第91回

住宅ローンで叶った平屋建てのマイホーム。シンプルで快適な生活を送っています。

福岡県にお住まいのがねさんは、住宅ローンを使って、コンパクトな平屋のマイホームを建てました。徹底的に無駄をなくし、設備は必要最小限に。シンプルな家での生活は、とても快適だといいます。

オーナーさんデータ
福岡県 がねさんご一家(仮名)
家族構成:
夫(31歳・会社員)、がねさん(30歳・専業主婦)、犬1匹、猫2匹
建設時の世帯年収:
350万円
購入した住宅:
FREEQ HOMES「covaco」
延床面積と間取り:
20坪・2LDK平屋
購入価格 :
2,200万円
利用ローン:
九州労働金庫「変動金利型住宅ローン」
金利タイプ:
変動金利型
金利:
0.7%(2019年12月実行)
ローン借入金額 :
2,000万円
借入期間:
35年
毎月の返済額:
5.4万円

もともとはマイホームを持つことに消極的だったというがねさんご一家。愛犬がきっかけで、家を建てようと考えるようになりました。
がね
もともとは「維持費や修繕費もかかるし、ローンが払えなくなるときが来るかもしれない」と、マイホームを持つことに対しては否定的でした。でも、愛犬がきっかけで家を建てることを具体的に考えるようになりました。元保護犬である愛犬はとても怖がりで、ちょっとした音にもすぐ怯えてしまいます。愛犬がビクビクせず、安心できる家で暮らしたかったのです。
とはいえ、我が家は世帯収入が約350万円。手取りは280万円と、正直なところカツカツの生活です。いざ家を建てようとしても難しさを感じていました。
ちょうどその頃、たまたまネットで、手の届く価格の平屋の規格住宅を見つけました。さっそく見学会に訪れ、予算や年収のことについても相談したところ、営業さんは「大丈夫です!」と、その場で資金計画書を作成してくれました。
その1か月後には土地を見つけて工務店と契約、7か月後には家が完成と、トントン拍子に進みました。
自分たちにとって本当に必要なものは何かを徹底的に考えた結果、建てたのは20坪2LDKの小さな平屋です。
がね
家を建てるとなると「将来子どもができたときのために広くしよう」とか「せっかくだから食洗器などの便利な設備を付けよう」などと、つい欲張ってしまうこともあるかもしれません。
でも、我が家が建てたのは、20坪2LDKの小さな平屋。設備も本当に必要最低限のものだけです。
これは予算の兼ね合いもありましたが、この先ずっと住み続ける私たち夫婦が「ずっと幸せでいられる家とはどんな家だろう?」と考えた結果です。
広い家は持て余しそうだし、便利なものはいずれ使わなくなったり壊れたりしそうです。結論として、自分たちの手で管理が行き届くようなコンパクトな家が、一番快適で住みやすいだろうなと思いました。
私たちが選んだ規格住宅の標準仕様はとてもシンプル。そこから好きなようにカスタマイズできます。でも、私たちは「必要最低限の暮らしができればいい」と考え、できるだけ標準仕様のまま、変更費用が増えないように意識していました。
コンパクトな家とはいえ、こだわりたいポイントは妥協しなかったといいます。
がね
「自分たちはどんな家に住んだら幸せか?」と徹底的に考えたので、妥協したくない点は明確でした。
マイホームを建てるにあたり、「これだけは絶対に取り入れたい」と思っていたのが、アイアン室内窓です。価格面で木材にしたほうがいいか悩みましたが、溶接跡の感じや、渋さはアイアンならではだと思います。部屋のアクセントになり、お気に入りです。
マテリオドロッグリのアイアン室内窓。壁の圧迫感を軽減してくれる

マテリオドロッグリのアイアン室内窓。壁の圧迫感を軽減してくれる

クロスにもこだわり、全面モルタル風のグレークロスにしました。なかなか思い切った決断だったとは思いますが、部屋の雰囲気をやわらかくしてくれます。おかげで、まぶしいのが苦手な私にとってリラックスできる空間になりました。
メインのクロスはサンゲツの「RE7729」。光の当たり具合によって色の見え方が変わるのが魅力

メインのクロスはサンゲツの「RE7729」。光の当たり具合によって色の見え方が変わるのが魅力

照明は調光調色ができるスポットライトにしました。取り外し可能なLED電球なので交換も簡単です。
共同照明のスポットライト。別売りのリモコンに簡単な設定をすることで、調光調色ができる

