2025年11月日本銀行は政策金利(短期金利)を6会合連続で据え置く!
10月29日・30日に開催された金融政策決定会合で、日本銀行は6会合連続で政策金利(短期金利)を0.50%に据え置きました。利上げを見送った理由について、日銀の植田総裁は、関税政策に伴う米国経済の不確実性が依然として継続しているとした上で、「来年の春闘に向けての労使の交渉姿勢がどのようなものになるかもう少しデータをみたい」と述べました。年内の金融政策決定会合は、12月18日・19日のあと1回あります。引き続き普通預金金利に影響を与える政策金利の動向に注目しましょう。
一方で、米国のFOMC(連邦公開市場委員会)は、9月末に政策金利を引き下げました。10月に誕生した高市政権の積極財政方針を受けて広がった財政悪化懸念や米国の政策金利の引き下げ、さらに、日本銀行の利上げの見送り等によって円安が進行し、10月31日には1ドル=154円台と、2月以来の円安・ドル高水準になりました。
外貨預金の活用を検討する際には、為替相場の動向にも目配りするようにしましょう。
2025年11月05日掲載
普通預金とは
普通預金は、銀行や信用金庫などの金融機関にお金を預けるときに選ぶ預金種類のひとつで、銀行取引の基本となるものです。預け入れ期間に定めがなく、いつでも自由に預け入れや引き出しができ、公共料金などの自動支払いや、給与・年金などの自動受け取りの口座に指定することもできます。お財布代わりに利用できる使い勝手の良さがあるため、日常の支払い用や緊急予備資金の預け入れ先として利用されるのが一般的です。
多くの銀行がインターネットバンキングのサービスを提供しており、スマートフォンやパソコンで残高確認や振込が簡単に行えるようにするなど、利便性を高めています。利息は付きますが、金利の水準は定期預金よりも低い傾向にあります。
金融機関にとって、普通預金は、多くの人が最初に開設する預金口座であるため、顧客と関係を築く入口になります。普通預金口座を持つ顧客に対しては、定期預金や外貨預金、住宅ローン、クレジットカード、投資商品など、他の商品・サービスを提案しやすくなります。
普通預金の特徴
まずは普通預金の特徴を基本的な内容からご紹介します。
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利息が付く
普通預金は、預け入れたお金である預金残高と金利に応じて、利息が付与されます。金利タイプは随時見直される変動金利です。利息は、通常、半年ごと(2月と8月、または、3月と9月)に計算されて、預金残高に組み入れられます。なお、利息からは、20.315%の税金が源泉徴収されるため、実際に受け取る利息は、税引き後の金額です。
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自由に出し入れできる
普通預金の最大のメリットのひとつは、日常生活のさまざまな金融取引をスムーズに行える点です。いつでも自由に預け入れや引き出しができるため、急な出費や予定外の支払いにも迅速に対応することができます。
コンビニやゆうちょ銀行と提携している金融機関も多く、最寄りのコンビニATMやゆうちょ銀行ATMで手軽に出入金等をすることができます。多くの金融機関がスマートフォンやパソコンで金融取引を行えるインターネットバンキングのサービスを提供しているため、原則24時間365日、時間や場所を問わず資金の移動や管理をすることもできます。また、公共料金やクレジットカードの自動引き落とし、給与や年金の自動受け取りの口座に指定することもできます。
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預金保険制度により一定額まで保証される
安全性が高く、安心してお金を預け入れることができる点も、普通預金の大きなメリットです。普通預金は、お金を預け入れていた金融機関が万が一破綻した場合でも、預金保険制度によって、1金融機関ごとに1人当たり元本1,000万円までとその利息等が保護されます。
なお、この仕組みは普通預金だけでなく定期預金等にも適用されるため、1金融機関に複数の口座や預金種類を保有している場合は、対象となる預金等の残高が合算され、1人当たり元本1,000万円までとその利息等が保護の対象となります。保護対象を超える金額は破綻した金融機関の財産状況に応じて支払われます。
