第1196回NEW

自宅を貸し出すために不動産担保ローンで住宅ローンを一括返済

自宅が手狭になったので住み替えをしようと考えています。現在の自宅は立地がよく空室リスクも低そうなので、賃貸住宅として貸し出したいと思っています。まだ住宅ローン返済中なのですが難しいでしょうか。(会社員 45歳)
住宅ローンは基本的に契約者本人の居住を要件としているため、自宅を貸し出す場合にはローンを継続利用できないのが一般的です。自宅を手放したくない場合は、不動産担保ローンで残債を一括返済することを検討してはいかがでしょうか。
家の模型を手渡しする人たち

住宅ローン返済中に住み替えることになったら?

住宅を購入した後、転勤や子どもの誕生や独立、親との同居などをきっかけに住み替えが必要になるケースもあるのではないでしょうか。そのようなとき、売却するのか、賃貸に出すのか、一定期間空き家とするのか、状況によって選択する必要があります。

相談者のように、住み替えた後も手放さずに貸し出して有効活用する選択肢もあるでしょう。ただし、住宅ローンが残っている場合は注意が必要です。そもそも住宅ローンは契約者が住むことを条件に、低金利で融資されるローンです。金融機関によって対応は異なるものの、長期にわたって自宅に住むことが見込めない場合には、残債の一括返済を求められる可能性もあるでしょう。自宅に住まなくなる場合には、まずは住宅ローンを利用している金融機関に相談しましょう。

手持ち資金で一括返済できない場合の選択肢は?

金融機関から住宅ローンの残債の一括返済を求められ、預貯金などの手持ち資金だけでは不足する場合には、自宅を担保とした不動産担保ローンで一括返済する方法もあります。

不動産担保ローンとは、所有する自宅や土地などの不動産を担保として融資を受けることができるローンです。担保とする不動産の評価額によっては大きな金額の借り入れも可能ですので、返済中の住宅ローンを一括返済できる可能性もあります。

不動産担保ローンは基本的に資金使途が自由ですが、金融機関によって詳細は異なります。住宅ローンの一括返済や、担保物件の賃貸転用を使途として認めているかどうかを確認してから申込みましょう。また、融資額は不動産の担保評価額だけでなく申込者の年収や年齢、返済能力、住宅ローンを含む他のローンの借入残高等も考慮して決まります。必ず住宅ローンの残債を一括返済できる金額を借り入れできるとは限りませんので注意が必要です。預貯金などである程度資金を準備できる場合には、住宅ローンの一括返済に不足する部分だけ不動産担保ローンを利用すればよいでしょう。

不動産担保ローンを利用して住宅ローンを一括返済する際の注意点

不動産担保ローンの返済期間は、30年から35年程度と長期間も可能ですが、完済時の年齢は一般的に80歳程度と制限があります。毎月の返済額を考えると長期で借りる方が安心かもしれませんが、その利息の総額も増えますので、返済期間をどのくらいにするかはシミュレーションをして判断するとよいでしょう。長期間の返済中に担保不動産の価値が下落した場合は、担保評価の見直しにより追加の担保が求められることもあります。また、返済ができなくなったら担保不動産を失うリスクがあることも認識しておきましょう。

賃貸での家賃収入を見込んで返済計画を立てる場合には、空室になる可能性や維持費用も見込んで余裕を持った計画を立てるようにしましょう。また、不動産担保ローンは使途が自由である分、金利は一般的に住宅ローンより高く、これまで利用していた住宅ローンより返済総額は増える可能性があります。変動金利の商品の場合は、今後金利が上昇する可能性も考慮し、返済可能かどうかをよく検討するようにしましょう。

さらに不動産担保ローンの事務手数料、印紙代、担保評価費用、抵当権の抹消・設定に伴う登録免許税や司法書士報酬の他、現在の住宅ローンの一括返済に手数料がかかる場合もあります。これらのコストを含め、複数の不動産担保ローンを比較検討して自身の返済計画に合ったものを選択するようにしましょう。

私が書きました

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福島 佳奈美 (ふくしま かなみ)

ファイナンシャルプランナー(CFPR)。

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFPR)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、独立系FPとして活動を行っている。

※執筆日:2026年08月20日