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ショッピングローンとは?審査基準や落ちる理由、メリット・デメリットを解説

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この記事のポイント
  • ショッピングローンは特定の商品やサービスの購入時に使える分割払いのサービス
  • 利用の際はメリット・デメリットを十分に把握したうえで利用する
  • 収入が低いまたは不安定、信用情報に問題がある場合は審査落ちの原因になる
ショッピングカートに3つの箱が入った画像

「ショッピングローン」って、クレジットカードやカードローンのことでしょ? 今回のタイトルを見て、こんな風に思った人は少なくないのではないでしょうか。しかし、それは勘違い。ショッピングローンとは商品の購入代金を信販会社などが立て替え払いをし、購入者は分割で返済していくサービスのことです。
この記事では、ショッピングローンの概要やメリット・デメリット、審査基準や審査に落ちる原因などについて解説します。

ショッピングローンとは

ショッピングローンは、商品やサービスを購入する際に利用できる個人向けの融資サービスです。家電製品、家具など高額な商品を購入する際に利用するのが一般的です。商品購入時に代金を信販会社が立て替え、購入者は後日分割で返済するという仕組みです。ただし、利用時には信販会社による審査があり、また、利用できる店舗や商品が限られています。

カードローンやクレジットカードとはどこが違う?

ここでは、ショッピングローンとカードローン、クレジットカードとの違いについて解説します。

カードローンとの違い

ショッピングローンとカードローンとの大きな違いは、資金の使い道と借り入れの自由度です。

カードローンは、契約した利用限度額の範囲内であれば、必要な時に何度でもATMや振込で現金を借り入れることができます。原則として用途は自由であり、買い物だけでなく生活費やレジャーなど多目的に利用可能です。ショッピングローンは特定の商品の購入に限られ、他の目的には使えません。

返済についても違いがあります。カードローンは提携ATM、振込などの多様な方法かつ任意のタイミングで追加返済が可能です。毎月の返済額以上の金額を返済することで返済期間を短縮し、支払う利息や手数料の総額を抑えることもできます。一方、ショッピングローンは、毎月の返済金額が決まっており、全額一括返済する場合は、都度、信販会社へ連絡が必要になります。

クレジットカードとの違い

クレジットカードを手に入れるためには審査が必要です。審査に通ればカードが発行され、幅広いジャンル、膨大な数のカードブランド加盟店で自由に繰り返し利用できます。また、分割払いを利用する際も、購入時に回数を指定するだけで新たな審査は基本的に不要です。

一方、ショッピングローンは特定の店舗、商品でしか利用できず、新たな商品を購入する都度審査・契約が必要です。

ショッピングローンのメリット

笑顔のブロックを指でつまんでいる画像

高額な買い物を検討する際、ショッピングローンは非常に有効な手段となり得ます。他の支払い方法にはない、ショッピングローンならではのメリットを理解することで、より賢い買い物の計画を立てられるでしょう。ここではショッピングローンの主なメリットを4つの観点から解説します。

手元資金が少なくても購入できる

ショッピングローンのメリットのひとつが、手元にまとまった現金がなくても高額な商品を購入できる点です。最新の家電や高級家具といった高額の商品でも、ショッピングローンを利用すれば信販会社が代金を立て替えます。購入者はその金額を分割で返済できるわけです。

計画的な返済がしやすい

毎月の返済額が契約時に確定するため、計画的な返済をしやすい点もメリットです。例えば10万円の商品を金利7.9%、36回払いで購入した場合、毎月約3,000円ずつ支払うことが最初から分かっているので、月々の家計予算に組み込みやすくなるわけです。また、毎月の返済額が一定なので、収入と支出のバランスを保ちながら無理のない範囲で返済を続けやすくなります。

審査が比較的早い

申込みから結果が出るまでの審査スピードが比較的早いことも魅力の一つです。多くの信販会社では、申込みから審査完了までの時間を短縮するために審査システムの自動化が進んでいます。基本的な信用情報の確認や年収との照合などがスピーディーに処理されます。

特にオンラインでの申込みの場合、必要事項を入力して送信するだけで、最短数分で審査結果が通知されることも珍しくありません。

ただし、審査のスピードは信販会社や申し込みの時間帯、申請内容の正確性などによって異なる点に注意が必要です。

分割手数料がかからないことがある

ショッピングローンを利用する際、特定の条件下で分割手数料がかからないことがあります。販売店がキャンペーンとして手数料を負担することがあるからです。そうした時には、利用者が追加負担なしで分割払いを利用できます。

ただしキャンペーンには期間限定や対象商品の限定、最低購入金額の設定などの条件があることが多いため、利用前にはキャンペーンの詳細を確認することが大切です。

ショッピングローンのデメリット

不満顔のブロックを指でつまんでいる画像

ショッピングローンには多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。ここでは、利用前に知っておくべき主なデメリットを解説します。

利用するたびに審査が必要

ショッピングローンのデメリットは、利用するたびに審査が必要なことでしょう。ショッピングローンは、購入する商品やサービスごとに新たな契約が発生する仕組みなので、都度、信用情報や収入状況などの確認が求められます。

そのため、過去に同じ信販会社を利用した経験があっても、毎回新たな審査手続きを行わなければなりません。審査の結果によってはローンの利用が認められないケースもあり、計画していた購入ができなくなる可能性もあります。

利用できる店舗や商品が限られる

利用できる場所や対象商品が限定されている点もデメリットです。ショッピングローンは特定の販売店と信販会社との提携によって提供される仕組み。そのため、すべての店舗や商品で利用できるわけではありません。商品については家具や家電、貴金属などの比較的高額な商品を対象としている場合が多く、日用品や食品などの低価格商品には適用されないことが一般的です。

