第309回

新生活を応援!家計やりくりのコツ

この春から就職して新しい生活が始まります。最近の経済状況を見ると、若いうちからしっかり家計を管理して、貯蓄しなければいけないのではと思っています。どんなことから始めたら良いのでしょうか?(Jさん 23歳 会社員)
貯蓄とは、将来やりたいことのために、ちょっとだけ今を我慢することです。ですから、お金を貯めること自体を目的にするのではなく、「将来、どんなことにお金を使いたいのか」を考えてから貯蓄をスタートさせましょう。

貯蓄の王道は「先取り貯蓄」をすること

お金があまったら貯めようと思っても、なかなか難しいもの。そこで、実行したいのが「先取り貯蓄」です。給料が入ったら、まず貯蓄し、残ったお金でやりくりしましょう。とにかく少額でも「貯めグセ」をつけることが大切です。

先取り貯蓄で便利なのが、財形貯蓄や社内預金です。給料天引きで手間がかかりません。ただし、会社に制度がないと利用できませんので、確認してみてください。

残念ながらこの制度がない人は、銀行などの自動定期積立を利用しましょう。給料が入ったらすぐに自動引き落としで積立をすることがポイントです。給料振込の口座を利用するのが便利ですが、もうひと手間かけられるなら、金利の高い金融機関を探してみてください。1年積立(2009年3月現在)でも、M銀行では0.25%ですが、S銀行は0.545%と2倍以上の差があります。金融機関によってかなり違いますので、比べてみる価値大ですね。

また、最近は1,000円や5,000円など少額から購入できる投資信託もあります。預貯金とは異なり元本保証ではありませんが、「お金を運用してふやす」経験をするのには、チャレンジしやすいので検討してみても良いですね。

保険は「誰が金銭的に困るのか」を考えてから

貯蓄をするためには、無駄な支出を省くことも大切。支出の中でも負担大なのが保険です。社会人になったから加入しておこう!という人が多いのですが、勧められたからといって安易に入るのは問題です。

では、何を基準に考えたら良いのでしょうか?それは、「誰が金銭的に困るのか」を考えることです。自分の収入で家族の生活を守るのであれば、死亡保障が必要です。しかし、新社会人の場合、そういう人は多くないでしょう。それよりも必要なのは、入院した場合の入院費や収入減の補てんですから、まずは医療保障の確保が先決です。ただし、健康保険でかなりサポート(傷病手当金や高額療養費がありますので、会社で確認してみましょう)してくれますので、過度な保障は不要です。会社員であれば、入院給付金は1日5,000円~8,000円程度で十分ですから、保険の掛けすぎに注意してください。

お金を借りるときは「手数料」に気をつける

最後にお金を借りることについても、ひとことアドバイスしておきましょう。最近はキャッシングがしやすくなり、気軽にお金を借りる人が増えています。しかし、お金を借りると手数料をつけて返さなければならないので、実質的に使えるお金が減ってしまいます。

そこで、どうしても利用しなければならないときは、キャッシングではなく、クレジットカードが利用できないか考えてみてください。なぜなら、キャッシングは1日ごとに手数料がかかりますが、クレジットカードは1回払いや2回払い、ボーナス一括払いであれば手数料はかからないからです。たとえば10万円を利用しても、キャッシングなら月1,500円程度かかりますが、クレジットカードならゼロです。どうしてもキャッシングを利用しなければいけないときは、決められた返済日まで待つのではなく、1日でも早く返すことが無駄な手数料を支払わないコツです。また、金利は金融機関ごとに異なりますので、比較してより低いものを利用してください。

貯蓄をするためには、合わせて支出を管理し、自分の身の丈がどれくらいなのか確認しておきましょう。

私が書きました

中森 順子 (なかもり じゅんこ)

ファイナンシャル・プランナー。

プログラマー・SEを経験後、結婚を機に税理士事務所へ転職。企業の税務・社会保障・融資のサポートなど幅広く経験。個人のお金に関する相談が増えたことから、FP資格を取得。10年勤務後、個人の家計サポートに集中すべく、2003年に独立。住宅購入や資産運用、保険見直しなど、自分自身の経験も交え、執筆・セミナー・相談と幅広く活動中。家計診断は500件以上の実績あり。

※執筆日:2009年03月26日