第458回

クレジットカードの“リボ払い”をひとつにまとめると?

家計の支出管理をしやすくするために、用途ごとに複数のクレジットカードを使い分け、それぞれのカードで“リボ払い”を使っています。支払額が一定でやりくりはしやすいのですが、逆にいつ支払いが終わるのか分からないです。その間に利息も取られていると思うので、早く返済した方がよいですよね?(埼玉県 Sさん)
クレジットカード“リボ払い”には、毎月の支払額が変わらない便利さがある一方で、完済時期がわかりにくくなるなどのデメリットもあります。“リボ払い”はローンと一緒で、毎月の支払額には利息も含まれていますので、メリット・デメリットをしっかり理解したうえでうまく活用し、状況に応じてリボ払い返済額を増額し、早期に支払いを完了させるのが良いです。残高がまだ多く、支払いの完了目安が見えにくい状態であれば、「おまとめローン」を使って複数のローンを一本化してシンプルにしましょう。

“リボ払い”のメリット・デメリットを把握する!

“リボ払い”は、買い物での利用金額に応じて、毎月あらかじめ決められた額をクレジットカード会社に返済する方法です。一定額の範囲内では毎月の返済額が変わらないため、家計を管理するうえではとても便利な返済方法です。たとえば、冠婚葬祭や歓送迎会など突発的な出費が多く重なった場合、会社勤めの方は都合よく毎月の給料が増えるわけではありませんよね?

“リボ払い”のメリットは、私たちの日常生活における一時的なキャッシュフロー不足を補い、安定した暮らしを送っていくために、クレジットカード会社から個別に信用を与えられ、毎月の元本に利息をつけ、なるべく少ない金額の定額返済をしていくという理解でよろしいと思います。

このようなメリットを意識して利用する分には問題ないのですが、残念ながら“リボ払い”のメリットを活かしきれず、延滞などで自分自身の信用力を落としてしまう方が多いのが現状のようです。

分割払いと異なり、一定額の範囲内では毎月の返済額が変わらないため、買い物を繰り返すと利用金額が膨れ、金額が増えればその分返済期間が延びていきます。“リボ払いの魔力”とでもいいますか、使っているうちにどの商品の返済がいつ終わるのかがわかりづらくなり、「現在の借入残高がいくらなのか」の実感もわきにくくなったり、さらに複数のクレジットカードで“リボ払い”を使っていると、毎月の返済日や返済額、返済期間がバラバラになって、家計を管理するのも、返済状況をチェックするにも手間がかかってしまいます。

安易な“リボ払い”は慎む。“完済”を意識するならおまとめローンの活用を検討。

安易な“リボ払い”で毎月の支払額を低く抑えると、返済期間が長くなってその分利息の支払い負担が多くなります。クレジットカード会社は「私たちの日常生活における一時的なキャッシュフロー不足を補い、安定した暮らしを送っていく」というメリットを与えるために毎月の“リボ払い”は低く設定しています(ミニマムペイメント払い)。家計にゆとりがある場合、もしくはゆとりができた段階でクレジットカード会社に連絡、もしくはウェブで手続きをすることにより、支払額を増額することができますので、できるだけ完済を早めるように心がけましょう。

また、複数のクレジットカードで“リボ払い”を続けているのであれば、いっそのこと「おまとめローン」で一本化したほうが結果的にラクですし、金額もまとまるので、より有利な条件で借り入れできる可能性もあります。ローン比較サイトを活用して、返済総額を減らせるよう金利や返済期間を上手に選ぶようにするとよいでしょう。さらに、一本化した後も、積極的に繰上返済を行って、常に負担を軽くするように努めましょう。

【参考リンク】

複数のカードの“リボ払い”を「おまとめローン」で一本化する!

複数のクレジットカードで“リボ払い”をしている場合、「おまとめローン」を使ってひとつのローンにすれば、家計管理も返済状況のチェックも簡単になります。また、低金利のローンに借り換えができれば、利息負担も軽くなります。

そのためにはまず、現在のローンを正しく把握する必要があります。たとえば下の表のように、項目別に整理して一覧形式にすると、現状を容易に確認することができます。

この場合、3種類のカードで“リボ払い”をしており、「借入残高」や「残りの返済期間」、「支払日」、「毎月の支払額」はマチマチであることがわかります。

カード会社 借入残高 金利
(実質年率)
残りの
返済期間
支払日 毎月の
返済額
Aカード 50,000円 15.0% 11ヶ月 10日 5,000円
Bカード 80,000円 15.0% 13ヶ月 26日 7,000円
Cカード 180,000円 15.0% 21ヶ月 20日 10,000円
借入残高計 310,000円 毎月返済額計 22,000円

返済総額:345,826円

(元利定額リボルビング方式)

これら複数のローンをまとめて一本化すると、次のようになります。

この例だと、金利が低くなったために、返済期間を上記で最長の「21ヶ月」に設定しても、当面の毎月返済額は22,000円から15,699円になります。

カード会社 借入残高 金利
(実質年率)
残りの
返済期間
支払日 毎月の
返済額
D社 310,000円 6.8% 21ヶ月 26日 15,699円

返済総額:329,679円

また、完済時期がはっきりして支払日も月1日にでき、返済総額も減らせます。

「おまとめローン」を選ぶ際には、イー・ローンの「おまとめローン一覧」を使うと便利です。さまざまな金融機関のローンを一覧形式で比較することができます。優遇金利の適用条件や金利体系、借入可能額、審査の期間、来店の要・不要などを確認して、候補を絞り込めます。さらに「ローン比較リスト」を使うと、融資条件の詳細を一覧形式で比較検討することも可能です。

私が書きました

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中村 宏 (なかむら ひろし)

ファイナンシャル・プランナー。株式会社 ワーク・ワークス代表取締役。

教育出版社勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。「お客様のお金の不安を解消する」をモットーに、1,500件を超える個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を中心に活動。無料メルマガ「生活マネー ミニ講座」を配信中。著作 「自分のお金の育て方」(祥伝社)、「老後に破産する人、しない人」(KADOKAWA中経出版)。

※執筆日:2012年03月02日