第3回

住宅ローンで叶った私の都心モダンマンション生活。裏ワザはリノベーション。

栗田さんは、リノベーションを利用することで、人気の高級住宅街に理想の住居を持つことができました。時代遅れな雰囲気の中古マンションがモダンな部屋に生まれ変わるリノベーションの魅力を伺いました。

家主さんデータ
東京都 栗田さん(仮名)ご一家
家族構成:夫・祐樹さん(38歳・会社員)、妻・真知子さん(38歳・会社員)、子供二人
世帯年収:1,000万円
リノベーションを依頼した企業:株式会社インテリックス空間設計
延床面積と間取り:約68.42m2、3LDK
購入価格:4,050万円(物件価格3,350万円、リノベーション費用700万円)
自己資金:0円
住宅ローン:みずほ銀行「住宅ローン」
金利タイプ:変動金利
金利:0.875%(2012年11月申込/2013年3月実行)
ローン借入金額:4,050万円
借入期間:35年
毎月の返済金額:9万円

東京都心の人気の高級住宅街の一角に、栗田さん一家のマンションはあります。大きな黒板がある広々としたリビング中心のモダンなこの家ですが、実は築30年。「キッチンは独立」「部屋ごとに段差がある」「一番日当たりがいい部屋は和室」といった一昔前の雰囲気の家でしたが、2013年3月リノベーションによってすっかり生まれ変わりました。
栗田
マンションを買い替えようと思ったきっかけは、2011年3月の東日本大震災です。それまで、レインボーブリッジが見える都内湾岸のマンションに住んでいたのですが、震災を機に、万一の時に子供たちの安全が守れるのか心配になってきました。小学校まで電車を使うし、ドアツードアで40分近くかかることも不安に拍車をかけました。そこで、海から遠く離れた子供の学校近くの家に住み替えたいと思ったわけです。
ただ、湾岸のマンションを新築で購入したのは5年前。買ったばかりの物件なので手放す決心がなかなかつきませんでした。決心するまで1年。それから物件探しが始まりました。
物件探しに関しては、最初から新築はあきらめていました。人気のこのエリアで新築マンションだと7,000万円、8,000万円は当たり前ですからね。予算は4,000万円だったので、中古マンションという選択肢しかありませんでした。
当初は、きれいにリフォームをしてあれば十分。個性的な家にしようとは考えていなかったそうです。どうせなら楽しい部屋にしたいと考えるようになったのは、インテリックス空間設計がリノベーションを手掛けた中古物件を見てからです。
栗田
その物件は、広さも価格も合わなかったのですが、とてもお洒落で印象的でした。面白いと思い、雑誌や本でインテリックス空間設計やリノベーションのことを勉強したのですが、知れば知るほど、どうせ中古を買うならおしゃれで楽しい空間にしたい、と考えるようになりました。
物件が見つかったのは2012年11月です。場所と広さが決め手でした。もちろん、新耐震基準を満たしているのかしっかりチェック。また、建物の構造上の問題やマンション管理組合の規約などで工事が制限されるケースもあるので、「この壁はとれるのか」「キッチンの場所は変更できるのか」といったことを、インテリックス空間設計の方に調べていただきました。

リノベーション前。一番日当たりがいいのは畳の部屋

リノベーション前。部屋が壁で細かく仕切られている

その後は、インテリックス空間設計の担当者と毎週打ち合わせ。上の子供や主人も参加してみんなで希望を出し合い、ひとつひとつ決めていくという感じでしたね。
家族みんなの意見が反映された新しい我が家の出来栄えは、想像していた以上におしゃれで快適だったそうです。
栗田
子供と主人の希望は、リビングの壁を黒板にすること。手入れが面倒だったので、私は反対だったのですが…。でも、実際に使ってみると、共働きの家庭にとってはとても便利でした。「おやつはどこ」「宿題をやっておきなさい」など、子供への伝言板として私が一番積極的に使っています(笑)。子供は掛け算の練習などしていますね。

黒板は、今では家族の大切なコミュニケーションツール

主人がこだわったのは、趣味の自転車を置けるように玄関を広くすることでした。共有の自転車置き場は台数が限られていたし盗難も心配だったので、いっそのこと玄関に自転車置き場を作ろうということになったのです。

玄関スペースを土間風にリノベーション。自転車を二台置いても広々としている

上の子供は、自分の部屋が一番のお気に入り。パープルを中心にした部屋のトータルコーディネートをがんばって自分で考えました。

子供部屋。お気に入りのパープルの壁紙の前で読書中

私が一番気に入っているのはキッチン。キッチンの場所を移動したので費用も一番かかりましたが(笑)。複雑な配管工事など本当にできるのか、正直、完成するまで不安でした。でも、出来栄え、快適さは予想をはるかに上回っていました。対面式のキッチンをやめて、壁付けキッチンにしたことも大正解でした。面積は節約できるし、収納はたっぷりとれます。タイルでモダンさを強調できたのも、壁付けならでは。ドイツ製の蛇口もこだわりの一つです。

玄関脇にあったキッチンをリビングに移動

新しい家に引っ越して、やっと安心して子供を学校に送り出せるようになったそうです。
栗田
今度は学校まで歩いて10分。近いし、電車にも乗らずに済むので、やっと毎日安心して過ごせるようになりました。これまでよりも朝30分出る時間が遅くなったので、その分勉強や読書にあてる習慣をつくろうと考えています。
借入金額は4,050万円。住宅ローンはみずほ銀行の変動金利を選びました。
栗田
物件価格とリノベーション費用を合算してローンが組めると聞いたので、みずほ銀行の住宅ローンに決めました。金利タイプは、現状の金利の安さから変動金利をチョイス。リノベーションの実行は、物件購入時より半年近くずれましたが金利は同じでした。
最後に、これから住宅を買う人へのメッセージをお聞きしました。
栗田
私たちは立地が一番大切だと思っています。実際、ここに引っ越してきてから通勤も楽だし、どこに行くにも便利。フットワークが軽くなりました。中古物件でも、リノベーションをすれば驚くほど変わりますので、新築マンションにこだわらず便利な場所の中古物件も検討することをおすすめします。
ライターからのコメント。

新築マンションをせっかく買ったのだからと固執せず、家族を取り巻く環境の変化に応じて、上手に住み替えることもひとつの選択肢だとわかりました。住み替えは「古い住居がすぐに売れるのか」など様々な心配がありますが、柔軟な住宅ローンもたくさんあります。住み替えを考えている人は、不動産会社や金融機関に相談してみましょう。

※協力/株式会社インテリックス空間設計(http://www.ku-kan.co.jp/)、企画構成/カデナクリエイト、編集/イー・ローン