第41回

マイカーローン(自動車ローン)の金利相場とは?シミュレーションと合わせて比較

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この記事のポイント
  • 銀行系ローンの相場は1%後半~4%
  • ディーラー系自動車ローンの相場は3%前半~6%
  • マイカーローン(自動車ローン)を組むにあたって重要なポイントは事前に確認しよう
男性と女性が机で資料を見ながら電卓で計算している画像

マイカーローン(自動車ローン)を利用するときに意外と見落としがちなのが「金利」です。多くの方がディーラーローンを利用するので、金利の違いで返済総額が大きく異なることに気がつかないことも多いのではないでしょうか。しかし、金利の違いで10万円以上返済総額に違いが出ることもあります。
そこで、今回はマイカーローン(自動車ローン)の金利相場と金利の違いでどれくらい支払総額に差が出るかについて解説します。

マイカーローン(自動車ローン)の金利の相場

車と電卓と財布の画像

マイカーローン(自動車ローン)は大きく分けて「銀行系」「ディーラー系」の2種類です。それぞれの金利相場を確認していきます。金利の違いから月々の返済額や完済までの支払総額にどれくらいの違いが出るかも見てみましょう。

マイカーローン(自動車ローン)の金利の相場

金利は、金融機関によって異なりますが、一般的に銀行系が最も金利が低い傾向にあります。ディーラーと提携した信販会社でも銀行と遜色のない金利でローンを組めるところもあるので一概にはいえませんが、金利は、「銀行系<ディーラー系」の順で高くなるといわれます。

銀行系ローンの相場は1%後半~4%

銀行や信用金庫、信用組合などで取り扱っているマイカーローン(自動車ローン)です。変動金利しか扱わない銀行もあれば、変動金利と固定金利が選択できる銀行もあります。もちろん、銀行によって金利はさまざまです。

固定金利は変動金利よりも比較的金利が高めの傾向にあります。金融機関のホームページで金利情報をよく確認するようにしましょう。

ディーラー系自動車ローンの相場は3%前半~6%

大手自動車メーカーのディーラーローンは、自社製品の販売目的にローンを組みます。信販会社もグループ会社で持っていることが一般的で、企業の戦略的にも金利を低くすることができます。しかし、ディーラーローンも、信販会社やクレジット会社のローンに変わりはなく、銀行系ローンより金利が高い傾向です。

大手自動車メーカー系の販売店で取り扱うディーラーローンは、自社の新車に対するローンを取り扱うのが一般的です。販売促進を狙ったキャンペーンにより、銀行系ローンと遜色ない金利で取り扱うことも多くありますが、一般的には、ディーラー系のローンよりも銀行系のローンの方が金利は低いと考えてよいでしょう。

中古車販売店や個人の自動車販売店の場合は、同じ信販会社でも販売店によって金利が異なります。多くの信販会社は、自動車販売店と提携してローンを組むため、販売店を通じてローンの申込みをすることになるでしょう。販売店によっては10%近い金利となることもあるので注意が必要です。

マイカーローン(自動車ローン)の返済のシミュレーション

マイカーローン(自動車ローン)を組むにあたって重要なポイントは以下のものがあります。

  • 月々の支払い
    毎月の返済額(元金+利息)は、生活に支障がない程度に抑えなければなりません。収入に見合った返済額となるように、返済シミュレーションによる毎月の返済額の計算は必須です。
  • 利息
    金利が高いほど利息の負担は当然大きくなります。金利の低い金融機関でローンを組むのが一番です。
  • 支払総額
    返済終了までの月々の支払い金額の合計額です。返済期間が長かったり金利が高かったりすると支払総額は増加します。
  • 保証料
    ごく一部の金融機関では提携する保証会社や信販会社に支払う保証料が発生することがあります。
  • 手数料
    事務取扱手数料・繰上げ完済手数料・一部繰上げ返済手数料などがあります。金融機関によって無料の項目があったり、ネット手続きで無料になったりさまざまです。

これらの項目は、金融機関選びのポイントの決め手にもなるので、慎重に比較検討することが重要です。イメージしやすいように3種類の金利で、毎月の返済額と支払総額にどれくらいの差が生じるのかを見てみましょう。

【元利均等方式:借入金額300万円、返済回数60回で金利を8%・5%・2%で計算した場合】

金利 月々の支払い 支払総額 利息の支払総額
8%
60,829円
3,649,740円
649,740円
5%
56,614円
3,396,840円
396,840円
2%
52,583円
3,154,980円
154,980円

金利が3%異なると月々の支払いは約4,000円の差が生まれます。月々の支払い金額の差はわずかでも支払総額では約24万円~約25万円もの差になってしまうのです。そのため、「銀行系」「ディーラー系」のローンの選び方で数十万円も変わってしまうことがあります。金融機関選びや金利はそれだけ重要ということです。

借入期間によっても月々の支払いや支払総額に差が出るので、注意が必要です。

【元利均等方式:借入金額300万円、金利2%、返済回数36回・60回・84回で計算した場合】

返済回数 月々の支払い 支払総額 利息の支払総額
36回(3年)
85,928円
3,093,408円
93,408円
60回(5年)
52,583円
3,154,980円
154,980円
84回(7年)
38,302円
3,217,368円
217,368円

借入期間が長いほど利息の負担は大きくなります。車を大事に長く乗るのであれば月々の支払い金額を抑えて長く返済することも可能ですが、借入期間は3年~5年くらいにしておきたいものです。