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普通預金は資産運用の手段としては期待できない
普通預金は、資産運用の手段としてはあまり期待できません。なぜなら、金利が低く資産が増えにくいからです。仮に金利が年0.2%とすると、100万円が倍の200万円になるのに約360年もかかります。足元では原材料価格や人件費の高騰を要因に、物価が上昇しています。物価が上昇するインフレの時代には、お金の価値は目減りします。例えば物価が毎年2%ずつ上昇する場合、現在100万円のモノは、5年後には約110万円まで上昇します。インフレの時代に、私たちが物価上昇率を下回る利率でしか資産運用できないならば、資産は徐々に目減りしてしまい、家計が苦しくなります。
2024年3月の日本銀行によるマイナス金利政策解除前のメガバンクの普通預金金利は0.001%でした。マイナス金利政策の解除以降、預金金利は上昇しています。それでも普通預金の金利は、他の金融商品と比べると低水準です。資産運用で財産を増やしたい方は、普通預金に預け入れるお金は必要最低限にとどめ、他の資金を、もっと利率の高い金融商品に振り向けることを検討したほうがいいかもしれません。
キャンペーン情報も!普通預金金利が高い銀行ランキング!
普通預金であっても、金融機関によって金利は異なります。普通預金の金利は、日本銀行が決める政策金利や、市場金利の動向、競合する金融機関が提示する金利などを考慮して、各金融機関が独自に決定します。普通預金口座を利用するのであれば、少しでも高い金利を提示する金融機関を選びたいものです。
ここでは普通預金の金利が魅力的な銀行をランキング形式で紹介します。
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- 0.31%
- ②「auマネ活金利優遇」適用の場合※2
- 0.51%
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- 「はたらくサイフ」等の口座を選択し条件を満たした場合
■適用条件
各判定期間中に本預金口座にて給与のお受け取りが確認できた場合、判定基準の適用期間における金利は、優遇金利となります。
※各判定期間中に本預金口座にて給与のお受け取りが1度も確認できない場合は、通常の普通預金金利が適用されます。
■判定基準
・判定期間①:口座切替月を含む6ヵ月目(口座切替月+5ヵ月)の末日まで
・判定期間②:➀が経過した翌月1日から3ヵ月目の末日までの3ヵ月間
※以降、3ヵ月毎が判定期間となります。
・判定基準:各判定期間内に1度以上本預金口座にて給与のお受け取りをUI銀行が確認できること
※判定期間①は、期間中に本預金口座に給与のお受け取りがない場合でも優遇金利適用期間となります。
・判定日:各判定期間最終月の末日
・適用期間:各判定日の翌月1日から3ヵ月目の末日までの3ヵ月間
※UIプラスは、本預金口座に切替前の普通預金のステージ(他行振込・ATM出金手数料無料回数)が、次回のステージ判定まで引き継がれます。
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- 表示している金利は、年率かつ税引前の表記です。
- 金利には適用条件がある場合があります。詳しくは各金融機関サイトをご覧ください。
- 最新の情報は各金融機関サイトをご覧ください。
普通預金とその他の預金の違い
次に、普通預金と定期預金、外貨預金との違いを説明しましょう。
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定期預金との違い
定期預金は普通預金と同様に元本が保証され、前述の通り預金保護の対象でもあるため、リスクを避けた資産管理方法として共通しています。預け入れ期間の制限がなく、いつでも自由に預け入れや引き出しが可能な普通預金と違って、定期預金は、1年、3年などと、預け入れ期間(満期)を事前に決めます。そして、原則満期までは引き出すことができません。満期を迎える前に中途解約すると、ペナルティとして中途解約利率(満期まで預け入れる場合の利率よりも低い金利)が適用されます。金利タイプは、固定金利が一般的ですが、なかには変動金利の定期預金もあります。
一般的に、定期預金のほうが、普通預金より金利が高く設定されるため、効率的にお金を増やすことができます。また、預け入れ期間(満期)が長いほど、高い金利が適用される傾向があります。
