第68回

住宅ローンで叶った北欧ナチュラルな注文住宅。土地のハンデも解消!

宮城県にお住まいの藤原さんご夫婦(仮名)は、北欧風の注文住宅を住宅ローンを使って建てました。日当たりや土地の幅の狭さなどの問題も、随所に工夫を凝らすことで解決できたそうです。

オーナーさんデータ
宮城県 藤原さんご一家(仮名)
家族構成:
夫・大地さん(30代・会社員)、妻・愛さん(20代・会社員)、子ども1人
建設時の世帯年収:
800~1,000万円
建てた家:
注文住宅(2階建て、2LDK。土地面積165m2、延床面積160m2
購入価格:
4,500万円
利用ローン:
三菱UFJ銀行「ずーっと固定金利コース(超長期固定金利住宅ローン)」
金利タイプ:
全期間固定金利型
金利:
1.6%(2018年6月実行)
ローン借入金額:
3,500万円
借入期間:
30年
毎月の返済額:
10万円

ご主人の実家に隣接する土地が売りに出されたので、購入したという藤原さん。ただ、その土地には、気になることがありました。
藤原
住宅密集地で日当たりが悪く、唯一開けているのは細い道路に面した北側のみ。しかも、土地が「うなぎの寝床」のように細長く、奥行きは25mあるのに、幅は約5mしかないのです。育児を考えての決断でしたが、せっかく家を建てるなら、できるだけ理想に近い家を建てたい。
そこで、3カ所の一級建築設計事務所にお願いして、プランを比較。最も土地を有効に使いながら、私たちの要望を取り込んでくれて、予算内に収まった事務所にお願いしました。
藤原さんご夫婦の希望は、「温かみのある、北欧風のナチュラルテイストの家」。日当たりと狭さの問題を解決するために、間取りやインテリアなどを一つひとつ検討しました。
藤原
まず、すすめられたのは、リビングを比較的日当たりの良い2階にすることです。階段の昇り降りが大変なイメージがあったため悩んだのですが、寝室や子供部屋を1階に集約し、2階の多くをリビングにすれば、土地の幅が狭くても広く解放感のあるリビングへの憧れを叶えられます。1階との昇り降りを少なくするため、水回りを2階にかためました。
リビングダイニングは20畳と広々。アイランドキッチンは、トーヨーキッチンの「BAY」を採用

リビングダイニングは20畳と広々。
アイランドキッチンは、トーヨーキッチンの「BAY」を採用

ガラスドアも開放感を演出。奥に見えるチェス駒をモチーフにしたシャンデリアも上品な空間づくりに一役買っている

ガラスドアも開放感を演出。
奥に見えるチェス駒をモチーフにしたシャンデリアも
上品な空間づくりに一役買っている

内装は1階も2階も白を基調。「玄関回りを明るく広くすることで、全体も明るく広く感じる」と考え、玄関の扉や玄関ホール北側の壁に採光窓をつけたり、玄関正面にある階段の壁を格子状にしたり、玄関前のスペースをゆったりととったり、とあの手この手を駆使しました。
明るい玄関。両開きの親子扉とホール北側の壁に採光窓を付けることで、予想以上に採光でき、玄関が明るくなったという

明るい玄関。
両開きの親子扉とホール北側の壁に採光窓を付けることで、
予想以上に採光でき、玄関が明るくなったという

玄関前のスペース。室内とうってかわって、重厚感のある雰囲気

玄関前のスペース。
室内とうってかわって、重厚感のある雰囲気

カラーコーディネーターの知識を生かして、家具やキッチン、壁材・床材など、一つひとつ選んでいきました。設計中は、毎週のようにショールームに足を運んでいました。大変でしたが、理想を叶えるためには、妥協はできませんでした。
寝室、説明キャプション:こちらもお気に入りの寝室。間接照明によって、天井の木目がグラデーションに。リクシルの壁材「エコカラット」の凹凸も際立つ

こちらもお気に入りの寝室。
間接照明によって、天井の木目がグラデーションに。
リクシルの壁材「エコカラット」の凹凸も際立つ

そうした苦労のかいもあり、新しい家では、土地のハンデを感じることなく、暮らせているそうです。
藤原
2階リビングの家を建てることについて悩んでいたものの、住み心地はとても良いですね。長い時間を過ごす場所が広く明るいので、心も明るく気分よく生活できています。2歳の息子ものびのびと遊べるようになりました。回遊できるアイランドキッチンは子供もお気に入りのようです。
ローン借入額は3,500万円。三菱UFJ銀行の「ずーっと固定金利コース(超長期固定金利住宅ローン)」を選びました。
藤原
固定金利を選んだのは、近い将来、金利が上昇するのではないかと考えたから。金利の変動がなく、返済額が毎月一定であり続けるのは、やはり安心です。金利も1%台だったので、十分低いと感じました。
家を建てる前に住宅資金をコツコツためて、1,000万円ほど頭金を入れました。そのかいあって、月々の返済額を最小限に抑えられました。
結びに、注文住宅を建てることを検討している人へのメッセージを伺いました。
藤原
注文住宅を建てるときには、建てたい家のイメージをしっかりつくることから始めると良いと思います。私たちは、雑誌や実際に家を建てた方々の実例を参考に情報収集し、建築士さんにお願いする前から、おおよそのインテリアの方向性やカラーを決めていきました。なので、希望をしっかり叶えていただけましたし、キッチンや床材なども決めやすかったです。
注文住宅は自分たちで選択することが多く、大変に感じたこともありましたが、それだけに、完成後の満足感もひとしおです。
ライターからのコメント。

隅々まで工夫を凝らせば、日当たりなどのウィークポイントを微塵も感じさせない、明るく素敵な家ができあがるのですね!
最近は、住宅費用のほとんどをローンで借りる人が少なくありませんが、藤原さんのように、頭金をしっかり貯めておくと、月々の返済額をかなり抑えることができます。将来、家を買いたいと考えている人は、建てたい家のイメージをつくりはじめると共に資金計画についても早い段階で検討することをおすすめします。

※今回ご協力いただいた藤原さんのブログのURLは http://www.rei-housing.com/

文/杉山直隆、企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン