第1183回NEW
愛車に長く乗ると決めたなら、残クレの借り換えを検討しよう!
- 「残クレ」でマイカーを購入したのですが、とても気に入ったので、長く乗りたいと思うようになりました。その場合、早めにマイカーローンに借り換えた方がいいのでしょうか?(会社員 38歳 男性)
- 残クレの契約満了を待たずに、マイカーローンに借り換え(早期返済)をすることは可能です。注意点に気を付けながら、マイカーローンなどへ借り換えるといいでしょう。
「残クレ」は月々の負担を抑えやすい一方で注意点も
残価設定型クレジット、いわゆる「残クレ」は、最近ではマイカー購入時の選択肢として広く利用されるようになっています。特に、新車価格が上昇している現在、「月々の支払いを少しでも抑えたい」と考える人にとって、魅力的な購入方法に見えるかもしれません。
残クレは、数年後の車の予想下取り価格(残価)をあらかじめ設定し、その残価を除いた部分を分割返済していく仕組みです。例えば、300万円の車を購入し、5年後の残価を120万円に設定したとします。このとき、月々支払うのは差額の180万円分ですので、通常のマイカーローンを300万円借りたときよりも毎月の返済額を低く抑えやすい特徴があります。そのため、残クレを利用することで、「ワンランク上の車に乗れた」「毎月の負担が軽く感じる」という人もいます。一定期間ごとに新車に乗り換える人にとっては、合理的な仕組みといえるでしょう。
ただし、注意すべき点もあります。契約内容にもよりますが、多くの場合、据え置かれた残価部分にも金利がかかります。しかも、マイカーローンより残クレの金利の方が高めのことが多く、月々の返済額は低く見えても、その後の返し方によっては、支払総額で考えると負担が大きくなることもあるのです。特に、「実際に乗ってみたら気に入ってしまった」「家族との思い出が増えて手放したくなくなった」など、想定と違って長く乗り続けたいという場合は、残価部分の支払いも最終的には必要になるため、「月々が安いからお得」とは言い切れない面もあります。
また、残クレには走行距離制限や、返却時の車両状態に関する条件が設定されているケースもあります。例えば、契約時に決められた走行距離を超えると追加精算が必要になったり、車体の傷やへこみなどによって査定額が下がったりする場合もあります。もし契約満了の5年が経過した後に「気に入ったからこのまま買い取りたい」となった場合、据え置かれていた120万円を一括で支払うか、再度ローンを組むことになります。この時のローン金利は、当初の残クレ金利よりも高く設定されることが多く、結果として、トータルの支払額がマイカーローンで買うよりも大きくなってしまうケースがあるのです。だからこそ、長く乗る決意をしたのであれば、早めに低金利なマイカーローンへ借り換えることが、賢い選択になります。
早期のマイカーローン借り換えで得られる3つのメリット
では、残クレから通常のマイカーローンへ早期に借り換えることで、どのようなメリットがあるでしょうか。大きく3つのポイントが考えられます。
まず1つは、返済総額の軽減です。現在の残クレの金利と、借り換え先となる銀行マイカーローンの金利差が大きいほど、その効果は大きくなります。また、借り換えた瞬間から、これまで据え置かれていた「残価部分」も含めて元金が減っていくため、効率よく借入残高を減らすことができます。
2つ目のメリットは、車の「完全な所有権」が手に入ることです。残クレを利用している間、車の車検証に記載される「所有者」はディーラーや信販会社になっています。車を「借りている」状態に近いため、走行距離の制限があったり、傷や凹みに対して神経質にならざるを得ず、カスタマイズを楽しんだりすることが制限されがちです。銀行のマイカーローンに借り換えて残クレを一括清算すれば、所有権はあなた自身のものになります。走行距離を気にしないロングドライブや、カスタマイズを楽しむのも自由自在です。
もう1つは、将来の「残価一括請求」という不安の解消も挙げられます。残クレの契約満了が近づくと、「まとまった残価をどうやって支払おう」というプレッシャーがかかります。マイカーローンに借り換えてしまえば、最終回に大きな支払いがドンとくるような変則的な形ではなく、毎月同額を返済する形に一本化できます。数年後の家計の予測が立てやすくなり、教育資金やマイホーム計画などのライフイベントへの資金配分もしやすくなります。
借り換え手順を押さえておこう
実際に借り換えをする際の流れも押さえておきましょう。
借り換えの具体的なステップ
まずは、残クレ契約書を手元に用意し、「早期一括返済(中途解約)の精算額」をディーラーや信販会社のサポート窓口で試算してもらいます。
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次に、ネット銀行や地元の金融機関などで「借り換え対応」を明記しているマイカーローンを選び、仮審査を申込みます。その際、確認した精算額を借入希望額として入力します。
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審査が通れば、銀行から融資されたお金で残クレの残債を一括返済し、車の名義変更(所有権留保の解除)の手続きを行います。
借り換えの注意点は?
借り換えを行うかどうか判断する際には、中途解約にともなう手数料等を確認すべきです。残クレを途中で一括清算する際、信販会社によっては数千円から1万円程度の中途解約手数料(事務手数料)がかかる場合があります。また、残期間の利息がどの程度免除されるのかなども確認し、借り換えた方が本当に得になるか見極めましょう。
また、諸費用を含めたトータルコストをチェックしましょう。銀行のマイカーローンの中には、金利自体は低くても、別途「保証料」が毎月上乗せされたり、契約時に事務手数料がかかったりする商品もあります。「金利」だけで判断せず、手数料や保証料などをすべて含む「実質年率」で比較し、トータルコストが下がることを試算してから判断しましょう。
- 【参考リンク】
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。
20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。
※執筆日:2026年05月21日
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