特にカードローンなどを利用するときにわからない用語があったら、意味を調べておきたいですね。
私が書きました
大林 香世
(おおばやし かよ)
ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。
大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。
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カードローンの返済が延びてしまったらどうなる?
FPからのアドバイス(第1127回)
- Qカードローンを利用しています。銀行口座からの引き落としにしていますが、うっかり残高不足にしてしまい、引き落としができなかったようです。延滞をするとどうなりますか?(会社員、29歳)
- Aカードローンを延滞すると、高金利の遅延損害金を支払うほか、延滞期間によっては信用情報に登録されてしまう可能性があります。カードローンの延滞はできるだけ避け、無理なく返せる状態で利用するようにしましょう。
"うっかり"が招く3つのデメリットとは?
日本貸金業協会が公表した「資金需要者等の借入意識や借入行動等に関する調査(2024年度)」によると、貸金業者(消費者者金融やクレジットカード会社等)からの借り入れにおいて、7.0%が「支払いを3カ月以上延滞したことがある」と回答しています。しかも、この延滞経験者のうち、最も多かった理由は「仕事などが忙しくてうっかり忘れてしまったから」というものでした。
誰にでも起こりうる"うっかり"ですが、そのまま放置してしまうと何が起こるか、整理してみましょう。
1 遅延損害金が発生
返済期日を過ぎると、利息とは別に「遅延損害金」が発生します。これは、いわば"ペナルティ"のようなもので、年利14~20%に設定されており、延滞した日数分、日割りで請求されます。たとえば、10万円を延滞し、損害遅延金が20%の場合には、月1,700円弱の損害金が加算されます。延滞が長引けば、返済額はどんどん膨らみ、家計への負担が増すことになります。
2 信用情報に「事故情報」が登録
返済遅延が一定期間(2~3カ月程度)続くと、信用情報機関に「事故情報」として登録されます。いわゆる「ブラックリストに載る」という状態です。そうなると、次のような不都合が生じます。
- クレジットカードの発行や更新ができない
- 住宅ローンや自動車ローンが借りられない
- 携帯電話の分割払いが利用できない など
完済しても最長5年間は記録された状態ですので、影響が長く続くことになります。
3 法的手続きに発展することも
延滞が何カ月も続く場合は、貸金業者からの督促が始まります。場合によっては、一括返済の請求、あるいは裁判所を通じた法的手続きに発展することもあり、給与の差押えなどに至る可能性もあります。
返済の"うっかり"を防ぐには?
延滞にはデメリットしかありませんので、危機感をもって回避しましょう。これを防ぐために、日頃からできる予防策をいくつかご紹介します。
引き落とし日を給料日のすぐあとに設定
給料日のすぐあとに引き落とし日を設定しておくと、残高不足も防ぎやすくなります。
アラームを設定
スマホのカレンダーに返済日を登録し、前日にアラームを設定しておきます。
残高チェックを習慣づける
定期的に銀行口座の残高をチェックする習慣を付けましょう。曜日を決めて残高をチェックするのも一法です。
借入額は「確実に返せる範囲」にする
お金を借りるときは、「いくらまで借りられるのか」ではなく「毎月いくらまでならムリなく返せるか」という視点で考えるのが大事なポイントです。借入額をチェックすることは、今後は必須ですね。
延滞したときは絶対に放置しない!
うっかり延滞に気づいたら、すぐに返済をするか、それが難しい場合は、できるだけ早く貸金業者に連絡を入れ、相談をするようにしましょう。状況を伝えることで、柔軟な対応をしてもらえる場合もあります。最もやってはいけないのが、「放置」して事態を悪化させることです。
延滞が重なって返済が困難な状態のときは、弁護士や司法書士に相談をして債務整理をしましょう。軽度な状態であれば、FPに相談して家計再建の方法を一緒に考えることもできるかもしれません。1人で悩まず、信頼できる専門家に相談してみてくださいね。
私が書きました
豊田 眞弓
(とよだ まゆみ)
ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。
20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。
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難しいカードローン用語をフィーチャー!
難しいローン用語を分かりやすく説明したローン大辞典から、カードローンに関する用語を週替わりで6つピックアップします。
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しんようしょうかい
信用照会
信用照会とは、与信者が申込人のクレジットの履歴、および現在のクレジット利用状況について、個人信用情報機関に問い合わせることをいいます。
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かしきんぎょうとうろくばんごう
貸金業登録番号
貸金業登録番号(登録番号とも呼ばれる)とは、貸金業を行おうとする者が「貸金業法」に基づき内閣総理大臣または都道府県知事の登録を受けた際に発行される許可番号のことをいいます。貸金業者が貸金業を営む際に必要な番号になります。その種類は知事登録と財務局登録があります。この登録番号がない者は違法であるため、貸金業者を選ぶ際に確認が必要です。
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かしだしきんり(かしつけきんり)
貸出金利(貸付金利)
貸出金利とは、貸付金利ともいい、金銭消費貸借契約における利息の発生割合をいいます。金利水準を示す方法には、日歩表示、アドオン表示、利息天引きなどさまざまな方法がありますが、日本の法律では実質年率を用いることが義務付けられています。
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ていけいかーど
提携カード
提携カードとは、小売店などがクレジットカード会社や信販会社などと提携して発行する、自社ブランドのクレジットカードのことをいいます。提携カードには、代行カード、ダブルカード、スイッチカード、ツインカード、短期国債カードなど、提携の仕組みや内容によってさまざまな種類があります。ポイント利用や割引や優待が受けられる制度もあります。
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ぶらっくりすと
ブラックリスト
ブラックリストとは、もともとは要注意人物のリストのことをいいます。金融業界においては、個人信用情報で、消費者にとってマイナスに評価される情報の俗称のことをいいます。実際にはブラックリストそのもの自体は存在せず、支払い延滞などのトラブルが記録されることを「ブラックリストに載る」といいます。
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じどうけいやくき
自動契約機
自動契約機とは、消費者金融業や信販会社が導入している「非対面」型の無担保ローン借入契約機をいいます。無人ですが、無料通話の電話も備え付けてあり質問することができます。対面ですが契約の際は店頭での契約と同じ審査があり、申し込みから契約が終わるまでは遅くても1時間以内には終わります。審査に通ると、ローンカードが発行され、その後併設のATMでお金を借りる事ができます。
ローン大辞典