第886回

来店型店舗経営からネット通販も検討!今ネットビジネスをするには

洋服やアクセサリーの販売店を営んでいます。コロナの影響で売り上げが低迷しているので、この機会にネット販売を始めたいと考えています。どのような準備が必要で、どんな費用を見込んでおけばいいでしょうか。(Tさん 自営業 40代)
ネット通販を始めるには、サイトの利用料や決済システム利用料、広告費などがかかります。早めに動いて、少しずつ改善しながら事業を軌道に乗せていくと良いのではないでしょうか。
福島 佳奈美
福島 佳奈美

EC(電子商取引)市場は拡大している!

インターネットで販売を行うことをEC(electronic commerce)、電子商取引といいます。経済産業省の「令和元年度電子商取引に関する市場調査」によると、令和元年の日本国内における消費者向け電子商取引市場規模は19.4兆円、前年比7.65%の増加だということです。特に物販系の分野での伸び率は8.09%で平均を上回っています。また、全ての商取引における電子商取引の割合も6.76%増加しており、ネット通販が広がりを見せているといえます。

コロナウイルスの影響で外出自粛期間が続き、売り上げが減少したという物販系の経営者も多いことでしょう。コロナ収束の兆しが見えないことから、ネット通販を始めようという経営者もいらっしゃるのではないでしょうか。

ネット通販を始めるには?

ネット通販のメリットは、インターネットを通じて直接店舗に来られない地域の方にもお店のことや販売している商品のことを広く知ってもらえることです。また、すでに顧客となっている方で、コロナウイルスに感染することが不安で来店を躊躇されている方にも商品を届けることができます。

ネット通販を手軽に始める方法としては、様々なネットショップが集合しているモールサイトに出店する方法、ECサイトサービスに登録して始める方法などが挙げられます。

大手モールサイトに出店すると、モールサイト自体に集客力がありますので、早期に売り上げを伸ばせる可能性があります。その一方で、店舗ごとの価格競争がありますし、モールサイトへの出店料や、システム利用料などのコストが別途必要になる場合もあるため、きちんと利益を確保できるかどうかを検討する必要があります。

ECサイトサービスに登録して始める場合は、独立したネットショップを経営するイメージです。ECサイトとは買い物かご機能や受注管理システム、決済機能等を備えたサイトで、あまり手間をかけずにネットショップを開設することができます。ECサイトにもいろいろありますが、利用料は月額で数千円程度のところや、無料で利用できるサイトもあります。但し、商品が売れるごとに決済手数料がかかるのが一般的です。なお、集客は自分で行う必要があるため、早く売り上げを上げたいならWeb広告に出稿し集客を行う必要があります。Web広告は効果を検証しながら進める必要がありますが、判断が難しい場合はコンサルティング会社に依頼する方法もあります。

どちらの方法も、自分でネットショップのホームページを作成することが難しい場合は、専門の業者に依頼する費用もかかります。

自治体や政府系の助成金や補助金を活用

新型コロナウイルスにより前年同月比で50%以上売り上げが減少している場合は「持続化給付金」を申請すれば、最大で個人事業主は100万円、企業は200万円の返済不要の給付金を受け取ることができます。また、自治体によってはコロナ禍に対応する事業者に対して助成金や補助金を設けている場合がありますので、自治体や商工会議所等のホームページをチェックし、相談すると良いでしょう。但し、助成金や補助金は、基本的には実際に支払った費用をもとに請求するもので、当面の支出は自己負担しなければなりません。

売り上げ減少による運転資金不足やネット通販を始めるにあたっての資金が不足する場合には、貸付や融資を検討しましょう。日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」が利用できる場合もありますし、取引先の金融機関に相談しても良いでしょう。これらの融資は、コロナ禍で利用者も多いため手続きには時間がかかる場合もありますので、急ぎで資金を調達したい場合は、ビジネスローンを活用しても良いでしょう。審査回答も比較的早いのが特徴です。

無事にネットビジネスを始めても運営や集客にコストや手間もかかります。しかし、軌道に乗れば売り上げを増やすことも可能だと思われます。事業計画や資金計画をきちんと立てた上で早めに動きつつ、トライアンドエラーで販売方法や集客方法などを改善しながらネット事業を展開していくと良いのではないでしょうか。

【参考リンク】

担当:福島 佳奈美 (執筆:2020年08月11日)