第1186回NEW
不動産担保ローンと住宅ローンの違いは?
- 東京と沖縄の二拠点居住を検討しています。沖縄にも頻繁に行くことになるので、マンションを購入する予定です。購入費用はローンを利用したいと考えていますが、どのようなローンがありますか?(会社員 45歳 男性)
- 住宅ローンは居住することが基本的な条件になりますので、セカンドハウスについては、資金使途が自由な不動産担保ローンの利用がいいでしょう。購入する物件や自宅などを担保に資金を調達します。自宅の住宅ローンが残っている場合、ローン返済額が増えることになりますので、返済のシミュレーションはしっかり行うようにしましょう。
不動産担保ローンは資金の使い道が自由
住宅ローンと不動産担保ローンは、どちらも不動産を担保にして融資を受けるローンですが、借り入れの条件など商品性が異なります。資金の使い道や対象となる担保、適用金利、融資額の上限などが主な違いとなります。
住宅ローンはローン契約者本人が居住する住宅の購入・新築・増改築、借り換えに限定され、居住する土地建物が担保となります。不動産担保ローンは、自宅や賃貸マンション、アパートなどの投資用物件、駐車場など本人名義の不動産を担保にして融資を受けることができるものです。両親や配偶者など親族名義の不動産であっても名義人が担保提供すれば、融資を受けることが可能です。資金使途も原則自由。増改築費用や別荘、セカンドハウスの購入資金として利用できるほか、教育資金やマイカー購入など使い道が自由なのが特徴です。ただし、個人向けの不動産担保ローンは事業資金には利用できません。
ローンの審査、融資額についても、違いがあります。住宅ローンの場合は、年収、勤務先、勤続年数、収入に対する返済負担率などによって、融資額や適用金利が決まります。不動産担保ローンも契約者本人の返済能力が審査のポイントにはなりますが、融資額は提供する不動産の価値により決まります。担保評価が高ければ借入可能額も高額になり、1億円、2億円、なかには10億円を上限とする商品もあります。
不動産担保ローンで自宅を収益物件に建て替えることも
一般の住宅ローンを利用して、自宅の増改築や建て替えをすることは可能です。ただ規模によっては融資額が不足するケースもあります。自宅を賃貸併用アパート・マンションに建て替えるといったケースでは建築コストが大きくなりますので、不動産の評価額によって借入可能額が決まる不動産担保ローンを活用するのも一つの手です。立地にもよりますが、相続などで継承した自宅を賃貸併用物件に建て替えるという事例も増えています。
ご相談者のように、セカンドハウス購入の際に、自宅の住宅ローンが残っているケースでは、自宅の不動産評価が高ければ、評価額から住宅ローンの残債を差し引いた金額(担保余力)を借り入れできる金融機関もあります。
自分名義、親族名義の不動産を活用できるのが不動産担保ローンと言えるでしょう。
不動産担保ローンを利用するときの注意点
担保次第で大きな金額を借りることができ、資金使途が自由な不動産担保ローンですが、その分、利用の際には注意が必要です。
金利は、フリーローンや無担保型のローンに比べて、一般的に低めに設定されていますが、住宅ローンに比べるとやや高くなっています。返済途中の住宅ローンがある場合、重ねての返済に不安がないか十分に試算しておくことです。また、資金使途が自由とはいえ、借入可能額いっぱいに使う必要はありません。借入金額が多ければ、それだけ金利負担も重くなり、借り入れにかかる諸費用も高くなってしまいます。
また、返済期間も最長30年とする商品も多く、毎月の返済負担を軽減できるメリットはありますが、変動金利で借り入れた場合、今後の金利動向に注意が必要です。長期返済の途中で不動産価格が下落した場合、担保評価の見直しによって、追加で担保を求められる可能性もあります。自宅を担保にしている場合、返済不能になれば、自宅を失うリスクがあります。
収益物件の建築に利用する場合は、賃貸収益と返済計画を合わせて検討しておく必要があります。空室が続けば収支は悪化し、返済に影響します。こうしたリスクも想定した建築・資金計画が重要になってきます。
二拠点居住や別荘、セカンドハウスでの利用を検討しているのであれば、生活コスト、維持管理にかかる費用もかさみます。いずれかのタイミングでどちらかを売却する、収益物件に転換するなど、先々の予定も考えておくことをおすすめします。
不動産評価をはじめ、細かな融資条件は金融機関によって異なりますので、事前相談や仮審査を複数申込み、十分に比較検討するといいでしょう。
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー。
大学卒業後、リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。不動産、住宅、マネー情報誌の編集者、マーケティングプランナーを経て2003年独立。フリーランスで各種媒体のエディトリアルアドバイザーを務める。2013年沖縄移住後は、各種WEBサイトに不動産、ライフプラン、マネープランに関するコラムの執筆を中心に活動中。
※執筆日:2026年06月12日
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