定期預金は、すぐには使わないお金の貯蓄や、安全確実に、計画的に資金を準備する手段としての活用が適しています。用途例としては、必要な時期や金額が明確な子供の教育資金や自動車の購入資金、レジャー・旅行資金、住宅取得時の自己資金等があります。 -
外貨預金との違い
これまで解説してきた普通預金が、日本円で預け入れや引き出しを行うものであるのに対して、外貨預金は、米ドルやユーロなどの外国通貨で預け入れ、引き出しを行い、利息も外貨で支払われます。日本円で外貨預金をする場合は、日本円を外貨に交換した後に預け入れます。外貨預金を日本円で引き出す場合も、外貨から日本円に交換する必要があります。日本円から外貨、外貨から日本円に交換する際には、金融機関に為替手数料を支払う必要があります。外貨預金にも、円預金と同じように、普通預金や定期預金があります。
外貨預金の魅力のひとつは、日本よりも金利の高い国の外貨預金に預け入れれば、より多くの利息を受け取ることが期待できることです。ただし、日本円と外貨の交換レートが変動する為替変動リスクがあります。預け入れた後に円安になると為替差益を得ることができますが、円高になると為替差損を被ります。また、外貨預金は、日本円建ての預金とは異なり、預金保険制度の対象外となるため、預け入れた金融機関が万が一破綻した場合の保証がありません。外貨預金を利用する際には、為替変動リスクや破綻リスクを理解、把握した上で、慎重に判断することが重要です。
普通預金の利息の計算方法を理解しておこう
普通預金の利息は、どのようにして計算されるのでしょうか。
普通預金の利息は、以下の計算式で日々算出されます。
例えば、金利が年0.2%の普通預金に100万円を預け入れた場合、1日当たりの利息は、100万円×0.002÷365=5.48円となります。普通預金の利息は、一般的に半年ごとに年2回支払われるため、金利と残高が変化しなかった場合、半年間(182日間)の利息計算は次の通りになります。
利息は1円未満を切り捨てるため、997円となります。この利息に対して20.315%の税金が源泉徴収されます。利息977円にかかる税金は、997円×0.20315=202.54円ですので、実際に支払われる税引き後の利息額は、997円−202円=795円になります。
なお、銀行によっては利息の計算方法や支払い頻度等が異なる場合があるため、詳細はそれぞれの金融機関の公式サイトや窓口で確認してください。
普通預金を利用する際に金利以外で注意すべきポイント
金利水準以外で、どの金融機関の普通預金を選ぶかを決める際のポイントをみてみましょう。
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使いやすさと手数料
普通預金は日常生活でのお金の出し入れに活用するのが一般的です。そのため、どの金融機関の普通預金を選ぶかを検討する際には、自宅や職場の近くに利用できるATMが設置されているか、また、インターネットバンキングのサービスが使いやすいかなど、利便性がポイントになります。
ATM手数料等のコストの確認も重要です。金融機関によりますが、預け入れている金融機関のATMが近くにある場合でも、利用する曜日や時間帯等によっては手数料がかかります。コンビニやゆうちょ銀行など、提携するATMを使う場合も手数料がかかります。普通預金は金利水準が低く、資産を増やしにくいだけに、日常のお金の出し入れのたびに手数料がかかると、それだけ預金残高が減ってしまいます。できるだけ手数料等のコストをかけない工夫ができることもポイントになります。
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サービス内容
金融機関はそれぞれ、普通預金に関連したさまざまなサービスを提供しています。例えば、給与受け取りや年金受け取り口座に指定すると、普通預金金利を優遇するサービス、証券口座との連携による金利優遇、また、一定の条件を満たすとATM手数料や振込手数料が無料になるサービス、ポイントプログラムやキャッシュバック特典の提供などがあります。キャッシュカードなしでスマートフォンを使ってコンビニのATMから現金を引き出せるサービスを提供している金融機関もあります。これらのサービスは、普通預金の利用目的や、自分の利用スタイルに合わせて選択するようにしましょう。
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サポート体制・セキュリティ体制の充実度
各種手続きやサービスに関して、不明な点があるときや困ったことが起こったときのサポート体制も大切なポイントです。一般的な問い合わせ窓口は、店舗の他に、公式サイトや電話、メール、チャット、AI自動応答システム(チャットボット)などがあり、それぞれ対応可能な時間帯等が異なります。ネット銀行の場合は、店舗がないだけに、公式サイトや電話、メールなどの対応力が評価のポイントになります。各金融機関の公式サイトを見て、サポート体制の充実度を確認するようにしましょう。
また、近年は、金融犯罪が多発しているため、セキュリティ体制も重要です。預金の不正払い戻し被害防止の取り組みとして、偽造が困難なICキャッシュカードの発行、生体認証が利用できるATMの設置、インターネットバンキングサービスにおいてワンタイムパスワードなどを導入する金融機関が増えています。
普通預金選びは総合的な判断が大切
普通預金は、預け入れ期間(満期)が決まっている定期預金と比べると金利水準は低い傾向があります。また、外貨預金のように為替変動リスクもないため、収益性を期待することもできません。
しかし、金融機関によっては、魅力的な金利を提示して、普通預金口座の獲得を積極的に行っているところもあります。なぜなら、普通預金口座の獲得をきっかけに、定期預金や外貨預金、住宅ローン、クレジットカード、投資信託、生命保険など、他の金融商品の購入などにつなげ、顧客との取引の幅を広げることができるからです。普通預金を選ぶときには、金利水準、出入金や振込の利便性、手数料などのコスト、サポート体制、セキュリティ体制などを総合的に検討するようにしましょう。
なお、1つの金融機関だけに絞る必要はありません。複数の金融機関の普通預金口座を保有する方法もあります。たとえば、給与振込口座、クレジットカードや水道光熱費等の引き落とし口座、家賃の支払いや住宅ローン返済のための口座、緊急予備資金のための口座、投資資金を貯めておく口座など、目的や用途別に専用口座を作れば、資金移動をする手間はかかるものの、家計の管理がしやすくなる場合があります。それぞれの口座について、金利や利便性などを踏まえて選んでもよいでしょう。
お金が貯まるまで我慢せず、ローンで「今」手に入れる選択も
何か大きな買い物をするために銀行の普通預金での貯蓄計画をお考えの場合には、ローンという選択肢も検討してはいかがでしょうか?
ローンは利用した額・期間に応じて利息を支払いますが、必要な時に必要なお金を用立てられるというメリットがあります。お金を惜しんでチャンスを逃さないためにも、計画的な返済を前提としたローンの利用も検討しましょう。
ローンには目的や借り方にあったさまざまな種類の商品があります。自分に必要なローンを知りたいなら、ぜひイー・ローンで自分に合ったローンを探してみましょう。
過去の普通預金の金利動向
- 2025年10月日本銀行は政策金利(短期金利)の据え置きを決定
9月18日・19日に開催された金融政策決定会合で、日本銀行は5回連続で政策金利(短期金利)を据え置きました。
8月の消費者物価指数(前年同月比)は、41ヶ月連続で2%を上回りました。また、4~6月期の実質国内総生産(GDP)は、内閣府が前期比年率を2.2%に上昇修正したことで5四半期連続のプラスとなりました。このような経済環境の中、政策金利を据え置いた理由として、植田日銀総裁は、「特に米国の通商政策の日本経済への影響を巡る不確実性が高いなか、もう少しデータを見たいという局面にある」としています。なお、利上げスタンスは引き続き堅持していますので、私たちも引き続き、普通預金金利に影響を与える政策金利の動向に注目する必要がありそうです。
一方で、9月に米国はFOMC(連邦公開市場委員会)で政策金利を引き下げました。また、欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(英中央銀行)は政策金利の据え置きを決定しました。円と米ドルの関係では、短期金利の差が縮小したことから、本来は円高に進む可能性が高いはずですが、為替相場は、両国の政治、財政、経済情勢等の影響も受け、現時点で円高の進行は見受けられません。外貨預金の利用を検討する場合は、為替相場の短期的な動向だけでなく、中長期的な動向の把握も必要です。
- 2025年10月02日掲載
- 2025年9月8月は金利に影響を及ぼす政策変更はなし!
