第329回

家計の自己診断&ムダを見つけるコツは?

我が家も、この夏のボーナス減で、厳しい家計がさらに厳しくなりそう。色々な節約法を試してみるのですが、なかなか‘効果’はあらわれません。家計の自己診断やムダを見つけるコツについて教えてください。(H.Sさん 34歳・パート主婦)
新聞や雑誌、マネーサイトなどでは、さまざまな節約法が紹介されていますが、イザ自分の家計に置き換えてみると、実践するのは難しかったりする場合も・・・。自分の家計のどこが問題で、どのような節約法が良いのかを見つけるためには、「家計簿」は有効なツールです。これを分析することによって、お金の流れ(収支)を把握し、家計のムリ・ムダが見つけやすくなりますよ。

その1~「家計簿」をつけよう!~

家計の節約は、よくダイエットに例えられるように、ムリや焦りは禁物! さらに、その家計に合ったダイエット(節約)をしなければ、なかなか思うような結果は得られません。

家計の問題点やムダを把握するためには、しっかりと「家計簿」をつけることが大切。
ただし、「毎日、家計簿はつけているけれども、つけっぱなし…」というのでは、意味がありません。

家計簿は、あくまでも予算管理簿―支出の特徴やお金の流れをつかむためのもの-ですので、 月末などに毎月集計をすることが重要です。使途不明金が多いようなら、それだけ圧縮する余地の大きい家計ということになります。

なお、家計簿をつけ始める時期には、要注意!例年、年末になると、さまざまな家計簿が書店等に並びますが、 12月、1月というのは、バタバタと忙しい上、なにかと出費もかさむ時期。 そんな時期にスタートして、長続きするはずもありません。家計簿は、思い立ったが吉日で、 自分のスタートしやすい時期から始めるのがベストです。

自分の家計診断をしてみよう

その2~支出を「固定」と「変動」に分けて見直す~

家計支出と一言でいっても、大きく分けて住居費、保険料、クルマの車検・税金などの「固定支出」と、 食費、光熱費、通信費、レジャー費、交際費などの「変動支出」の2つに分けられます。

一般的に、固定支出は見直しが難しいものの、削減できれば効果は高く、 食費などの変動支出は見直しがしやすいものの、固定支出に比べて、効果はそれほどでもない、という特徴があります。

そこで、まずは、見直ししやすい食費や光熱費などにムダがないかを検討し、 さらに、住居費(家賃・住宅ローン)や生命保険を見直しし、固定支出も減らせないか検討してみましょう。 コツとしては、昔に比べて、増加幅が多い項目から削減していくと、比較的無理なくスリム化が達成できます。 例えば、最近の傾向として、家計支出の中でも膨らみがちなのは、携帯電話やインターネットなどの「通信費」や 「クルマ関係費用」―特に、後者は、税金やガソリン代・駐車場代・ローン費用などで、コストがかさむ要因となっています。

住宅ローンの借り換えで節約を検討してみる
火災保険の変更で節約を検討してみる
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その3~支出は賢く支払う!

支出を減らすことで家計の節約は実現できますが、それにも限界があります。 とりわけ、最近のご家庭は、エコ志向と相まって、ある程度の節約術は実践済み。

そこで、お金の支払い方法を変えることで節約する方法を考えてみましょう。 例えば、生命保険や損害保険の保険料は、毎月払いから年払いに変更することで、一定の割引が受けられますし、 国民年金保険料、税金(固定資産税・市民税)、NHK受信料などの公共料金等も「まとめ払い」がおトクです。

また、まとめ払いをしなくても、口座振替に変更するだけで割引されるものや、 支払いをポイント還元率が高いクレジットカードを使って一括払いすることで、 ポイントが貯まり、それをマイルや商品券、現金等に交換すれば割引率もアップして、‘一石二鳥’というわけです。

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私が書きました

黒田 尚子 (くろだ なおこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、第2種情報処理技術者、初級システムアドミニストレータ。

92年大学卒業後、日本総合研究所に入社。約5年3ヶ月間、システム開発に携る。退社後、98年ファイナンシャル・プランナーとして独立。 まったくの異業種からの転職のため、できるだけ幅広いテーマを手掛けるようにしている。雑誌・インターネットなどの連載を持つほか、セミナー講師、講演、相談業務などを行う。モットーは「夢をカタチに」。現在、夫1人&猫1匹と暮らす。

※執筆日:2009年08月13日