第1177回NEW

会社員がローンを利用して不動産投資。メリットと注意点は?

友人がローンを利用して不動産投資をしていると聞き、興味を持ちました。メリットや注意点を教えてください。(会社員 30代 男性)
長期間の家賃収入が期待できるのが不動産投資です。会社員が不動産投資をする場合、安定した給与収入があるのでローンが組みやすく、節税効果も期待できる、といったメリットもあります。
マンションの模型を持つ会社員

不動産投資とは

不動産投資とは、購入した不動産(土地や建物)を貸して入居者から家賃収入を得たり、その不動産を売却して売却益を得たりする投資のことを言います。

入居者がいる限り家賃収入が得られ、ローン返済には家賃収入を充てれば、給与収入や手元の預金などを減らすことなく、物件を手に入れることができます。さらに、その物件の価値が上がれば、売却して大きな利益を得られる場合もあるでしょう。

ただし、家賃収入は入居者がいなければ得られませんし、家賃収入が得られない期間もローンの返済は必要で、費用や税金もかかります。安易な不動産投資は、資産を減らすことにつながる場合もあります。

不動産投資のメリットと、その注意点を確認しておきましょう。

ローンを利用した会社員の不動産投資

自己資金が十分でなくても、ローンを利用すれば、高額な不動産物件を購入することが可能になります。安定収入のある会社員は信用度が高いので、不動産投資にローンを利用する場合には有利に働きます。

不動産投資には、不動産投資専用に購入する物件を担保とする不動産投資ローン(アパートローン)を利用するのが一般的です。

保有不動産を担保に資金を借りる不動産担保ローンにも、不動産投資に利用できるものもあります。「投資物件購入には利用不可」という商品もあるので、商品詳細の「資金使途」の欄を確認して選ばれるとよいでしょう。

損益通算で節税も

税制上のメリットもあります。家賃収入から必要経費を差し引いた「不動産所得」が赤字の場合は、その他の所得と「損益通算」できます。損益通算とは、複数の種類の所得がある場合に、赤字(損失)を黒字(利益)から差し引くことができる制度です。

例えば、その年の不動産所得が100万円の赤字で、給与所得が500万円だったとします。損益通算を行うと課税対象は「500万円-100万円=400万円」となり、所得税や住民税の負担を減らすことができます。

「節税できるといっても、不動産投資が赤字じゃあ…」と思われるかもしれませんが、不動産所得の場合は実質黒字でも節税できる場合があります。不動産所得は、減価償却費※の計上によって税務上は赤字、実質的には黒字、という場合があるからです。その年に給与所得と損益通算できれば、実質的には赤字ではないのに節税できる、ということになります。

※減価償却費…不動産所得を計算する際の必要経費とみなされるもの。建物などの固定資産の取得費用を耐用年数に応じて分割し、毎年の経費として計上する会計上の費用。実際に現金の支出を伴う費用ではありません。

不動産投資の注意点

家賃による長期の安定収入が魅力の不動産投資ですが、会社員の方が行う場合の注意点を考えてみましょう。

勤め先の規定に抵触しないか

会社員の方が不動産投資を考えるなら、不動産投資をすることが勤め先の会社の規定に抵触しないかを確認しておきましょう。会社によって規定は異なり、副業とみなされて規制される場合もあります。

入居者に選ばれる物件か

入居者がいなければ家賃収入は得られません。空室リスクを避けるため、入居者に選ばれる条件を考えて、物件を探す必要があります。立地、交通や生活の便、建物のつくり、新築か中古か、等さまざまな観点からの検討が必要でしょう。

なお、一般的には、中古よりも新築物件のほうが人気があり高い家賃収入を得られますが、物件価格は中古よりも高くなります。割安な中古物件は購入しやすいですが、古くなるほど不具合が起きて修繕費用がかさむ可能性が高くなります。

購入時、保有時の費用も含めた計画を

物件の購入時に仲介手数料、登記費用、不動産取得税などがかかります。

物件保有時には管理費や修繕積立金、固定資産税などを定期的に払う必要があり、これは、家賃収入の有無に関わらず、必要となる経費です。

これらの費用の合計以上の家賃収入が得られないと、不動産投資をしても利益が出ません。慎重に費用も試算して計画に盛り込みましょう。

計画的に不動産投資を行えば、長期の安定収入が期待できます。しかし、どんな物件でも、どんな状況でも安定収入が得られるわけではありません。

まずは不動産投資の知識や情報を集めることからはじめ、メリットだけでなく、費用やリスク、ローンの利用方法なども理解した上で、投資計画を立てられてはいかがでしょうか。

私が書きました

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大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2026年04月10日