第950回

住空間をリフォーム! リフォームする場所の傾向は?

コロナ禍で自宅にいる時間が長くなり、この際これまで気になっていたところをリフォームしようと考えています。併せて在宅勤務に対応した作業スペースや除菌対策も一緒にしようと思っています。リフォームする際に、どんなことに注意したらいいか教えてください(東京都・Nさん)
コロナ禍によって、新しい生活様式という考え方が浸透してきました。リフォームへの関心も高くなっています。リフォームする際は、優先順位を決め予算オーバーにならないようにすることが大事です。国や自治体の補助金・助成金も調べ利用できるものはしっかり活用しましょう。
伊藤 加奈子
伊藤 加奈子

家族と過ごすリビングや衛生面に配慮したリフォーム需要が増えている

総合住宅設備メーカーLIXILの『家族時間の変化と住まいに関する調査』(株式会社LIXIL 調べ)によれば、持ち家のある30代~40代男女の24.2%がコロナ禍で家族時間が増えたと回答しています。コロナの影響で家族のなかで新しい生活習慣や約束事ができ、約9割の人が今後も継続させていく意向を持っています。

暮らしの変化に伴って約4人に1人が今の住まいに満足していないと回答し、家にいる時間を快適にするためにリフォームを検討しておりリフォームしたい場所の1位は、家族団らんのみならずテレワークでも使っているという回答の多かった「リビング」という結果です。

また、住宅設備メーカーのTOTOが2020年12月に行った調査では、家で快適に過ごすためにリフォームしたいとする人が約4割。なかでも水回りのリフォームをしたいと考える人が3割以上を占めています。水回りで欲しい設備として、「自動」「除菌」「節水」に関するものが多く、感染症予防への意識の高まりが伺えます。

リフォーム費用は設備・建材、工事の内容によって大きく異なる

ひとくちにリフォームと言っても、住宅設備を取り換えるだけのものから間取りを変更するなど大掛かりな工事まであります。

テレワーク用の作業スペースを確保するために、リビングの一部を仕切り、仕事スペースにしたというケースはよく見受けられます。ただ、ネット環境を整えたり配線工事が必要になったりと簡単な工事では済まないケースもあります。

帰宅後すぐに手洗いができるようにと玄関に洗面スペースを設ける家庭も増えました。これも単に洗面設備を設置するだけはなく、水道工事、配線工事が必要になってきますので、思いのほかリフォーム費用がかさむことにもなります。

SUUMOリフォーム(株式会社リクルート)の『リフォーム実施者調査』(2019年4月)によれば、キッチンのリフォーム費用(中心費用帯)は50万~100万円、浴室リフォーム費用(同)は100万~150万円。洗面・トイレ(同)はいずれも20万~40万円となっています。

どんな設備・建材を導入するのか、どんな付帯工事が必要になるのか、事前に複数会社の見積もりをとってリフォーム内容・費用を確認することが何よりも大切です。予算次第では無理をせず、優先順位を決めてリフォームしていくといいでしょう。

国や自治体の補助金・助成金を活用し、リフォームローンの利用は最小限に

従来からリフォームに関しては、国や自治体の補助金・助成金の制度があります。ただ、対象となる工事は、「介護・バリアフリー」「エコ・省エネ・断熱」「耐震」といった比較的大掛かりなもので、リフォーム費用が高額になるものがほとんどです。

近年のコロナ禍において、テレワーク推進のための助成金や、感染症対策・予防のためのリフォームに対する助成金制度を設ける自治体が増えています。たとえば、東京都青梅市では玄関手洗いの新設、宅配ボックスの新設、間仕切りや壁の工事、電気や通信の宅内配線工事など、感染予防対策とテレワーク環境整備のための工事に対して、一定の補助金を出しています(自己所有物件、市内在住者は補助率3分の1、限度額50万円。移住予定者は補助率2分の1、限度額100万円)。

リフォームするにあたって、自分の居住地の自治体で該当する補助金・助成金制度がないか調べておくようにしてください。

このようなリフォーム工事は、予定外の出費であるとも考えられます。もしも資金的な余裕がなければ、リフォームローンなどの利用を検討してみましょう。多くの金融機関で取り扱っており、一般的に無担保で1000万円程度まで借りることができます。住宅ローンよりも金利がやや高めに設定される傾向にありますが、金融機関との取引内容によっては、金利が優遇されるケースがあります。

リフォームローンを検討するときは、複数の金融機関で比較検討し、返済に無理のない借り入れを行うようにしてください。特に住宅ローンの返済が終わっていない場合は、毎月の返済負担が増えることになりますので、借り過ぎには十分注意して計画を立てるようにしましょう。

【参考リンク】

担当:伊藤 加奈子 (執筆:2021年11月09日)