第21回

リフォームローン控除(減税)とは?控除を受けるための条件や確定申告での手続き方法

リフォーム工事の内容や規模にもよりますが、リフォームには数十万円~数百万円のお金がかかるのが一般的です。ひとくちにリフォームといってもさまざまなリフォームがありますが、多くの場合はリフォーム工事をすることで所得税の減税のように税の優遇措置があります。税の優遇措置を利用して、できるだけ負担を抑えたいですね。リフォーム減税の内容や条件を正しく知って、上手に利用してみましょう。

リフォームローン控除(減税)とは

住宅ローンを利用して住宅購入をすると「住宅ローン控除」を受けられ、所得税が減税されることを知っている人は多いのではないでしょうか。一般的には「住宅ローン控除」と呼ばれることが多いようですが、正式には「住宅借入金等特別控除」といいます。この「住宅借入金等特別控除」は、住宅の購入だけではなく住宅のリフォームにも適用されます。

基本的な仕組みは、購入の場合もリフォームの場合も同様です。返済期間が10年以上のローンを利用してリフォーム(または購入)代金の支払いに充てたときに、その年末時点のローン残高の1%(最大40万円)が最大10年間にわたり所得税から控除されるというものです。

これとは別に、通称「リフォームローン控除」と呼ばれているのが「特定増改築等住宅借入金等特別控除」です。これは、返済期間が5年以上のローンを利用して「バリアフリー改修工事」や「省エネ改修工事」、「多世帯同居改修工事」などの特定の増改築(リフォーム)をした場合に適用される減税制度です。

リフォーム時に利用できる減税制度の種類と違い

これらに加えて、ローンの利用有無を問わない「投資型減税」という所得税の減税制度があります。リフォームをして所得税の減税措置を受けるためには、この3つの制度からいずれか1つを選択することになります。リフォームの内容やリフォーム資金の工面の仕方で、自分に合う制度を選ぶようにしましょう。

ここではリフォーム後の居住開始日が2014年4月1日~2021年12月31日までとして説明します。また、同居対応改修の場合の居住開始日は2016年年4月1日とします。

  住宅ローン控除
(住宅借入金等特別控除)
リフォームローン控除
(特定増改築等住宅借入金等 特別控除)
投資型減税
(住宅特定改修
特別税額控除)
特徴 ローンを利用して一定の条件を満たすリフォームをした場合、毎年一定額を所得税から控除できる ローンを利用して、一定の条件を満たすリフォームをした場合、毎年一定額を所得税から控除できる。リフォームの種類は
・省エネ
・バリアフリー
・同居対応
・長期優良住宅化(耐久性向上)
ローンの利用有無を問わず、一定の要件を満たすリフォームをした場合、一定額を所得税から控除できる。リフォームの種類は
・耐震
・省エネ
・バリアフリー
・同居対応
・長期優良住宅化(耐久性向上)
ローン利用 必要 必要 不要
最大控除額
(※2)
40万円(年間)
400万円(全期間)
12万5,000円(年間)
62万5,000円(全期間)
リフォームの種類により25万円~35万円
(バリアフリーの場合は20万円)
控除期間 リフォーム後居住を開始した年から10年間(※1) リフォーム後居住を開始した年から5年間 リフォーム後居住を開始した年分(1年間)

※1:消費税が10%に増税された後の対策として、2019年10月1日~2020年12月31日の期間に入居した場合には、住宅ローン控除を受けられる期間が10年から13年間に延長されます。
当該3年間の控除額は「借入金年末残高(上限4,000万円)の1%」または「建物購入価格(上限4,000万円)の2%÷3」のいずれか少ない方の金額になります。
※2:リフォーム工事にかかる消費税率が8%または10%の場合

なお、住宅ローンやリフォームローンの減税制度はこれまでに何度も改定されています。実際にリフォームを検討する際には、必ず国税庁および国土交通省のサイトで詳細を確認するようにしてください。

