第869回

民法の「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」に。リフォームでの影響は?

家のリフォームを検討中で、業者選びの最中です。民法改正で何かリフォームに関して変更があると聞きましたが、どのような点でしょうか?(Mさん 会社員、38歳)
2020年4月1日より、改正民法の施行により「瑕疵担保責任」が改められました。ポイントを押さえておきましょう。
豊田 眞弓
豊田 眞弓

改められた「瑕疵担保責任」とは?

2020年4月1日より民法が改正され、「瑕疵」という言葉が使われなくなり、「契約不適合」に変わりました。「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」に変わったことで、リフォームであれば発注者がとり得る手段も増えました。

まず、従来の「瑕疵担保責任」に該当した場合、リフォームの発注者は次の2つの手段しか取れませんでした。

「瑕疵担保責任」で発注者が取りうる手段
・契約解除(契約した目的を達成できない場合)
・損害賠償請求

それが、リフォーム工事の内容が契約不適合(=契約の内容に適合しない)だった場合、発注者が請求できる内容は以下のとおりです。

「契約不適合責任」で発注者が取りうる手段
・契約解除(契約した目的を達成できない場合)
・損害賠償請求
・履行の追完請求(修補請求)
・代金減額請求

例えば、発注したリフォーム工事が「契約不適合」に該当する場合、発注者は請負人に期間を定めて「修補」を依頼します(履行の追完請求)。期間内に修補が行われない時は、発注者は代金減額請求、つまり値引を求めることができます。あるいは、工事の進捗や内容によっては、発注者が請負人に債務不履行による損害賠償請求をしたり、契約の解除をしたりすることもできます。

ただし、これまでは無過失責任(過失の有無を問わない責任)だったものが、過失責任になり、発注者側が過失を立証しなければならなくなりました。

従前では瑕疵が重要である場合は修補に高額な費用がかかっても修補しなければならないとされていましたが、請負人の負担が大きいことから、この条文は削除されました。今後は、「過分の費用を要する時」は「修補不能」として扱われます。損害賠償も、過大な費用を賠償請求できなくなりました。

また、損害賠償請求も、従前は「仕事の目的物に瑕疵がある時は修補に代えて、または修補とともに損害賠償請求ができる」としていましたが、改正後は債務不履行の一般的な規定が適用され、損害賠償請求が認められるのは、
・債務の履行ができない
・債務者がその債務の履行を拒絶する意思を表示した
・契約が解除され、または解除権が発生した
のいずれかに該当する時は「債務の履行に代わる損害賠償請求」ができるようになりました。従来のように「修補しない代わりに損害金を」とは言えなくなりました。

他にも細部に違いがあります。確認をして利用しましょう。

業者選びとローン選びはしっかり検討を!

最近は減りましたが、かつては悪質なリフォーム業者が多発しました。そのため、リフォーム業者選びは慎重に行う必要があります。ヒントになるのが、リフォーム業者が「リフォームかし保険」に加入しているかどうかです。

「リフォームかし保険」はリフォーム時の検査と保証がセットになった保険制度で、住宅専門の保険法人(住宅瑕疵担保責任保険法人)が引き受けています。「リフォームかし保険」に加入する事業者は、保険法人へ事業者登録を行います。登録されたリフォーム業者は、「登録事業者等の検索サイト」で検索することができます。

発注者は事業者を通じて保険に加入することもできます。「リフォームかし保険」へ加入すると、施工中や工事完了後に建築士による現場検査が行われるほか、施工後に欠損が見つかったときは補修費用等の保険金が支払われ、無償で直してもらうことができます。工事の途中で事業者が倒産したときは発注者に保険金が支払われるため、「リフォームかし保険」に加入していれば、安心してリフォーム工事を発注することができます。

最近の保険では、リフォーム工事を実施した部分すべてが対象になります。保険期間は、構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分は5年間、その他は1年間です。もし、リフォーム工事にかしが見つかった場合の補修費用をまかなうことができます

リフォームローンを利用する場合にも、比較サイト等を活用してより有利なものを選びましょう。リフォーム業者や工務店の提携ローンのほか、複数のリフォームローンを比較して、より自分に合ったもの、より実質金利が低いものなどを選択しましょう。

【参考リンク】

担当:豊田 眞弓 (執筆:2020年04月15日)