8月は日本銀行による金融政策決定会合が開催されず、普通預金金利の水準に直接的な影響を与える政策上の出来事はありませんでした。なお、金融政策決定会合は、9月、10月、12月と年内にあと3回予定されています。物価上昇率の高止まりや「賃金には上昇圧力がかかり続ける」という日銀総裁の8月23日の発言等により、政策金利(短期金利)の早期利上げ観測が高まっている中、引き続き動向を注視する必要があります。
普通預金の金利は、各銀行が政策金利を参考にしながらも、独自に決定しています。また、同じ銀行でもキャンペーンとして特別な高金利を期間限定で提示している場合などもあります。昨年来、「金利がある時代」になり、銀行間の預金獲得競争が熱を帯びてきています。私たちが、できるだけ有利な高金利の適用を受けたいなら、気になる銀行の金利を定期的にチェックする習慣をつける必要があります。
円建て定期預金も外貨預金も同様です。各銀行が独自に金利を決めていますので、どの銀行のどの商品が有利なのかをチェックするようにしましょう。
- 2025年09月02日掲載
- 2025年8月日銀は、7月も政策金利を据え置く!
7月30日・31日の金融政策決定会合で、日本銀行は、先月に引き続き、政策金利を0.5%に据え置きました。1月に利上げをしてから半年が経過しました。日銀の基本的なスタンスが“利上げ”であることに変わりませんが、7月23日(日本時間)に日米間で合意された関税政策が、これから本格的に日本の経済に影響を及ぼすとみて、引き続き経済・物価の動向を注視するとしています。
政策金利は、銀行が普通預金の金利を決める際の重要な指標です。“利上げ”が実施されたときに、すぐに有利な選択ができるように、日頃から各銀行の金利等の動向をチェックしておいてはいかがでしょうか。
7月下旬には、欧米でも金融政策決定会合が行われ、欧州中央銀行(ECB)、米国連邦準備制度理事会(FRB)は、いずれも政策金利を据え置きました。
為替レートに影響を与える要素の一つに、日本円と外貨の金利差があります。一般的に高金利通貨は投資家にとって魅力があるため資金が流入し、その通貨の価値が上がりやすくなります。日米欧の中央銀行は、いずれも7月は政策金利を据え置いたため、金利差に変化は生じませんでした。
外貨預金による収益は、金利に基づく利息だけでなく、為替による損益の影響も受けます。為替手数料を考慮しない場合、円高時に円を外貨に換えて預け入れをし、円安時に外貨を円に換えて引き出せば為替差益を得ることができます。外貨預金を検討する際には、金利差に着目した為替レートの動向にも注意を払うようにしましょう。
- 2025年08月04日掲載
- 2025年7月日銀は政策金利を据え置き!
