預金での資産運用なら、円預金より高金利の外貨預金の検討もおすすめ
日本の円預金金利が上昇傾向に転じた今、預金の見直しをされている方も多いのではないでしょうか?その際に検討いただきたいのが、円預金より更に高金利が期待できる外貨預金です!
最近の円安となっている影響もあり、外貨預金に興味を持つ人は増えていることでしょう。
外貨預金は正しい知識を身につければ、初心者でも比較的始めやすい資産運用方法のひとつです。この記事では、外貨預金のメリット・デメリットや銀行・通貨の選び方、運用のコツなどについて解説していきます。
外貨預金とは?わかりやすく解説
外貨預金とは、日本円ではなく外国の通貨で預け入れをし、利息も外貨で支払われる銀行預金のことです。日本円から始める場合は、預けたい外貨へ交換してから預け入れます。
預金の種類は円預金と同様です。期間の定めなく金利が随時変動する普通預金と、満期があり預入時の金利が満期まで適用される定期預金があります。
外貨預金の特徴として、為替レートの変動により円に戻したときの利息や元本の価値が変わる点が挙げられます。
外貨預金のメリット
外貨預金には、円預金にはないさまざまなメリットがあります。それぞれのメリットについて、具体的な数字や実例を交えながら詳しく解説します。
円より金利水準が高い
日本ではインフレ傾向が続いていますが、低金利政策が長く続いているため、他の通貨と比べて預金金利が低い状況が続いています。2024年のマイナス金利解除以降、ようやく金利上昇の動きが出てきましたが、まだまだ低水準でほとんど利息が付かない状況です。
それに対してインフレ率が高い国、経済が成長していて資金需要が高い国、通貨の信用力に欠ける政情が不安定な国などは一般に預金金利は高くなります。円預金よりも高金利な外貨で預金することで、より多くの利息を得られる可能性があるのです。
円安による為替差利益が期待できる
外貨から円に交換する際に円安になると、通常の利息に加えて為替差益を得られます。例えば、1米ドル=140円の時に10,000ドル(140万円)預け入れていたなら、1年後に1米ドル=150円になれば、為替差益として10万円(10,000ドル×10円)を得ることが可能です。このように円安が進んだ際の円資産の目減りを緩和できるメリットもあります。
少額から始められる
預入銀行や通貨、預金の種類にもよりますが、1通貨単位や10通貨単位など、比較的少額から始められるのも外貨預金の特徴です。例えば、米ドルであれば1ドル(約150円)から、ユーロであれば1ユーロ(約165円)から預金を始められる銀行もあります。 数百円から数千円程度から始められるため、外国株式などよりも、はるかにハードルが低いといえるでしょう。
さらに、オンラインバンキングで簡単に外貨預金の取引ができる点も、初心者にとって魅力的です。
外貨預金のデメリット
外貨預金には魅力的なメリットがある一方で、いくつかの重要なデメリットも存在します。以下では、主要なデメリットについて詳しく見ていきましょう。
取引時に為替手数料が発生する
外貨預金を始める際に見落としがちなのが、為替手数料の存在です。円から外貨に交換する際の為替手数料が含まれたレートをTTSレート、外貨から円に交換する際の為替手数料が含まれたレートをTTBレートといい、為替手数料は、それぞれの金融機関が独自に定めています。為替手数料は通貨・金融機関、預入方法(ネット・店頭)によって異なりますが、0.5円~1円前後が多いようです。
元本割れのリスクがある
円預金であれば基本的に元本は保証されますが、外貨預金には元本割れのリスクがあります。
もちろん外貨預金も銀行に預けているのですから、元本は保証されています。しかし、それを円にしたときの金額は為替変動によって異なります。一般に政治や経済が不安定な国の通貨は、変動のリスクが大きくなります。
円高になると為替差損により元本割れの可能性がでてきます。また、短期間の運用の場合は、為替手数料をカバーできない可能性もあります。
預金保険制度の対象外である
預金保険制度とは、金融機関が破綻した際に1金融機関あたり元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されるという仕組みです。円預金であれば、銀行が破綻した場合でも一定の範囲内で預金が保護されますが、外貨預金にはこの保護が適用されません。そこで、破綻のリスクが少ない、信頼のおける銀行を選ぶことが重要になってきます。
外貨預金におすすめの通貨と特徴
外貨預金を始める際は、通貨選びが重要なポイントとなります。それぞれの通貨には固有の特徴があり、世界情勢や経済状況によって値動きも異なります。ここでは、外貨預金にお薦めの通貨と特徴を紹介します。
米ドル
世界の基軸通貨で流通量はトップを誇り、比較的信頼性の高い通貨です。ニュースなどで情報が手に入りやすく、初心者にも状況を判断しやすいのでおすすめです。
ユーロ
米ドルに次ぐ取引量をもつ第二の基軸通貨です。EUの経済指標、特にドイツとフランスの経済指標に影響を受けます。
英ポンド
英ポンドは、世界第4位の取引高を誇る通貨で、金利も高い傾向にあります。ユーロに似た値動きをしますが、米ドルやユーロに比べて値動きが大きい傾向があります。そのため為替差益を狙いやすい通貨であるといえますが、その分リスクも大きくなります。
豪ドル
先進国の中でも比較的金利が高い通貨です。また、資源国通貨の代表格であり、値動きは比較的大きい傾向にあります。中国経済やコモディティ市場の影響を受けやすいことも特徴でしょう。
NZドル
豪ドルと近い値動きをする比較的高金利の通貨です。取引量が小さいため豪ドルよりも値動きが激しくなります。農業市況や中国、豪ドルの影響を受けやすいことも特徴です。
スイスフラン
中立国の通貨なので大きな値動きが少ない安全通貨と言われています。EUの影響を受けやすく、有事の際に上昇しやすい傾向が見られます。
外貨預金におすすめの銀行の選び方
外貨預金を始めたいけれど、どうやって始めればいいのでしょうか。ここでは外貨預金をはじめる際の銀行選びのポイントについて詳しく解説していきます。
取り扱っている通貨の種類を確認
銀行選びで最初に確認すべきは、自分が運用したい外貨を扱っているかどうかです。米ドルはほぼすべての銀行で取り扱っており、ユーロも大手銀行ではほぼ対応しています。英ポンドや豪ドルも多くの銀行で取り扱いがありますが、その他のマイナー通貨の扱いは銀行によって異なります。
また、運用したい期間や最低預入金額が自分の条件に合うかも確認しましょう。定期預金の預入期間や最低預入金額は、銀行によって異なるからです。通貨によっては長期の定期預金を扱っていないケースもあるので注意しましょう。
手数料と金利を確認
手数料・金利は銀行によって異なります。手数料は低いところ、金利は高いところを比較して検討しましょう。
使いやすさやお得なキャンペーンもチェック
多くの銀行では定期的にキャンペーンを実施しており、金利の上乗せや為替手数料の優遇、取引に応じたポイント付与などの特典が用意されているのでチェックしておきましょう。
また、スマートフォンアプリが用意されているかなど使いやすさも確認しておきましょう。
キャンペーンの適用で更に高金利に!外貨預金が魅力的な銀行をピックアップ!
ここでは、外貨預金が魅力的な銀行を紹介します。
金利情報は主要通貨である米ドルとユーロに注目し、普通預金と定期預金から注目の金利を厳選。取引に必要な手数料も示します。また、その他の主な取扱通貨やお得なキャンペーン情報、金利以外の魅力も分かりやすくお伝えします!
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ソニー銀行
通貨 普通預金 注目の定期預金 手数料 米ドル 0.15%3カ月 15.00%※預入時 0.04円~0.15円
払戻時 0.04円~0.15円ユーロ 0.10%1年 2.00%預入時 0.08円~0.15円
払戻時 0.08円~0.15円その他の主な通貨 英ポンド 豪ドル NZドル スイスフラン
「円からはじめる限定金利」は、円普通預金から直接外貨定期預金をご利用時に適用される上乗せ金利サービスです。
円普通預金から直接外貨定期預金を申し込みで通常より高金利が適用されます!
米ドル3カ月もの年15%(税引き後 年11.952%)の他、
1カ月ものでは米ドルに加え豪ドル、NZドル、南アランドも対象です。
詳しくはソニー銀行のHPをご確認ください。 ソニー銀行は個人向けの資産運用を専門としたネット銀行です。外貨関連のサービスに定評があり、豊富な預金・投資商品を取りそろえています。
口座開設は申込書、印鑑不要で約10分で完了できます。
ソニー銀行なら、世界で使える11通貨対応のデビットカード「Sony Bank WALLET」を利用することで、
外貨を貯めるだけでなく、海外で外貨を使うときもできます。海外旅行への準備としても魅力的です。
手数料は優遇プログラム Club S のステージに応じて変動します。 情報更新日:2024年12月2日 -
SBI新生銀行
通貨 普通預金 注目の定期預金 手数料 米ドル 0.01%6カ月 4.40%預入時 0.15円
払戻時 0.15円ユーロ 0.01%6カ月 2.20%預入時 0.4円
払戻時 0.4円その他の主な通貨 英ポンド 豪ドル NZドル
SBI新生銀行は、ご利用のお取引や残高などに応じて優遇サービスを提供する、ステップアッププログラムを実施しています。
ステージによって、より高い外貨預金金利や、より低い為替手数料で利用することができます。 ※金利および為替手数料は、ステップアッププログラム「スタンダード」ステージの場合です。 情報更新日:2024年12月2日 -
UI銀行
通貨 普通預金 注目の定期預金 手数料 米ドル 1.50%3カ月 4.30%預入時 0円
払戻時 0.5円ユーロ 0.01%1カ月 2.2%預入時 0円
払戻時 0.75円その他の主な通貨 豪ドル
