第1149回NEW

我が家には太陽光パネルを設置できる? NGな例を確認しておこう

築10年の戸建て住宅に住んでいます。高騰する光熱費を節約したいと、家族に「我が家でも太陽光発電を」と話したら、「日当たりがあまりよくないけど、大丈夫?」と言われました。太陽光発電に向かない家などありますか?(会社員 40代)
太陽光発電に向いていないのは、北向きだったり、高い建物の陰になっていたりして太陽光パネルに太陽光が当たりにくい家や、設備の設置について問題がある場合などです。「日当たりが悪い」のであれば、期待した発電量が得られないかもしれません。
屋根に設置された太陽光発電用ソーラーパネル

太陽光発電に向くのは、太陽光を活かせる家

電気代を節約できて、緊急時には非常用電源として活用でき、地球にもやさしい「太陽光発電」。しかし、「電気代を節約するつもりで発電設備を設置したのに、発電量が少なくて節約にならなかった」という場合もあるようです。ご自宅が、太陽光発電に向いているかどうかを、チェックしてみましょう。

効率よく太陽光発電ができるのは、屋根に設置した太陽光パネルに、しっかり長時間太陽光が注ぐ場合です。太陽光パネルの数が多ければ、発電量も多くなります。

したがって、日照時間が長い地域にあり、日当たりのよい南向きの屋根に多くの太陽光パネルを設置できる、といった条件を満たす家は太陽光発電に向いていると言えるでしょう。

日当たりの悪い家、古い家などは、太陽光発電に向かない

一方、設置した太陽光パネルに太陽光が注ぐ時間が短い場合には、発電量は少なくなります。海に近い地域なら潮風による設備の劣化への対策、雪の多い地域なら積雪対策を考慮して、太陽光発電設備を設置する必要があるでしょう。

また築年数の経った住宅には、太陽光発電設備を設置することができない場合もあります。

表1 太陽光発電に向かない家の要素
建物 屋根 ・北向きは日の当たる時間が短いので太陽光発電に向かない
・屋根の面積が狭いと、多くの太陽光パネルを設置できないので、発電量が少なくなる
築年数 ・太陽光パネルを支える屋根が老朽化していると、パネルの重さに耐えきれずにゆがんだり、雨漏りの原因になったりするため、太陽光パネルを設置できない場合がある
・業者やプランによって異なるが、設置する住宅について築年数の制限(20年、40年等)や建築年の制限(2000年以降等)を設けている場合もある
立地・地域 日影 ・近隣の建物や電柱、樹木などが太陽光を遮ると、発電量は少なくなる
日照時間 ・日照時間が短い地域では、日照時間が多い地域よりも発電量は少なくなる
・ただし、高温になりすぎると発電効率は落ちるため、日照時間が長くても暑すぎる地域は太陽光発電に向かない
積雪 ・積雪が太陽光パネルを覆っていると太陽光が当たらず、発電できない
海が近い ・潮風の塩分により設備が劣化し、発電効率が下がる可能性がある

太陽光発電設備設置には、リフォームローンが利用可能

「我が家は太陽光発電に向いていそうだ、やってみよう」となったら、太陽光発電設備の設置業者を探し、見積もりをもらって比較して、と太陽光発電設備導入に向けて進んでいくことになりますね。

資金計画も大切です。太陽光発電設備導入に関して、補助金制度を設けている自治体も多いので、HP等で早めに確認しておかれるといいでしょう。

リフォームローンには、太陽光発電設備導入に利用できるものもあり、さらに、資金使途が太陽光発電設備導入などであれば、優遇金利が適用されるローンもあります。ローン利用を考えているなら、有利に利用できるリフォームローンを探しておくとよいでしょう。

【参考リンク】

私が書きました

大林 香世 の写真

大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2025年09月22日