第651回

年末年始の資金計画は?必要なときに慌てないために準備をしよう!

12月はボーナスも支給されて余裕があるはずなのに、忘年会が続いたり、帰省したりするせいか、毎年やりくりに苦労する年末になります。お金が必要なときに慌てないために、どんなことに気を付ければよいでしょうか。(神奈川県 Tさん)
早めに予定や予算を把握して、家計の準備もしておきましょう。  12月は、忘年会、クリスマス、お正月の準備、旅行に帰省など出費が続く時期ですね。年末のやりくりに苦労するのは、おそらく年末ならではの支出が想定したよりも大きな金額になるからではないでしょうか。今年は早めに予定と予算を把握して、慌てずに年末を乗り切りましょう。

忘年会の予算

旅行や帰省など大きな出費は見込んでいる方も多いと思いますが、飲み会や忘年会などの費用はいつの間にか膨らんでいる、という方も多いのではないでしょうか。食事会や飲み会、忘年会などの予定がはっきりしてきたら、年末の臨時支出のやりくりを考えておきましょう。

忘年会にかかる費用は、1次会だけの参加なら、大体5,000円前後でしょうか。でも、実際には集まりの種類によっては会費が高めだったり、2次会、3次会まで盛り上がることもあったり、さらに帰宅が遅くなってタクシーを使うことになったりと、「忘年会1回の費用は5,000円」では済まないご経験も多いのではないでしょうか。昨年までの経験も考え合せて、集まりごとに、2次会、3次会、タクシー料金まで含めた現実的な金額を、まずは把握しておきましょう。

年末年始の支出

年末年始の支出についても、もう一度確認しておきましょう。お歳暮やクリスマスプレゼントなど年末ならではの贈答品、クリスマスパーティやお正月準備の費用、帰省や旅行の交通費・宿泊費などのほか、帰省先へのおみやげ代、帰省先の友人との食事代・飲み代、帰省先・旅行先で購入する職場やご近所へのおみやげ代など、忘れている費用はありませんか?さらに、年明けには、お年玉、初売り、新年会と支出が膨らみます。こちらも例年の経験を考え合せて、早めに現実的な金額を見込んでおきましょう。

年末の必要資金のやりくり

あらためて確認してみたら、年末の必要資金の合計は思ったよりも大きな金額になったのではないでしょうか。無駄な支出になりそうな予定は見直し、必要な支出とあらためて確認した予定をリストに残して、資金の準備を考えましょう。

まずは、月々の「交際費」や「娯楽費」の予算を充てます。次に、通常月なら貯蓄に回す月々の家計の余裕資金を崩す事ができるか検討しましょう。旅行や帰省の費用は、事前に貯蓄で準備されている方も多いと思います。さらに、その他の貯蓄から、ボーナスから、12月の給料からなど、年末のイベントに使える金額とタイミングをチェックして、資金計画を立てておきましょう。

なお、「ボーナスが出たら住宅ローンの繰上返済」を心がけておられる方は気を付けてください。繰上返済は効果の高い節約方法ですが、手元資金不足で新たな借り入れに頼ることになれば、節約どころか、支出が増えてしまいます。住宅ローンの金利は、一般的にカードローンやキャッシングの金利よりもかなり低く、いったん繰上返済に回したお金は、貯蓄と違って引き出すことはできません。繰上返済は、年末の支出も考慮した金額で、無理のない時期に実行されるとよいでしょう。

一時的なやりくりのピンチに備えて

予定の集中で一時的にやりくりが大変になりそうな場合などに備えて、比較的低金利でお金が借りられる手段を用意しておいてもよいでしょう。クレジットカードのキャッシングサービスの金利は15~18%程度ですが、カードローンは数パーセントの金利で借り入れ可能な場合もあり、臨時返済を活用すれば利息負担も抑えられます。

即日融資可能なカードローンも多いですが、書類の準備に時間がかかることもありますし、年末年始は公共機関や金融機関、ATMなどの休業・休止もあるので、思い通りのタイミングで手続きできないこともあります。カードローンの利用を考えるなら、まずは今自分がいくらの金利で借り入れができるのかを把握するために仮審査も視野に入れて、カードローン商品の比較検討・申込を年内早めに行っておかれるとよいでしょう。

早めに予定の確認や資金の準備をして、忘年会やクリスマスパーティ、旅行に帰省など、年末ならではのイベントを心置きなく楽しみたいですね。

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私が書きました

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大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2015年12月02日