第4回

おまとめローンの審査基準とは?審査に通らない理由と対策

複数の金融機関でローンを利用していると、それぞれのローンの返済が必要となり、毎月の返済額の負担が大きいと感じている方もいるかもしれません。しかし、おまとめローンを利用することで、現在利用している借入残高を一つの金融機関にまとめて毎月の返済額の負担を減らすことができる可能性があります。

そのため、事前におまとめローンの審査基準や審査に落ちてしまう理由を知っておくことは重要です。 今回は、審査の流れや必要書類、おまとめローンの選び方を紹介します。ぜひ参考にしてください。

おまとめローンの審査基準とは

おまとめローンとは、複数の金融機関の借入残高を新たな金融機関のローンで返済し、1社にまとめるローンのことです。複数の借り入れをしていると、1本あたりの返済額は少額でも合計すると毎月の負担は大きいものとなってしまいます。また、返済日がそれぞれの金融機関で異なると、返済日や返済口座を勘違いしてしまうなど管理も複雑になりがちです。

返済先を1社にまとめることで返済日も分かりやすくなり、「管理がしやすくなる」というメリットがあります。キャッシングなどで高い金利で借り入れしている方には、低金利でローンのおまとめができれば返済額の負担軽減につながり、なお効果的です。しかしながら、ローンを組むには審査が必要になります。おまとめローンの審査基準や審査に通りやすい人の特徴を見ていきましょう。

おまとめローンの審査基準

ローンの審査をするうえで重要なポイントは「間違いなく返済できるかどうか」です。一般的な審査の基準となる項目をあげてみましょう。

  • 【基本情報】年齢・住所・電話番号など
    本人確認書類との一致や電話番号に間違いはないかなどの基本的な情報です。
  • 【返済能力】勤務先・雇用形態・勤続年数・年収など
    安定した収入状況を判断するうえで重要な属性情報になります。
  • 【生活情報】家族構成・居住形態など
    既婚未婚、子供の有無、持ち家の有無など、家族構成や財産についても重要な情報です。
  • 【信用情報】他社借入件数・借入総額・滞納の有無・金融事故(債務整理歴など)
    返済実績などローンを審査するうえで最も重要なものが、この信用情報となります。

おまとめローンの審査に通りやすい人の特徴

一般的な目安ではありますが、審査に通りやすい人の特徴も確認していきましょう。

  1. 安定した収入のある人(勤続年数)
    多くの金融機関では、「安定した収入」「継続した収入」がある人を申込み条件にしています。中には「給与所得者の方」「年金受給者を除く」などを条件とする金融機関もあるでしょう。また、勤続年数は長いにこしたことはありません。一般的な目安ではありますが、同じ会社に1年以上の勤務歴はほしいものです。
  2. 年収200万円以上
    「年収に比べて無理のない返済ができるかどうか」が重要な判断基準であり、年収200万円以上というのは一般的な目安ともいえます。しかし、勤続年数2年以上で年収300万円以上など厳しい条件を設定する金融機関もあり、年収は重要な審査基準になることは間違いありません。

おまとめローンの審査に通らない?落ちてしまう理由とは

いざおまとめローンへ申込みをしようとしても、実際に審査に通るか不安を感じる方もいるかもしれません。ここでは、「審査に落ちてしまう理由」について見ていきます。

おまとめローンの審査が厳しい理由

審査が厳しい理由の一つに、おまとめローンはすでに借り入れのある利用者が対象になる商品であることがあげられます。年収に対する年間返済額の割合を返済負担率といいますが、この返済負担率が高いと「返済能力が低い」と判断されてしまうのです。

仮に、年収が1,000万円でも年間返済額が500万円であれば返済負担率が50%と高くなるため「返済能力は低い」と判断されます。逆に、年収300万円でも年間返済額が30万円であれば返済負担率が10%と低くなるため、「返済能力は高い」と判断されるでしょう。

つまり、おまとめローンの利用者はすでに借り入れが他社にある方が対象になるため、他社に借り入れが少ない人に比べて、「結果として審査結果が厳しくなってしまう」という一面があるのです。

