第893回

キャッシュレス時代に気を付けたいクレジットカードとの付き合い方

キャッシュレス決済を利用するようになってから、うっかりすると使いすぎてしまうときがあります。どうしたら上手に付き合えるでしょう。(Eさん 会社員、30歳)
ちょっとの使いすぎから、一歩間違うと自転車操業に陥る可能性もあります。キャッシュレス時代のクレジットカードとの付き合い方はより慎重にしましょう。
豊田 眞弓
豊田 眞弓

カード払い分をキャッシングやカードローンで返済!?

6月に金融庁が公表した「貸金業利用者に関する調査・研究」(金融庁委託調査)によると、3年以内に貸金業を利用した人の実態がわかります。調査は2020年3月16日~19日に行われたもので、新型コロナウィルスの影響はまだ反映されていないものと思われます。

結果概要の一部を抜粋したものが下記です。

「貸金業利用者に関する調査・研究」より

〇3年以内にキャッシングやカードローンを利用した人の利用目的
1位「生活費不足の補填」45.3%
2位「欲しいもの購入への資金不足の補填」23.6%
3位「クレジットカードの支払い資金不足の補填」21.7%。
〇3年以内に消費者金融を利用した人の利用目的
1位「生活費不足の補填」49.1%
2位「クレジットカードの支払い資金不足の補填」20.3%
3位「欲しいもの購入への資金不足の補填」18.1%となっている。
〇3年以内借入経験者(キャッシング、カードローン、消費者金融、商工ローン、手形割引業者のいずれかの利用経験がある)で現在借入残高がある人のうち、借入残高が年収の1/3を超える人は21.6%。

参照:「貸金業利用者に関する調査・研究」(金融庁委託調査)

キャッシングやカードローン、消費者金融を利用する理由の1位は「生活費の補填」であり、中には「クレジットカードの支払い資金不足の補填」のために利用している人もいます。一時的な利用にとどめて家計の立て直しをしないと、あっという間に多重債務に陥ってしまいます。

実際、3年以内に貸金業を利用して借入残高がある人のうち、年収の1/3を超える人は2割もいて、これ以上借りられない状況にある可能性があります。

キャッシュレス時代のクレジットカードとの付き合い方

この調査結果と、ポイント還元事業やマイナポイント事業などで政府が急速に推し進めているキャッシュレス化の間に因果関係があるのかは不明です。しかし、家計管理があまり得意でない人にとっては、キャッシュレス化で支出が複雑になるだけでも負担です。混乱して収支のペースが乱れてしまう人もいるかもしれません。

キャッシュレス時代のクレジットカードの使い方に関して、次のような点に注意する必要があります。

便利だが使いすぎる傾向も

キャッシュレスで買い物をする方が、現金で買い物をするより1.7倍使ってしまうという調査結果もあります(クレジットカード協会)。手持ちの現金がなくても買い物ができてしまうため注意が必要です。

支出管理のルールを徹底

最近はペーパーレスのため、クレジットカードの支出明細もサイトに行って自分で確認をする必要があります。あるいは、家計簿ソフトなどを利用できれば、情報を読み込んで一元管理することもできます。いずれにしても自分で決めたルールに基づいて、支出管理を徹底することが重要です。

細かいオトクより集中を

キャッシュレス化では魅力的なポイント還元などの競争もあり、つい複数のツールを使いたくなりますが、クレジットカードもQRコード決済などでもできるだけ最小限に絞り込んだ方が支出管理はしやすくなります。

「生活費の補填」に利用しない

生活費の補填やクレジットカードの支払いに、キャッシングやカードローンを利用する自転車操業の状態は早々に改善を。住居費や保険、車関係、通信費、サブスク会費、食費・外食費など家計の大手術をして削れるものを削り、踏ん張ることが大事です。

未来の自分へ借金を押し付けない

新型コロナは終息したわけではなく、第3波が来ないとも限りません。そんな中だからこそ家計を正常化させることが急がれます。それは、未来の自分や家族のためです。生活費を借金で補う状態から早めに抜け出しましょう。

しかし、どうしても借り入れに頼らないと家計が維持できないときは、少しでも金利が低い商品を利用するようにしましょう。キャッシングは金利が12~15%ですが、カードローンは低いものだと1%台からあります。安易にキャッシングに頼らず、検索をして少しでも金利負担を抑えましょう。

【参考リンク】

担当:豊田 眞弓 (執筆:2020年09月29日)