第849回

住宅ローン返済中に不動産担保ローンを申し込む場合の注意点は?

住宅ローンはまだ残っているのですが、マイホームを担保にして不動産担保ローンを利用することはできますか?(47歳 会社員)
条件が合えば借りられる場合もあります。条件は金融機関ごとに異なりますし、抵当権の種類によっては利用できない場合もあります。
宮野 真弓
宮野 真弓

不動産担保ローンとは

不動産担保ローンは、自宅などの不動産を担保として借り入れができて、個人向けの場合は資金使途が原則自由なローンのことです。 不動産を担保とするため、無担保ローンと比べて比較的低金利で、返済期間も長めです。 担保価値によっては高額な借り入れも可能ですが、借入可能額は不動産評価額の6~8割程度と金融機関によって異なります。

不動産担保ローンを利用する場合、不動産の担保価値の査定料や事務手数料、登記費用などの諸費用がかかり、無担保ローンと比べると審査にも時間がかかる点には注意が必要です。 また、不動産担保ローンの返済ができなくなった場合には、担保に差し入れた不動産を失うことになります。

抵当権とは

「住宅ローン返済中に不動産担保ローンを利用できるかどうか」にお答えする上で重要なキーワードが「抵当権」です。

抵当権とは、債務者がローンを返済しきれなくなった場合に、担保として差し入れられたものを売却し、貸していたお金を優先的に回収できる権利のことをいいます。 金融機関は融資をする際に担保とする不動産に抵当権設定登記をします。ローン等の返済が完了すれば抵当権抹消登記を行います。

抵当権はひとつの不動産に対して複数設定することができますが、登記した順番により順位が決まります。 抵当権の順位とは債権を回収する優先順位のことです。 万一ローンの返済ができなくなった場合は、担保不動産を売却した代金で第一順位の抵当権者から優先的に回収することができます。 そのため、第一順位の抵当権であることを融資の条件とする金融機関もあります。

もうひとつ、抵当権の種類として「根抵当権」というものもあります。 前述の抵当権(普通抵当権)は、1回の借り入れに対するもので、返済が進んでも追加の借り入れはできません。 またローンを完済すれば抵当権を抹消することができます。 一方、根抵当権では、契約時に設定した上限額の範囲内で何度もお金を借りたり返したりできます。 根抵当権は事業用ローンなどで設定することが多いですが、一部の住宅ローンで設定されることがあります。

住宅ローン返済中に不動産担保ローンを利用できるかどうか

「住宅ローン返済中に不動産担保ローンを利用できるかどうか」の答えは、「条件が合えば借りられることもある」です。ではその条件とは?

・担保価値に余力があること
まず、担保価値に余力があることが大前提です。 担保の評価額から第一順位の抵当権である住宅ローンの残高を差し引いても担保価値が残る状態でなければ、そもそも借り入れはできません。
・第一順位の抵当権でなくても融資可能な商品であること
住宅ローン返済中のマイホームを担保に融資をするということは、抵当権が第二順位以下であることを意味しています。 第一順位の抵当権であることを融資の条件にしている商品もありますので、確認しておきましょう。

ただし、これらを満たせば必ず借りられるというわけではありません。 現在返済中の住宅ローンでついた抵当権が根抵当権の場合は不動産担保ローンを利用できない場合もあります。 また、担保となる不動産の条件だけでなく、借り入れる側のこれまでの返済状況、返済能力や年齢などの条件により審査を通らない場合もあります。

借入額や融資条件は金融機関により異なりますので、条件をよく確認し、利用できる不動産担保ローンの中からより使いやすいものを探すといいでしょう。 また、当然のことですが、住宅ローン返済中に新たに借り入れをするということは、住宅ローンに加えて返済をしていかなければならないということです。 しっかりと返済計画を立てた上で借り入れを検討してください。

【参考リンク】

担当:宮野 真弓 (執筆:2019年11月18日)