おまとめローンの審査に通らない理由

おまとめローンが審査に通らない理由の代表的なものを見ていきましょう。

  1. 収入が少ない
    収入が多いほど審査は通りやすいことになります。どんなに返済負担率が低くても収入が少なすぎる場合は、返済原資に不安がありますので金融機関からの評価は低くなりがちです。
  2. 借入件数が多い
    借入件数が何件から多いとは一概には判断できませんが、一般的には4件以上あると多い傾向です。あまりにも多すぎると審査が通りにくい原因の一つとなる可能性があります。
  3. 属性(転職直後・個人事業主・専業主婦など)
    転職直後で勤務歴の浅い方や個人事業主、専業主婦などは、「収入が安定していない」という観点から審査に通りにくい傾向にあるといわれます。
  4. 過去に滞納した履歴がある
    過去に返済が遅れていた履歴が個人信用情報機関にあると、審査が通らない可能性は高くなります。おまとめ対象ローンの返済履行状況が確認できる通帳などを確認する金融機関もあります。
  5. 債務整理の履歴がある
    過去に債務を整理したことがある。個人信用情報機関にこうした履歴が残っている場合には審査は通りません。個人信用情報機関とは、金融機関へ借り入れする際に、申込み情報や契約内容、支払状況などを登録する信用情報機関(CIC,JICC,KSCなど)のことです。金融事故情報があると債務整理の内容によって5~10年間は記録が残っている可能性があります。

おまとめローンの審査に通るために事前にやっておきたいポイント

おまとめローンを申込む前にやっておきたいポイントも整理してみましょう。

確認しておきたいポイント
  • 現在の借入先の数と借入残高を確認
  • 現在の借入先の金利を確認
  • 現在の借入先の返済期間

最初に、各ローン会社の返済予定表や利用明細を確認し、現在利用しているローンの数と合計残高を整理して把握します。そして、金利や返済期間も必ず把握し、現在利用しているローンよりも金利が高くなったり、返済期間が短くなったりすることがないかを確認しましょう。

やっておきたいポイント
  • 繰り上げ返済できるものは済ませておく
  • 借入件数を絞っておく
  • 複数の商品を同時に利用しない

必ず審査に通る方法という裏技はありませんが、これらは事前にできればやっておきたいポイントです。借入件数が多いのは、審査のうえでマイナスのイメージとなります。そのため、繰り上げ返済できるものは済ませておくのが得策です。

返済期限が近いものは完済となるまで待つなど、借入件数を1つでも減らしておくのも対策の一つでしょう。また、複数の商品を同時に利用することは、「1社への申込みでは資金が足りなかった」というマイナスのイメージを金融機関に与えることにもなりかねないので注意が必要です。

個人信用情報機関では、開示請求により自分で金融事故の履歴を確認することができます。審査に不安がある方は、事前に自分自身の信用情報をチェックすることも検討してください。手数料は1,000円程度必要になりますが、インターネット上で開示請求を行うこともできるため、思ったよりも簡単に手続きすることができるでしょう。

もちろん、返済を滞納することなく日頃から自分自身の信用を高めておくことが、何よりも審査を通りやすくするコツといえます。

おまとめローンの審査に落ちた場合の対処法(おまとめローン以外の方法)

おまとめローンの審査に落ちてしまった場合、他の方法も検討してみましょう。おまとめローン以外にも、資金使途が自由で他社のローンのおまとめを認めている「フリーローン」と呼ばれる目的別ローンや、不動産担保を必要とする「不動産担保ローン」など各金融機関によってさまざまな商品があります。

一度審査に落ちたとしても、再度申込むことは可能です。返済が遅延しないように気をつけ、ローンの返済が進み借入件数が減少した段階でおまとめローンを再度申込む方法もあります。それでもどうしても返済が困難な場合には、債務整理など法的手段を検討し、専門家である弁護士や司法書士などに相談するようにしてください。

おまとめローンの審査の必要書類と流れ

審査から契約までの一般的な流れと必要書類について見ていきましょう。

おまとめローンの審査の必要書類

必要書類の例
  • 運転免許証、パスポートなどの本人確認書類
  • 収入証明書(源泉徴収票・住民税課税通知書・確定申告書・課税証明書など)
  • 他社おまとめ対象ローン関係書類(返済予定表や残高証明書など)
  • 銀行の口座番号・銀行印(返済用預金口座)
    ※金融機関によっては、必要に応じて借り換えの対象となる返済通帳など返済履行状況を確認するものが必要になることがあります。