利用できる店舗は信販会社と提携している販売店に限られるため、希望する商品があっても、その店舗がショッピングローンに対応していなければ利用できません。さらに、ショッピングローンには最低購入金額が設定されている場合があるため、すべての商品で利用できるとは限りません。

返済額変更の柔軟性が低い

ショッピングローンでは、契約時に設定された分割回数や月々の返済額を途中で変更することは基本的にできません。収入が増えた際に返済額を増やしたり、臨時の支出が発生した際に返済額を減らしたりといった計画変更は難しいのです。なお、契約者の申出により残高一括返済は可能ですが、事前の手続きや連絡が必要です。

ショッピングローンの申し込みから契約までの流れ

オンライン購入によるショッピングローンの申し込みから契約までの一般的な流れは次のとおり。手続きは比較的シンプルなので、初めての方でもスムーズに進められます。

  1. 商品を選び、カートに入れる
  2. 支払い方法で「ショッピングローン」を選択する
  3. 必要事項(氏名、住所、勤務先、年収など)を入力する
  4. 信販会社による審査を受ける
  5. 審査結果の通知を受け取る
  6. 審査通過後、商品が発送される
  7. 契約内容に基づき、毎月の返済を開始する

まず、購入したい商品を選び、支払い方法の選択画面で「ショッピングローン」を選びます。提携信販会社の申込みフォームへ移動し、画面の指示に従って氏名、住所、勤務先、年収などの必要事項を正確に入力し、送信します。この情報をもとに信販会社による審査が行われ、完了するとメールなどで結果が通知されます。

無事に審査を通過すれば契約成立となり、店舗から商品が発送されます。その後、契約内容に基づき、指定口座からの引き落としによる毎月の返済が開始されます。

ショッピングローンの返済方法は?

ショッピングローンの返済は、毎月一定額を支払う「分割払い」が基本です。契約時に返済回数を決めて、購入金額に利息を加えた総額を分割した金額を毎月支払います。返済方法は口座からの自動引き落としが一般的です。一括返済を希望する場合は、契約者本人が信販会社に連絡し、所定の手続きを行う必要があります。

ショッピングローンの審査基準

ショッピングローンの審査では申込者が返済能力を有しているかどうかが判断されます。ここでは、ショッピングローンの審査基準について解説します。

属性情報

属性情報とは、個人の経済的・社会的な背景を示す情報を指します。属性情報には、年収、勤続先・勤続年数・雇用形態、年齢、居住形態・居住年数、家族構成などがあります。信販会社はこれらの情報を含めてスコアリングシステムで点数化し、申込者の信用度を客観的に判定します。

信用情報

信用情報とは、クレジットカードやローンの契約内容、支払い状況、残高、延滞の有無など、金融取引に関する客観的な事実を記録した情報のことです。信販会社は、申込者の信用情報を参照し、過去の返済履歴や現在の借入状況を確認することで、返済能力を総合的に判断します。信用情報に延滞や債務整理などの記録がある場合、審査に不利となる可能性があります。

既に多くの借入がある場合も、新たなローンの返済能力が疑問視され、審査に影響を与えることがあります。自身の信用情報は、指定信用情報機関を通じて確認することができ、また、インターネットや郵送での開示請求も可能です。

ショッピングローンの審査に通らない原因

審査基準を踏まえ、なぜ審査に落ちてしまうのか、その具体的な原因を解説します。もし審査に通らなかった場合、これから説明するいずれかの点に該当している可能性があります。

収入が低いまたは不安定

信販会社は申込者の返済能力を重視しており、収入の額のほか、その安定性や継続性も重要な評価ポイントとなります。だから雇用形態が非正規雇用であったり、収入が月ごとに大きく変動したりする場合、安定した返済が難しいと判断されることもあります。勤続年数が短い場合や、転職直後で職歴が浅い場合も、収入の継続性に疑問が持たれ、審査に不利に働く可能性があります。また、収入が一定以上あっても、希望するローンの金額が年収に対して高すぎる場合、返済負担が大きいと見なされ審査に通らないこともあります。

信用情報に問題がある

クレジットカードやローンの返済が現在進行形で遅れている場合、あるいは滞納した履歴がある場合、審査落ちの原因になります。債務整理や自己破産、個人再生などの法的手続きを行った履歴も同様に審査落の原因となります。既存の借り入れが多すぎる場合も審査通過は困難な場合があります。

まとめ

ショッピングローンは、高額な商品の購入代金を信販会社が立て替え、購入者が分割で返済する融資サービスです。カードローンやクレジットカードと異なり、特定の商品購入時にのみ利用でき、購入ごとに審査が必要ですが、手元資金が少なくても購入可能で、返済計画が立てやすく、審査が比較的早いなどのメリットがあります。

なお、用途や返済方法によっては、クレジットカードの分割払いやカードローンの利用を含めて、複数の選択肢を比較検討するのがいいでしょう。

カードローンの利用についてもっと知りたい方は、ぜひこちらのページもご覧ください。

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ライター紹介

手塚 裕之 の写真

手塚 裕之 (てづか・ひろゆき)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

都内ゲーム会社に12年勤務後、2018年12月にフリーライターとして独立。個人事業主としての開業を機に、金融・年金・不動産などのFP領域への関心を深める。毎年iDeCoと小規模企業共済の掛金を増額中。好きなものはふるさと納税。

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