第459回

マイホームの買い時は自分で決める!

家賃を支払うのはもったいないので、マイホームの購入を考えています。消費税増税の話も出ていますが、今は買い時なのでしょうか?(Kさん 33歳 会社員)
マイホームの買い時がいつなのかは、ご自身のライフスタイルや住宅に対する価値観によって異なります。外部要因はあくまでもマイホーム購入のきっかけに過ぎませんので、ご自身がマイホームに求めることを見つめ直してみましょう。

外部要因で自分の買い時を決めない!

「賃貸VS購入」という構図から「どちらが得なのか?」といった質問はFP相談には多いものです。しかし、得か損かは、何を基点にするのかによって変わります。多くはどちらが住居費を抑えられるのかといったことに関心があると思いますが、それは単純に比較できず、結果論でしかありません。

また、「マイホームは今が買い時!」というセールストークも気になりますね。「物件価格は今が底」「住宅ローンが低金利」「手厚い税制優遇あり」といったもののほか、今回のご相談にもあるように「消費税増税」の話題も出ており、「その前に買ったほうがいいのでは?」と迷っている方が増えています。

しかし、これらはすべて外部要因でしかなく、マイホームの購入を考えるきっかけにすぎません。マイホームを購入するタイミングは、これからのご自身のライフスタイルや価値観を明確にしたうえで決めていきましょう。

たとえば、仮に物件価格が底で、住宅ローンが低金利だからといっても、頭金の準備が十分でない、資金計画をきちんと立てていない、今後の生活環境に不確定要素が多いといった場合には、高額であり住宅ローンが必須となるマイホーム購入は慎重になる必要があります。現状だけでなく、将来にわたって問題がないか検討してみましょう。

ライフスタイルと住宅に対する価値観で選ぶ!

では、どのように考えてマイホーム購入を検討したら良いのでしょうか?そのためには、ライフスタイルと住宅に対する価値観を家族で共有することが大切です。これからどのような生活をし、その中から「住宅にどれくらいのお金をかけるのか」を将来のことを予測したうえで長期的な視点で考えていきましょう。

たとえば、

  • ・仕事を辞める予定や変える予定はないか
  • ・子どもが生まれたら妻は仕事を辞める可能性はないのか?または仕事を始める予定は?
  • ・子どもの進学先は公立か私立のどちらを考えているのか?
  • ・親に介護が必要になったときに、金銭的・物理的にどういった負担が考えられるのか?
  • ・自分の老後はどこで、どんな風に暮らしたいのか?
など、さまざまなことがあります。住宅ローンを利用してマイホームを購入するということは、将来の支出をある程度固定させるわけですから、できるだけ不確定要素を取り除いていきたいものです。そのためには、これから、自分や家族が、どんな風に生活していきたいのかライフスタイルを考えること、話し合うことが大切なのです。それは、結果的に住宅ローン選びにも影響してくるため、じっくり考えたいものです。

自分のライフスタイルに合わせた住宅ローン選び!

では、ライフスタイルがどのように住宅ローン選びに影響してくるのでしょうか?たとえば、結婚したばかりで当面はDINKSの予定であれば、「変動金利」や一定期間の金利が固定される「固定金利選択型」といった比較的金利の低い住宅ローンを利用して、どんどん返済していき、子どもができて仕事を辞めたり、支出が増えるときに備えるという選び方があるでしょう。また、すでに子どもがおり、支出が増えることを想定できるなら、長期間の金利が固定される「全期間固定金利」を選んで、多少金利が高くても、これ以上金利が上がらないようするといった選び方ができます。

【参考リンク】

このように、ライフスタイルによって金利タイプ選びにも影響してくるため、どのように暮らしたいのかが重要なのです。将来の家計状況については、以下のキャッシュフロー表などを利用してシミュレーションしてみると良いでしょう。

  現在 1年後 2年後 3年後 ・・・ 10年後 11年後 ・・・
2012年 2013年 2014年 2015年 ・・・     ・・・
家
族
年
齢
本人 35歳 36歳 37歳 38歳 ・・・     ・・・
配偶者 32歳 33歳 34歳 35歳 ・・・     ・・・
子ども 2歳 3歳 4歳 5歳 ・・・     ・・・
親 60歳 61歳 62歳 63歳 ・・・     ・・・
家族のイベント     パート開始 旅行   車購入    
家
計
1.収入 500万円 500万円 550万円 550万円 ・・・     ・・・
2.支出 400万円 400万円 420万円 450万円 ・・・     ・・・
3.収支残 100万円 100万円 130万円 100万円 ・・・     ・・・
4.貯蓄 600万円 700万円 830万円 930万円 ・・・     ・・・

シミュレーションにあたっては、住宅ローン金利がどうなるのかによって、将来の家計は大きく異なりますので、“イー・ローン”を活用して選んでください。また、現在マイカーローンなど他のローンを利用している場合には、今後ご自身がローンを利用するときの「信用力」にも影響してきますので、ぜひ“myscore”をご利用いただき、安心してマイホーム購入の準備ができるようにしてください。

私が書きました

中森 順子 (なかもり じゅんこ)

ファイナンシャル・プランナー。

プログラマー・SEを経験後、結婚を機に税理士事務所へ転職。企業の税務・社会保障・融資のサポートなど幅広く経験。個人のお金に関する相談が増えたことから、FP資格を取得。10年勤務後、個人の家計サポートに集中すべく、2003年に独立。住宅購入や資産運用、保険見直しなど、自分自身の経験も交え、執筆・セミナー・相談と幅広く活動中。家計診断は500件以上の実績あり。

※執筆日:2012年03月09日