外貨預金の取り扱いは米ドル、ユーロ、豪ドルの3種類に厳選して提供しています。
魅力的な金利に加え、為替手数料を預入時無料で利用可能です。 情報更新日:2024年12月2日 -
イオン銀行
通貨 普通預金 注目の定期預金 手数料 米ドル 0.15%1年 3.80%預入時 0円
払戻時 0.5円ユーロ その他の主な通貨 豪ドル NZドル
系列のお店に店舗やATMが設置されていたり、独自のサービスを受けられるので、
普段イオングループのお店をよく利用する方に便利な銀行です。
外貨預金の取扱通貨は、米ドル、豪ドル、およびNZドルとなっています。 情報更新日:2024年12月2日 -
楽天銀行
通貨 普通預金 注目の定期預金 手数料 米ドル 0.01%7日 4.00%預入時 0.25円
払戻時 0.25円ユーロ 0.01%7日 3.00%預入時 0.25円
払戻時 0.25円その他の主な通貨 英ポンド 豪ドル NZドル
楽天グループのサービスとの相性が良く、楽天経済圏をご利用の方は口座をもっておきたい銀行といえるでしょう。
楽天銀行には最短7日の超短期の外貨定期預金があることが特徴的です。
まずは気軽に外貨預金を試したい方は検討してみてください。 情報更新日:2024年12月2日
- 表示している金利は各金融機関が提供するうちの一部で、年率かつ税引前の表記です。
- 表示している手数料は1通貨単位の対円取引です。
- 最新の情報は各金融機関サイトをご覧ください。
外貨預金を賢く運用するポイントは?
外貨預金を効果的に運用するためのポイントについて解説していきます。
預けるタイミングを分ける
為替レートの変動リスクを抑えるには、預入タイミングを分散させることが有効です。一定額を定期的に預金するドルコスト平均法は、投資するタイミングを考える必要がないので初心者にもおすすめできます。
定期積立を利用するのもひとつの手です。
複数の外貨に分ける
地域・国ごとに情勢や為替相場の変動要因が異なるため、投資先の通貨を分散すれば、為替変動のリスクを軽減できます。先進国と新興国、米ドルとユーロのように異なる値動きをする国や地域の外貨を保有することがおすすめです。
余裕資金を使って長期間運用する
外貨預金をする際には、元本割れを起こしても回復を待てる余裕資金を活用するのがおすすめです。近いうちに使う予定の資金で運用してしまうと、仮に元本割れの状態になっていても解約せざるを得ないからです。それに対して長期間の運用になるほど為替相場の変動は平準化され、利益や損失の幅も比較的小さくなる傾向にあります。
外貨預金で未来の資産を形成しよう
植田総裁は、2024年の2月「日本はインフレの状態にある」と発言しました。インフレに対応するためには円だけでなく、外貨預金を含めて資産運用を行うのがおすすめです。
外貨預金の管理は面倒というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、近年はインターネットバンキングやスマートフォンアプリの発達により、取引や管理が格段にしやすくなりました。24時間いつでも為替レートの確認ができ、好きなタイミングで取引することが可能になったことで、外貨預金は誰でもチャレンジできる身近な存在になったといえるでしょう。
ただし、外貨預金にもメリットとデメリットの両面が当然あります。為替変動によるリスクや手数料の存在に加え、預金保険制度の対象外であることも考慮しなければなりません。外貨預金の活用を考える際には、これらメリット・デメリットを十分に理解した上で、自身にとって最適な運用方法を選択しましょう。
外貨預金で資産形成するよりローンで「今」手に入れる選択も
将来何か大きな買い物をするために外貨預金を活用した資産形成をお考えの場合には、ローンという選択肢も検討してはいかがでしょうか?
外貨預金は高金利や為替差益が期待できる一方、メリットを最大化するためには引き出すタイミングが重要になります。お金が必要な時にためらう事態は避けたいものです。
その点、ローンを活用することで、必要なタイミングで欲しいものを手にすることが可能になります!
低金利のローンを計画的に利用すれば、利息負担は抑えることができますし、物価上昇傾向のなか、値上げを心配する必要もなくなります。
ローンには目的や借り方にあったさまざまな種類の商品があります。自分に必要なローンを知りたいなら、ぜひイー・ローンで自分に合ったローンを探してみましょう。
私が書きました
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
都内ゲーム会社に12年勤務後、2018年12月にフリーライターとして独立。個人事業主としての開業を機に、金融・年金・不動産などのFP領域への関心を深める。毎年iDeCoと小規模企業共済の掛金を増額中。好きなものはふるさと納税。
参考リンク
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