マイカーローン(自動車ローン)で金利の相場以外にも注意しておきたいポイント

金利の相場以外にも注意しておきたいポイントがあります。返済方法の種類や見逃しがちな諸費用を忘れてはいけません。

返済方法の選択

返済方法は、「元金均等返済」と「元利均等返済」の2種類です。マイカーローン(自動車ローン)に限らず、住宅ローンや教育ローンでも金融機関の多くが「元利均等返済」を採用しています。

元金均等返済

毎月返済する元金は一定で、その一定の元金に利息を加えた金額を月々の支払い金額とする返済方法を「元金均等返済」と呼びます。元金均等返済は、毎月決まった一定額の元金を返済していくので、返済が進むにつれて元金が確実に減少していくことが特徴です。利息の計算は、「元金×金利」をその月の日割り計算で行うため、毎月の支払い利息もそれに伴い減少していきます。最初は月々の支払い金額が多く、返済が進むほど利息が減少する分、徐々に月々の支払い金額が減少していく傾向です。

元金均等返済は、毎月確実に元金の一定額が減少するので最終的な支払総額は「元利均等返済」よりも少なくなることがメリットです。一方、常に元金に対して利息を計算するので、借り入れ当初は元金が多いため利息の支払いが多くなります。借り入れ当初の月々の支払い金額が「元利均等返済」よりも多くなってしまうことはデメリットに感じる人もいるでしょう。

元利均等返済

月々の支払い金額は一定ですが、その内訳である元金と利息の割合が毎月変化する返済方法を「元利均等返済」と呼びます。関数を用いた計算式となるので、元金均等返済のように簡単に電卓では計算できません。月々の支払い金額は一定ですが、返済が進むに従いその内訳である元金の返済金額が増加し、支払い利息は毎月減少していくのが特徴です。住宅ローンのような長期間の借り入れでは、「最初は利息ばかりで元金が減らない」というのは、ここに理由があります。

元利均等返済は、月々の支払い金額が返済終了まで同じ金額となるため、計画的に返済できることがメリットです。返済期間が長い場合に向いています。一方、借り入れ当初は元金の減少が「元金均等返済」よりも遅く、その分最終的な支払総額が「元金均等返済」よりも多くなってしまうことはデメリットです。

計画的に返済をするなら「元利均等返済」が適しています。借り入れ当初は月々の支払い金額が多くなるものの、支払総額を少なくするなら「元金均等返済」を選ぶのが良いでしょう。

見逃しがちな諸経費にも注意

マイカーローン(自動車ローン)にかかる諸経費を忘れてはいけません。なぜなら、わずかな費用と思っていても諸経費がかさんでしまうと低金利のメリットが失われる可能性があるからです。ローンを組むときには、諸経費についてもしっかりと確認しましょう。

保証料

ほとんどの金融機関では、保証料が金利に含まれます。しかし、保証料が別途必要となる金融機関もあるので要注意です。見た目の金利が安くても、保証料率を金利に加えると低金利のメリットが失われることもあります。保証料率を加味した実質的な金利で比べなければ、本当に低金利かどうかの判断はできません。

融資を受けたときに保証料の支払いが別途必要なことを忘れていて、ディーラーに振り込む資金が足りなくなるようなことはないようにしたいものです。車の購入代金支払い当日に慌てないよう必ず事前に確認しておきましょう。

手数料

手数料も無視はできません。借入時に手数料がかかることはあまりありませんが、一部繰上げ返済や一括繰上げ返済(完済)をするときには3,000円~5,000円程度の手数料がかかることが一般的です。一部繰上げ返済を数回行えば、1万円~2万円の手数料負担が発生することになります。金融機関の中には、繰上げ返済をネット経由で行えば無料になるところもあるため、繰上げ返済手数料の有無・金額も必ず確認するようにしましょう。

まとめ

マイカーローン(自動車ローン)の金利の相場は、「銀行系1%前半~3%」「ディーラー系3%前半~6%」と大きく異なります。金融機関の選び方で、数十万円も総返済額が変わることもあるため慎重に金利をシミュレーションしたいものです。収入に見合った返済額となるように、返済シミュレーションによる毎月の返済額の計算をしておきましょう。

また、マイカーローン(自動車ローン)選びのポイントは金利だけではありません。借入期間や返済方法の選択も重要なポイントです。マイカーローン(自動車ローン)は多くありますが、じっくりと比較検討し、ご自身に適したローンを選びましょう。

マイカーローン(自動車ローン)の金利の相場を知るには

車が並んでいる画像

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マイカーローン(自動車ローン)を取り扱う金融機関はたくさんあります。多くの金融機関のローンを調べて比較検討することは容易ではありません。そのようなときに「イー・ローン」でのマイカーローン検索が大変便利です。ローンの一覧から「金利」「借入可能額」「借入期間」といったワードで気になる項目を簡単に比較することができます。

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ライター紹介

加治 直樹 の写真

加治 直樹 (かじ なおき)

1級FP技能士、社会保険労務士

銀行に20年以上勤務し、融資及び営業の責任者として不動産融資から住宅ローンの審査、資産運用や年金相談まで幅広く相談業務の経験あり。在籍中に1級ファイナンシャル・プランニング技能士及び特定社会保険労務士を取得し、退職後、かじ社会保険労務士事務所として独立。現在は労働基準監督署で企業の労務相談や個人の労働相談を受けつつ、セミナー講師など幅広く活動中。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタントを目指す。法人個人を問わず対応可能で、会社と従業員双方にとって良い職場をつくり、ともに成長したいと考える。

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