おまとめローンの審査から契約までの流れ

申込み方法は、各社とても簡単です。しかし、銀行は仮審査を必要とするところが多く、消費者金融とは審査の流れが若干異なるので、事前によく確認しましょう。

銀行:契約・借り入れまでの手続きの流れ
  1. 仮審査の申込み
    インターネットやファックスで簡単に申込みができます。
  2. 仮審査結果の通知
    電話や電子メールなどで、審査結果が通知されます。
  3. 本審査(正式な審査・契約)
    必要書類を準備して窓口に行きます。来店は一度で済むことが多い傾向です。
  4. 返済口座の開設
    口座をすでにお持ちの方は不要です。
  5. 融資実行・返済
    指定口座に入金後、各社への返済を行います。
消費者金融:契約・借り入れまでの手続きの流れ
  1. 申込み・審査
    インターネットや自動契約機の利用により簡単に申込みができますが、インターネットでの申込みができない会社もありますので注意が必要です。
  2. 結果の通知
    電子メールや電話などで審査結果が通知されます。
  3. 契約
    必要書類を準備して郵送や窓口来店により契約を行います。
  4. 融資実行・返済
    消費者金融が直接返済金を振り込むケースが多い傾向です。

オススメなおまとめローンとは?おまとめローンの種類や選び方

おまとめローンは、銀行や消費者金融等で取扱いがあるので、自分に合った金融機関の商品を選んでください。

おまとめローンの種類

おまとめローンの代表的なものとして、以下の3種類があります。

  1. 銀行のおまとめローン
  2. 消費者金融のおまとめ専用ローン
  3. 銀行カードローン
  1. 銀行のおまとめローン
    銀行のおまとめローンには、おまとめ専用のローンと使い道が自由で他社のローン借り換えを認めているフリーローンがあります。どちらも毎月決まった一定金額を計画的に返済することが可能です。
  2. 消費者金融のおまとめ専用ローン
    消費者金融では、貸金業法に基づくおまとめ専用ローンがあり、既存の借入金額が年収の1/3を超える場合でも申込可能です。申込みからの審査回答もスピーディーで比較的手続きが簡単な消費者金融のおまとめローンも非常に便利になっています。
  3. 銀行カードローン
    銀行カードローンにもおまとめに利用可能な商品があります。一般的に銀行カードローンは、消費者金融などに比べると低金利といわれています。しかし、毎月の返済額が利用残高に応じて変化(スライド)する「残高スライドリボルビング返済方式」を採用していることが多い傾向です。そのため、毎月一定額を確実に返済する一般的なおまとめローンよりも返済期間が長くなることがあります。

おまとめローンの選び方「イー・ローン」

自分でたくさんのおまとめローンの中から商品を比較したいけど、「商品が多すぎて分からない」という人もいるでしょう。そんなときは、日本最大級のローンポータルサイト「イー・ローン」を参考に比較してみてはいかがでしょうか?おまとめローンを取り扱っている金融機関を簡単に検索することができます。商品概要や融資条件が一目瞭然です。

ライター紹介
加治 直樹
氏名
加治 直樹(かじ・なおき)
保有資格
1級FP技能士、社会保険労務士
主なキャリア
銀行に20年以上勤務し、融資及び営業の責任者として不動産融資から住宅ローンの審査、資産運用や年金相談まで幅広く相談業務の経験あり。在籍中に1級ファイナンシャル・プランニング技能士及び特定社会保険労務士を取得し、退職後、かじ社会保険労務士事務所として独立。現在は労働基準監督署で企業の労務相談や個人の労働相談を受けつつ、セミナー講師など幅広く活動中。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタントを目指す。法人個人を問わず対応可能で、会社と従業員双方にとって良い職場をつくり、ともに成長したいと考える。

融資の審査に関する内容につきましては、特定の金融機関がお申込みされたお客様に対して独自に行うものであり、当社は審査の過程および結果については一切関与しておりません。また、特定の金融機関の審査への適合性、正確性、完全性について保証するものではありません。