リフォームローン控除の対象と適用条件

次に、リフォームの種類別に各減税制度の対象可否と、適用条件を見ていきましょう。

    リフォームローン控除
(特定増改築等住宅借入金等特別控除)
投資型減税
(住宅特定改修特別税額控除)
住宅ローン控除
(住宅借入金等特別控除)
耐震 対象有無 × ・リフォームする住宅の専有面積が50平米以上
・リフォーム費用は100万円超
リフォームの内容 ・現行の耐震基準に適合させるための耐震リフォーム
費用要件 なし
バリアフリー 対象有無
リフォームの内容 ・高齢者等居住改修工事等(手すり、段差解消等8種) ・高齢者等居住改修工事等(手すり、段差解消等8種)
リフォームの費用要件 50万円超 50万円超
省エネ 対象有無
リフォームの内容 ・特定断熱改修工事等
・断熱改修工事等
・一般断熱改修工事等
費用要件 50万円超 50万円超
同居対応リフォーム 対象有無
リフォームの内容 ・一定の同居対応リフォームを含む増改築(調理室、浴室、便所または玄関) ・一定の同居対応リフォーム(調理室、浴室、便所または玄関)
費用要件 50万円超 50万円超
長期優良住宅化 対象有無
リフォームの内容 ・一定の省エネおよび一定の耐久性向上 改 修 工 事 を 行い 、増改築による長期優良認定を受けていること ・一定の耐震または一定の省エネリフォームと一 定 の 耐 久 性 向 上 改 修 工 事 を 行 い 、増 改築による長期優良認定を受けていること
・ 一定の耐震および一定の省エネリフォームと耐久性向上改修工事を行い、増改築による長期優良認定を受けていること
費用要件 50万円超 50万円超

なお、住宅リフォームに関する減税制度を受けるには、収入その他さまざまな要件を満たすことが必要です。詳細は国税庁のサイトで確認するようにしてください。

また、リフォーム減税が適用される工事は国土交通省および財務省の告示や通達で詳細が定められています。実際にリフォームを検討する際には、必ず国税庁および国土交通省のサイトで詳細を確認するようにしてください。

固定資産税の減税と贈与税の非課税の適用

リフォームに関する優遇税制には所得税以外にも、固定資産税の減税およびリフォーム資金を贈与したときに贈与税が非課税になる制度があります。

固定資産税

リフォーム費用が50万円を超える次のリフォームをした場合に、固定資産税の減税を受けることができます。リフォームの種類により控除額が異なりますので確認しておきましょう。

  耐震 バリアフリー 省エネ 長期優良住宅化
軽減割合 家屋の固定資産税額の2分の1 家屋の固定資産税額の3分の1 家屋の固定資産税額の3分の1 家屋の固定資産税額の3分の2
軽減対象家屋面積 120m2相当分まで 100m2相当分まで 120m2相当分まで 120m2相当分まで
贈与税の非課税

通常、贈与税の非課税枠は110万円ですが、両親および祖父母などの直系尊属から一定要件を満たすリフォームを行うための資金の贈与を受けた場合、110万円の非課税枠とは別に贈与税が非課税となります。

この場合の非課税限度額はリフォーム契約をした日およびリフォームの内容、また消費税率によって変動します。リフォーム契約に関する非課税限度額について、表にまとめましたので確認してください。

リフォーム契約にかかる消費税率が8%の場合
契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
2016年1月1日~2020年3月31日 1,200万円 700万円
2020年4月1日~2021年3月31日 1,000万円 500万円
2021年4月1日~2021年12月31日 800万円 300万円

リフォーム契約にかかる消費税率が10%の場合
契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
2019年4月1日~2020年3月31日 3,000万円 2,500万円
2020年4月1日~2021年3月31日 1,500万円 1,000万円
2021年4月1日~2021年12月31日 1,200万円 700万円

なお、省エネ等住宅とは次のいずれかの基準に適合する住宅であることを、一定の書類により証明されたものをいいます。

  1. 断熱等性能等級4もしくは一次エネルギー消費量等級4以上であること
  2. 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上もしくは免震建築物であること
  3. 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上であること

リフォームローン控除(減税)の手続き方法

確定申告(年末調整)が必要

リフォームに関する所得税の減税を受けるためには、確定申告が必要です。会社員のように本来確定申告の必要がない人も、初めて制度を利用するとき(1年目)には確定申告することになりますので抑えておきましょう。

確定申告は、リフォームをした翌年の2月16日~3月15日に行います。確定申告に必要な書類をそろえ、納税地(原則として住所地)の所轄税務署長に提出しますが、提出方法には次の方法があります。

