第237回

ネット銀行でもお金は借りられる?

インターネット専業の銀行がいくつかありますが、預金金利が高めなどのメリットがあると聞いています。預金以外も、通常の銀行のようにローンの取扱いなどはあるのですか?
ネット専業銀行でも、各金融機関によって、取扱っている商品やサービスの範囲は異なります。一部のネット銀行ではローンの取扱もあります。自分にとって使い勝手の良いネット銀行を探してくださいね。

ネット専業銀行の特徴は?

最近では、多くの金融機関で、インターネットからさまざまな取引ができるようになりました。その中でも、ネット専業銀行とは、実際の店舗は持たずに(または、非常に数が少ない)、インターネットや電話で主な取引を行う銀行のことを言います。
ネット専業銀行の特徴としては、まずは、預金金利が高めであることが挙げられます。これは、店舗がない(または非常に少ない)ことで、実際の店舗を数多く持つ金融機関よりも、人件費や店舗の賃料などの経費を大幅に抑えることができるので、その分、利用者である私達に金利として還元されているからです。
店舗はなくとも、コンビニエンスストアや他の金融機関のATMを利用することができるので、入出金についてもさほどの不便さはないでしょう。
また、振込手数料が安い、または無料(回数や振込する範囲が限定される場合もあり)の金融機関もあります。このように、金利面や、手数料の面で、一般的な銀行よりも有利な点が見られます。

一方で、注意点もあります。
一般の銀行では当たり前のようにできる公共料金の引き落としは、ジャパンネット銀行など、一部のネット専業銀行に限られています。また、クレジットカードの引き落としも限られたカード会社のみの場合も多いようです。

取扱っている商品の種類もさまざまです。外貨預金や投資信託などの取引をしたい場合には、取扱いがあるかどうか、確認してみましょう。

ネット専業銀行で借入れできるローンは?

借入れという点から見ても、住宅ローンやカードローンの取扱いをしているのは、一部のネット専業銀行となっています。取扱いがある場合でも、自行のローンである場合と、提携先のローンである場合があります。
自行でカードローンを取り扱っているネット専業銀行には、ソニー銀行住信SBIネット銀行などがあります。
<ネット専業銀行のカードローンの例>

ソニーバンク カードローン
・金利     利用限度額に応じて6.5%~12.0%の変動金利
利用状況に応じて、金利優遇もあり(例:利用限度額50万円で、利用限度額の75%以上の利用があると、-0.75%)
・利用限度額  10万円~300万円
・借入れ・返済 原則365日24時間、インターネットでお申し込みが可能
           返済は、前月残高に応じて、定められている金額が毎月自動引き落とし
           この返済以外の臨時返済も、インターネットから自由に行える

住信SBIネット銀行のネットローン
・金利     利用限度額に応じて、7.0~16.0%の変動金利
SBIイー・トレード証券口座保有登録者には最大-1.0%の金利優遇あり
・利用限度額  10万円~500万円
・借入れ・返済 インターネットからの借入れ、利用可能ATMからの引き出しができる
           返済は、前月残高に応じて、定められている金額が毎月自動引き落とし
           この返済以外の臨時返済も、インターネットおよび利用可能ATMから行える


ネット専業銀行のカードローンの特徴として、返済のしやすさが挙げられます。普通預金にお金を入れておけば、ATMなどに出向かずとも、ネットから自由に臨時返済が行えるので、早め、早めに返済をすることにより、利息の軽減にもつながります。

一口にネット専業銀行といっても、取り扱っている商品やサービス内容はさまざまです。振込のため、預金のため、投資をしたい、借入れをしたいなど、それぞれに利用目的があると思います。利用目的によって、振込手数料が有利、預金金利が高い、投資商品の品揃えが豊富、借入れや返済がしやすいなどの視点から、自分に合ったネット専業銀行を選び、上手に活用していきましょう。

私が書きました

高田 晶子 (たかだ あきこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引主任者。

1985年東京女子大学卒業後、信託銀行入社。不動産業務に従事。その後、不動産コンサルティング会社を経て1996年に独立、(有)ケー・アンド・エム コンサルティングの設立に参画。目白大学エクステンション講座をはじめ各種セミナー講師や、相談業務、マネーコラム執筆等を中心に活動。

※執筆日:2007年10月16日