共同照明のスポットライト。別売りのリモコンに簡単な設定をすることで、調光調色ができる

調味料を入れるキッチンスパイスニッチが、我が家に唯一あるニッチ(物を飾るための凹みのこと)です。キッチンの立ち上がり部分に、調味料置きとして造作してもらいました。調味料入れはセリアのスクエアポットを使いたかったので、奥行きのサイズを指定して、あとは設計士さんにお任せでお願いしました。
サイズもピッタリで使いやすく、すっきりと収納できる

サイズもピッタリで使いやすく、すっきりと収納できる

洗面所は標準から変更し、インスタグラムで見て一目ぼれしたアイカ工業のスタイリッシュカウンターを採用しました。
洗面台周りの小物はミラーキャビネットに収納し、すっきりとした空間に

洗面台周りの小物はミラーキャビネットに収納し、すっきりとした空間に

標準で靴箱がついていましたが、イメージに合わなかったので無くしました。かわりに棚柱と棚受けを購入してDIYすることにしました。奥行き30センチの棚受けにしたところ、ちょうどいいサイズ感で使いやすいです。
靴だけでなく、愛犬のリード、散歩バッグ、服もかけられて重宝している

靴だけでなく、愛犬のリード、散歩バッグ、服もかけられて重宝している

庭は愛犬が喜んで走り回っています。目隠し用のルーバーフェンスを設置したおかげで、外の様子を気にせずにいられます。
ルーバーフェンスはリクシル 「プレスタフェンス8型」。

ルーバーフェンスはリクシル 「プレスタフェンス8型」。

新居での生活を始めると、周りを気にせず、ゆったりと過ごす時間が増えたそうです。
がね
賃貸に住んでいたときは生活音を気にして、息をひそめるように暮らしていましたが、今は心からリラックスできてくつろげます。小さな庭でコーヒーを飲んだり、リビングでのんびりしたりするなど、満ち足りた時間が増えました。
愛犬にとっても、静かで安心できる環境のようです。楽しそうに庭を走っている様子を見ると、「本当に家を建ててよかったなあ」と思えます。
家を建ててから、マイホームに対する価値観がいい意味で変化しました。たしかに家を持つと、住宅ローンを背負うなどのデメリットはあるかもしれません。でも、いざ新居で暮らし始めると、「心地よい家に住める」ことは、私たち家族にとって、何物にも代えがたい幸せだと思うようになりました。
庭の手入れや掃除など、ちょっとした負担は増えましたが、自分の家に対する愛着は増す一方です。
ローン借入額は2,000万円。九州労働金庫「変動金利型」を選びました。
がね
仮審査では、ろうきん(九州労働金庫)、地銀2つ、フラット35に申込みました。
審査は全て通ったので、この中で一番低金利だったろうきんを選びました。
最後に、がねさんのように、シンプルで居心地のいい家を建てたいと考えている人へのメッセージを伺いました。
がね
年収が低くても無理のない返済額であれば、家を購入しても意外と普通の生活を送れます。 我が家は決して広くはありません。でもその分、電気代もかからず、メンテナンス費も抑えられ、掃除も楽と、私たちにはちょうどいい大きさです。まさに身の丈に合った家だと思います。
自分たちがどんなところに住みたいのかを具体的に考え、必要のないものは潔くカットしていけば、予算内で満足できる家が建てられるのではないでしょうか。
ライターからのコメント。

シンプルで無駄のないお家での暮らしは、とてもすっきりとしていますね。たくさんの物に囲まれる生活では曖昧になりそうな、「自分たちにとって大事なものは何か」が明確なのが魅力的でした。
家を建てる際は、何を優先させたいかをはっきりさせることで、省略してもいいものが明らかになります。まずどんな家に住みたいかを具体的に考えることが、結果的にコストカットにもつながり、住宅ローンの借入金額を抑えることにもつながるでしょう。

※今回ご協力いただいたがねさんのブログ「20坪の平屋でコンパクトな暮らし」のURLは https://compact-house.com/

ライター紹介

齋田 多恵 の写真

齋田 多恵 (さいだ たえ)

東京生まれ。成蹊大学文学部日本文学科卒業。
法律事務所で社会人生活をスタートした後、女性向けエンタメ系サイトのライター兼ディレクター、モバイルゲームの運営、女性向けモバイルゲームのシナリオディレクター、シナリオライターを経験。
妊娠、出産を機に2016年からフリーライターとして活動開始。

企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン