第847回

信頼できるリフォーム業者の選び方は?

一戸建てのマイホームを建てて10年以上経過しているので、そろそろリフォームを考えています。その際は、最近頻発している地震や台風などの自然災害に備え、住宅を補強することも考えていますが、安心できるリフォーム業者の選び方がわかりません。業者の探し方を教えて下さい。また、リフォームローンの選択方法も教えて下さい。(45歳 会社員)
最近は、災害が発生する度にリフォーム詐欺などが問題になっていますので、業者選びは慎重に行いたいものです。安心できるリフォーム業者は、国が登録・公表している団体の中から選んではいかがでしょうか。また、リフォームローンを活用する場合は、複数の金融機関の商品を比較・検討し、できるだけ有利なものを選ぶようにしましょう。

国が登録・公表している「住宅リフォーム事業者団体登録制度」を活用して業者を選ぶ

ひと口にリフォームといっても、トイレや浴室、洗面所、キッチンなどの水廻りの設備だけを更新する場合や、バリアフリー改修、屋根や外壁の改修、壁紙の張り替え、災害に備えた補強、より快適な住空間にするためのリフォームなど、規模や種類は様々です。

また、リフォーム業者もたくさんあります。業者によって請け負える工事の種類も異なります。

満足できるリフォームを行うためには、「どこをどんな目的でリフォームするか」と「そのリフォームを高い品質、かつ適正な価格で実施してくれる業者はどこか」を決めることが大きなポイントです。

安心して任せられる業者を選ぶときに活用できるのが「住宅リフォーム事業者団体登録制度」です。 これは、国土交通省が一定の要件を定めて住宅リフォーム事業者団体を登録・公表し、消費者がリフォーム業者を選ぶときの判断材料になる情報提供等を行い、消費者が安心してリフォームをすることができるようにした仕組みです。

2019年4月26日現在で15団体が登録されており、各団体には概ね100以上のリフォーム事業者が会員となっています。 登録団体ごとに、会員事業者の情報を開示するとともに教育研修を行って人材育成を進め、リフォーム等に関する消費者からの相談に対応する窓口を設置しています。 また、各事業者は、一定額以上の工事については瑕疵保険に加入することで建築士等の検査を受け、工事に欠陥が見つかった場合やリフォーム業者が倒産した場合などには補償される仕組みになっています。

具体的にリフォーム業者を探す時には、住宅リフォーム事業者団体登録制度のホームページで、地域、事業者名、工事の種類などの検索条件を入力して絞り込むことができます。 個々の業者の情報が公開されているため、候補の業者を選ぶときの判断材料になります。

実際にリフォーム業者を決める場合は、絞り込んだ2~3の業者に工事の希望を伝えて提案や見積もりを要求し、比較・検討したあと、信頼できそうなところに発注してはいかがでしょうか。

リフォームローンも複数の金融機関のローンを比較・検討して決める

リフォームの規模によっては、自己資金では賄いきれず、ローンを検討する必要が生じる場合があります。 リフォームローンを借りる場合のポイントは、まず、無理なく返済できる借入額を決めることです。 リフォーム後に、ローン返済で家計のやりくりが大変になるようでは困ります。 そうならないようにするためには、リフォームする場所や方法に優先順位をつけ、費用が大きくなりそうな場合はリフォームの一部を取りやめたり、費用がかからない方法を選択したりする必要があります。

借入額を決めたら、複数の金融機関のリフォームローンの借入条件を比較・検討し、できるだけコストが低く、利息の負担が軽いものを選択するようにしましょう。

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中村 宏 (なかむら ひろし)

ファイナンシャル・プランナー。株式会社 ワーク・ワークス代表取締役。

教育出版社勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。「お客様のお金の不安を解消する」をモットーに、1,500件を超える個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を中心に活動。無料メルマガ「生活マネー ミニ講座」を配信中。著作 「自分のお金の育て方」(祥伝社)、「老後に破産する人、しない人」(KADOKAWA中経出版)。

※執筆日:2019年10月31日