第979回

住宅ローン返済中に自動車を購入!マイカーローンを利用しても大丈夫?

今の自動車は、購入して12年経過しているため、そろそろ買い替えようと考えています。ただ、資金が足りないので、マイカーローンを活用する必要があります。現在、住宅ローンを返済している最中ですが、新たにマイカーローンを借りることはできるのでしょうか。(長野県 会社員 40代 男性)
住宅ローンの返済中でもマイカーローンを借りることはできます。ただし、金融機関による審査では、返済中のローンの状況なども踏まえて判断されるため、予定した金額を借りられない場合があります。予定した金額を借りられる場合でも、複数のローン返済を同時に行えば、負担が重くならないとも限りません。他のライフイベントの実現に支障をきたさないよう、あらかじめ無理なく返済できる予算や返済期間にする工夫が大切です。
中村 宏
中村 宏

ローンを借りる時、金融機関は、返済中のローンの状況も踏まえて審査を行う!

金融機関は、個人に融資を行うとき、事前の審査によって、その人が安定的に返済できるかどうかの判断を行います。審査の基準は金融機関によって異なり、その内容は公表されませんが、審査に使われる情報には、ローンを申込む人の基本的な属性や勤務先、勤続年数、年収、過去のローンやクレジットカードの返済状況、現在返済中のローンの状況などがあります。

安定した収入がない場合や、過去にローンやクレジットカードの返済で滞納があった場合などは、審査が通らず、新たにローンを借りられない可能性があります。また、現在返済中のローンがある場合には、予定より少ない金額しか借りられないこともあります。

安定的に返済できるかどうかは、「返済比率」によっても判断されます。「返済比率」とは年収に占める年間のローン返済額の割合のことで、各金融期間が独自に基準を決めていますが、一般的には年収の25%~35%以下とされています。返済比率が高くなればなるほど、ローンの返済による負担で家計が圧迫されるため、返済が不安定になるリスクが高まります。

返済比率は、現在返済中のローンも含めて計算します。

返済比率を計算して、マイカーローンの借入金額や返済期間を検討する!

以下の例で、返済比率を計算してみましょう。

  • 年収:500万円
  • 住宅ローンの年間返済額:120万円
  • マイカーローンを借りようとしている金融機関の返済比率:30%以下
  • マイカーローンの適用金利:2.975%
  • マイカーローンの借入金額(予定):200万円
  • マイカーローンの返済期間(予定):5年

この例では、マイカーローンの年間返済額は約43万円(毎月返済額は35,915円)になり、現在返済中の住宅ローンを含めた返済比率は以下の通りになります。

返済比率 =(120万円+43万円)/ 500万円×100 = 32.6%

返済比率が30%を超えているため、この金融機関で新規にマイカーローンを借りる場合は、30%以下、つまり、これから借りるマイカーローンの年間返済額を30万円以下に抑える必要があります<(120万円+30万円)/500万円×100=30%>。

具体的には、「購入する自動車の予算を抑える」、「自己資金を増やして借入金額を少なくする」、「返済期間を延ばして年間返済額を少なくする」などの方法があります。また、返済比率の条件が緩やかな金融機関や金利の低い金融機関に変更する方法もあります。

なお、実際には金融機関から返済比率が公表されることはないため、上記の計算をして借り入れる金融機関を選ぶことはできません。ただ、新たなローンを借りる際に資金プランを作成するとき、検討材料にすることはできるでしょう。

大切なのは、家計収支や将来のライフイベント費用などを踏まえ、無理のないプランを立てること!

ローンの借入金額や返済期間を決める時は、金融機関が決める返済比率から算出される「いくらまでなら借りられるか?」ということよりも、自分の家計の現状と将来を踏まえた「将来に渡って無理なく返済ができる金額はいくらか?」ということを重視したほうが、現実的で安心感のある決定ができるはずです。

まずは足元の家計収支や金融資産の残高をしっかりと把握し、さらに、将来のライフイベントの時期と必要資金を見積もって、これから新たな借り入れをした場合でも、将来希望するライフイベントが確実に実現できる見通しを立てられる範囲内で、借入金額や返済期間等を決めることが大切です。

そして、実際に借り入れをする時には、複数の金融機関の商品をしっかりと比較検討し、金利変動リスクに配慮した上で、できるだけ低金利のもの、諸経費のかからないものを選択するようにしましょう。

【参考リンク】

担当:中村 宏 (執筆:2022年06月03日)