第1141回NEW
自宅の外壁リフォームをやるべきタイミングは?劣化のサインを覚えよう
- 自宅を新築して11年目になりました。そろそろ外壁リフォームが必要になるタイミングかと思いますが、100万円以上かかると聞くので、できるだけ持たせたいと思っています。何か目安はあるものでしょうか。(会社員、38歳・千葉県在住)
- 外壁リフォームは、一般的には10年毎と言われていますが、外壁の種類によっても異なるようです。また、こんな症状が出たら劣化のサインとされる症状についても整理しましたので、参考になさってください。

外壁リフォームのタイミングは10年ごとが理想
外壁リフォームは、単なる見た目をよくするものではありません。紫外線や雨風から家を守ってくれている外壁が劣化すると、防水性や断熱性が低下し、建物内部の構造材にまでダメージが及ぶこともあります。そのため、外壁の劣化を放置することは、家全体の老朽化を早め、将来的により大掛かりなリフォームが必要になる可能性があります。
外壁リフォームは、一般的には10年毎と言われていますが、外壁の種類によっても異なるようです。窯業系、金属系、樹脂系のサイディングでは、10年超が可能な場合もあるようです。ただし、立地や気候、工法や素材などによっても劣化が進むスピードは異なります。そのため、年数だけで判断せず、実際の状態を見極めることも大切です。
外壁劣化のサインとは?
リフォーム会社のサイトなどを参考に調べてみたところ、以下のような症状が見られたら、リフォームの検討時期と言えそうです。自分の目で確認できますので、相談者さんもぜひチェックしてみてください。特に、晴れた日に家の外を一周して観察してみるといいでしょう。
チョーキング現象
外壁を乾いた手でこすって、白い粉のようなものが手につく場合、それは塗膜が劣化しているサインです。塗料に含まれる顔料が分解・粉化している状態で、防水性が低下しており、放置すると壁材に水分が浸透しやすくなります。
ひび割れ(クラック)
外壁の表面に細かいヒビが入っていませんか?幅1mm以上のヒビや、斜め・縦に走る深そうなヒビは特に注意が必要です。ヒビに沿って雨水が流れると、壁の内部に水が侵入しやすくなり、建物の寿命を縮めます。
塗装のはがれ・色あせ
外壁の色が以前より薄くなっていたり、部分的に塗装がはがれて下地が見えていたりする場合は、明らかな塗膜劣化です。色あせは紫外線の影響による経年劣化で、防水機能が落ちている証拠ともいえます。
コーキングの劣化
外壁の継ぎ目や窓まわりに使われている充填材「コーキング」も、時間とともに硬化し、ひび割れたり剥がれたりしてきます。ここから雨水が入り込み、壁内の木材や断熱材にダメージを与えることがあります。
カビ・苔・藻の発生
湿気がたまりやすい場所に発生しがちで、外壁の防水性が低下しているサインです。特に日当たりの悪い北側などで見られます。
サビや金属部の腐食
ベランダの手すりや金具など、金属が使われている部分がサビている場合も注意が必要です。そこから雨水が伝って外壁に悪影響を及ぼすケースがあります。鉄部のサビは見た目以上に影響があるので、早めの対処を。
外壁劣化のチェックを自分で行うのは自信がないという場合、5年に1度など、専門業者による定期点検を受ける方法もあります。
問題に気づいたら早めの対処を
外壁劣化のサインに気付いても、「まだ大丈夫」などと思っているうちに、内部構造にまでダメージが進んでしまう可能性もあります。そうなると、リフォーム費がかさむことにもつながります。「気づいたら早めに対処」が、家だけでなく家計も守るコツといえそうです。
外壁リフォームの費用は、使用する塗料や工法、足場の有無などで異なります。100万~150万円かかるとされています。屋根塗装も同時に行うと、200万円を超えるケースも少なくありません。
こうした外壁リフォームの費用として、毎月一定額を積み立てておくことが理想ですが、すでに劣化が見つかった場合は待ったなしです。そんなときはリフォームローンの活用も視野に入れるといいでしょう。住宅ローンを返済中に、さらにリフォームローンを借りるという方は、「無理のない返済計画」をたてることが大前提です。
私が書きました

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。
20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。
※執筆日:2025年07月29日
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