第973回

戸建て住宅も定期的に点検と修繕を!

戸建ての注文住宅を建てて8年が経過し、そろそろ修繕やリフォームのことを考える必要があると思っていますが、現時点では家の内外のどこにも傷みは見当たらず、問題なく暮らせています。日々の生活の中で、異変に気が付いたときに考え始めればよいでしょうか。(会社員 男性 44歳 群馬県)
マンションの場合は、建物・設備等の定期的な点検が法律で義務付けられており、共用部分は、管理組合の判断で計画的に修繕が行われます。一方、戸建て住宅は、すべて自分で判断をする必要があります。目に見えない部分に傷みが生じていることもあるため、計画を立てて、定期的に点検をし、早めに修繕をするようにしましょう。また、リフォームや修繕のための資金も日頃から備えるようにしましょう。
中村 宏
中村 宏

新築から10年間の欠陥は、売主の責任で修繕や賠償がされる!

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって、新築住宅の場合、戸建て、マンションともに、引き渡しから10年間の「構造耐力上主要な部分」や「雨水の浸入を防止する部分」の欠陥は、売主による修繕や賠償が義務付けられています。

たとえば、木造戸建て住宅における「構造耐力上主要な部分」は、基礎、壁、柱、床版、屋根版など、「雨水の浸入を防止する部分」は、屋根、外壁、排水管などが該当します。この制度があることで、万が一、家が傾いたり、雨漏りをした場合でも、当初10年間は買主が修繕費用を負担する必要がありません。

マンションの点検や修繕は、管理組合によって定期的に、組織的に実施されている

マンションの場合は、居住者が安全で快適に暮らせるように、建物・設備等の定期的な点検が法律で義務付けられています。たとえば、地盤沈下や排水不良などの有無、基礎や外壁など建物の構造強度など、建物の全体的な調査は3年に1回(都道府県による)とされ、換気設備、排煙設備、防火扉・防火シャッターは1年に1回(規模、用途による)などとされています。これらの法定点検は、マンション管理組合が委託した管理会社や専門業者が実施します。その他に、管理組合が自主的に行う任意点検もあります。点検の結果、必要に応じてメンテナンスや修繕が行われ、その費用は各戸が毎月払う管理費等から支払われます。11~15年ごとには大規模修繕も実施され、その費用は各戸が日頃から積み立てる修繕積立金等で賄います。このようにして、共用部分については、管理組合によって建物を長持ちさせる取り組みが組織的に行われます。なお、専有部分の設備等については、各戸で点検、修繕、費用の確保をする必要があります。

戸建て住宅の点検や修繕等は、すべて自分の判断で実施する必要がある!

戸建て住宅の点検や修繕等は、すべて自分で判断して実施する必要があります。「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって、当初10年間は「構造耐力上主要な部分」や「雨水の浸入を防止する部分」の欠陥の修繕に費用はかからないとはいえ、それは、限られた箇所のみで、設備機器や経年劣化による内装の不具合などの修繕は、10年以内でも一般的には有償です。また、10年経過すると法律で保証される期間も終了します。

定期的な点検をしておけば、修繕箇所が小さいうちに発見することができます。点検をしないまま長期間経過すると、気づかないうちに修繕箇所が広がって、修繕費用が高くついたり、工事期間が長くなったりして負担が大きくならないとも限りません。

キッチンやバス、洗面所、給湯器などの水回りの設備や内装などは、暮らしの中で使い、目に触れるものだけに、不具合を発見しやすいですが、屋根、外壁、屋根裏、床下などの不具合を素人が見つけることは難しいでしょう。

まずは、現在の戸建て住宅を建てた建築会社が提供している保証内容や保証期間、アフターサービスの内容を確認するとよいでしょう。会社によっては、法律で定められている10年の保証期間の延長を設けているところもあります。なお、保証内容や保証の延長を受けるための条件などはしっかり確認する必要があります。たとえば、有償点検・補修が延長条件になっていたりします。また、点検の頻度、地盤保証や設備機器保証、シロアリ保証などの期間も確認しておきましょう。

住宅は、建築後10年を過ぎるあたりから、経年劣化が目立ち始めると言われています。そのため、10年経過後は、5年ごとを目安に有償でも専門家による定期点検を実施してはいかがでしょうか。

リフォーム費用や修繕費用も計画的に準備する!

点検を定期的に実施するなら、それに合わせてリフォーム費用や設備の更新費用、修繕費用も計画的に準備する必要があります。点検で修繕箇所が見つかっても、費用の不足を理由に修繕を先延ばしにしてしまうと、やがて修繕箇所が広がって、余計に費用がかかったり、工期が長くなって負担が大きくなる可能性があります。一般的なリフォーム費用や設備更新費用、修繕費用をあらかじめ見積もり、計画的に積み立てを行って資金を準備するようにしましょう。そして、修繕時に資金が不足する場合は、リフォームローンなどの活用も検討し、早いうちに直して、住宅を長持ちさせて安全、快適に暮らせる環境を整えましょう。

【参考リンク】

担当:中村 宏 (執筆:2022年04月18日)