6月16日・17日の金融政策決定会合で、日本銀行は、政策金利を従来の0.5%に据え置くことを決定しました。5月の物価(消費者物価指数・生鮮食品を除く総合)は、前年同月比3%超と、政府・日銀が掲げる物価目標の2%を上回っていますが、トランプ米政権の関税政策等の影響を含め、経済に関する今後の不確実性が高まっていることから、日本銀行は利上げの判断を行いませんでした。
普通預金の金利は、各銀行が独自に決定するものの、政策金利は大きな指標となります。引き続き、日本銀行が決める政策金利の動向に注意を払うようにしましょう。
また、各銀行の普通預金金利やキャンペーンなどは適宜見直されるため、気になる銀行については、定期的にチェックする習慣をつけましょう。
定期預金や外貨預金についても、銀行ごとにさまざまな特典やキャンペーンがあります。比較、検討をするときには、特典やキャンペーンが適用される条件もしっかりと確認したうえで選択するようにしましょう。外貨預金を選択するときは、為替レートにも注意を払う必要があります。なぜなら、外貨預金は、金利による収益だけでなく、為替差益を期待することができるからです。円を外貨に替えて外貨預金に預け入れる場合は、円高時に外貨に替えると収益を得る可能性が高まります。
ちなみに、ドル円相場について、年初は1ドル157円台でしたが、6月末は143円台にまで円高が進みました。一方、ユーロ円相場は、年初は1ユーロ161円台、6月末は169円台とやや円安となり、豪ドル円相場は、年初は1ドル96円台、6月末は94円台とほぼ同じ水準でした。
- 2025年07月03日掲載
- 2025年6月メガバンクの普通預金金利は引き続き年0.2%
メガバンクの6月の普通預金金利は年0.2%となっており、3月に引き上げられて以降、この水準が続いています。
日銀の植田総裁は6月3日の参議院財政金融委員会の答弁において、将来的な利上げ方針は維持するものの、情勢不安定な中での無理な利上げはしない考えを述べました。
2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除する前のメガバンクの普通預金金利は0.001%でした。2024年3月、7月、2025年1月の3度の日本銀行の「利上げ」の影響を受け、足元では0.2%と、実に200倍になっています。
金利の上昇に伴って、銀行間での預金獲得競争が激化しています。特に近年は、小売系、通信系、IT系など、事業会社から参入した銀行や、事業会社と提携した銀行が、相互の顧客基盤を拡大して、独自の「経済圏」を構築するための競争が活発になっています。
私たちにとっては、普通預金の選択肢が増えるため、金融機関ごとの金利や特典などを比較・検討し、自分のライフスタイルや生活習慣に照らし合わせて、できるだけ有利で利便性の高い金融機関を選びましょう。また、1つに絞る必要はありません。目的に応じて、複数の金融機関の普通預金口座を使いこなす方法もあります。
定期預金や外貨預金の金利も、金融機関によって異なります。個性ある魅力的なキャンペーンを実施している場合もあるので、定期的に比較検討してみると良いでしょう。
- 2025年06月04日掲載
- 2025年5月メガバンクの普通預金金利は年0.2%
2025年4月30日・5月1日の金融政策決定会合において、日本銀行は政策金利の据え置きを決めました。1月に利上げをして以降、早期の追加利上げ観測がありましたが、4月に入るとアメリカの関税政策によって世界経済の不確実性が高まり、わが国も経済や物価の先行きが見通しにくくなって、追加の利上げ観測は急速に後退しました。ただ、日本銀行の植田総裁は、会合後の会見で、今後の利上げについて、「経済・物価の見通しが実現していけば、情勢改善に応じて引き続き政策金利を引き上げる」と述べています。
メガバンクの5月の普通預金金利は年0.2%となっており、3月に引き上げられて以降、この水準が続いています。
普通預金口座の獲得は、新規顧客の入口となるだけに、魅力的な高い金利を提示している金融機関もあります。金利やサービス等を比較し、少しでも有利な金融機関への預け替えすることも検討しましょう。
なお、メガバンクの円建ての定期預金の金利水準は、普通預金と同じように、3月以降の水準が継続しています。外貨預金については、特に米ドル建ての外貨預金の金利が高水準を維持しています。背景には、米国のインフレの沈静化が進まないことから、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを見送っていることなどがあります。
- 2025年05月09日掲載
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー。FPオフィス・ワーク・ワークス 代表。
教育出版社勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。「お客様のお金の不安を解消する」をモットーに、1,500件を超える個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を中心に活動。無料メルマガ「生活マネー ミニ講座」を配信中。著作 「自分のお金の育て方」(祥伝社)、「老後に破産する人、しない人」(KADOKAWA中経出版)。
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