  • e-Tax(電子申告)で申告(事前に利用開始のための手続き等が必要)
  • 郵便または信書便により住所地の所轄税務署に送付
  • 住所地の所轄税務署の受付に持参

なお、勤務先で年末調整がある人は2年目からは住宅(リフォーム)ローン控除に関する申告は年末調整で行えます。その際、必要書類を勤務先に提出します。

確定申告(年末調整)する上での必要書類

確定申告で必要となる書類には次のものがあります。リフォームの種類によって別途証明書が必要になりますので、リフォームの内容に合わせて国税庁や国土交通省のサイトで必ず確認するようにしてください。

  • 確定申告書
  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 住宅取得資金にかかる借入金の年末残高等証明書(2ヵ所以上から交付を受けている場合は、その全ての証明書)
  • 控除を受ける人の住民票の写し(マイナンバー(個人番号)が記載されていないもの)
  • 給与所得者の場合は、給与所得の源泉徴収票
  • 家屋の登記事項証明書、請負契約書の写し等(※)で、増改築をした年月日、金額、リフォームをした家屋の床面積および家屋のリフォームが特定取得に該当する場合にはその該当する事実を明らかにする書類

※リフォームに関して、補助金の交付を受けている場合は、補助金の額を証する書類の写しの添付が必要です。また、住宅取得等資金贈与の特例の適用を受けている場合は、住宅取得等資金の額を証する書類の写しを添付しなければなりません。

なお、リフォーム工事の内容によって、次の書類が必要になります。

  • 工事にかかる建築確認済証の写し、検査済証の写しまたは増改築等工事証明書
  • 工事にかかる増改築等工事証明書

作成方法

「確定申告書」および「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」は国税庁のサイトからダウンロードが可能です。また、国税庁のサイトにある「確定申告書作成コーナー」から、画面に従って入力することにより、オンライン申告でそのまま送信したり、印刷して税務署へ持参・郵送したりすることも可能です。

その他、工事に関する証明書の様式は国土交通省のサイトから入手可能です。リフォーム業者にも確認を取るようにしましょう。

リフォームローンを組む前に、月々の支払いと控除される金額を知ろう!

リフォームをすることで、お得な減税制度を受けられるのはいいですが、ローンを利用する際には「返済しなければならない」ことを一番に考えて利用することが重要です。金利や貸付条件等、選ぶローンによって返済総額に差が出てきますから、できるだけ返済総額が少なくなるようなローンを検討しましょう。

返済額シミュレーション

リフォームの種類にもよりますが、ローンを借り入れして減税制度を受けるためには10年もしくは5年以上のローンでなければいけません。長期にわたって無理なく返済できるよう、何度もシミュレーションを繰り返し、最適な返済計画を立てるようにしましょう。返済計画を立てる際には、「イー・ローン」の返済額シミュレーションを利用すると便利です。

まとめ

リフォームには多額のお金がかかることも多くありますが、リフォームをすることで減税につながることもあります。「住宅ローン控除」「リフォームローン控除」「投資型減税」、これらの制度を把握して自身に合った減税制度を選ぶことが大切です。また、リフォームローン控除の場合、対象となる工事も決まっています。控除の適用条件や減税の手続き(確定申告)に関しても把握しておきましょう。

リフォームをする際に考えたい減税制度、そしてリフォームローン、いずれもしっかりと考えて決めたいものです。しかし、リフォームローンはさまざまな金融機関が取り扱いをしています。そのため、金融機関のサイトで金利や借り入れ条件を一つ一つ調べていくのには膨大な手間と時間がかかります。

そこで、おすすめなのが「イー・ローン」です。日本最大級のローンポータルサイト「イー・ローン」では掲載されているローンをランキングとして発表しています。最適なローンを選ぶためにもイー・ローンのランキングを参考にしてみてはいかがでしょうか。ランキングを参考に自分にとって最適なリフォームローンを探してみましょう。

ライター紹介
續 恵美子(つづき・えみこ)
氏名
續 恵美子(つづき・えみこ)
保有資格
日本FP協会認定CFP(R)
主なキャリア
生命保険会社にて15年勤務した後、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きる上で大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。

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