第37回
掲載:/更新:ブライダルローンの審査とは?メリット・注意点や審査のポイントについて紹介
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この記事のポイント
- 事前に結婚費用の相場とブライダルローンの相場を確認しよう
- ブライダルローンの審査や必要書類を事前に確認しよう
- 審査に通らなかったときはカードローンなど他の方法を検討しよう

新しい人生のスタートともいえる結婚式。できれば一生の思い出になるような素敵な結婚式を挙げたいものです。しかし、こだわれば費用もそれなりに膨らんでいきます。予算オーバーで、いくつかのプランを諦めざるを得ないといったケースもあるでしょう。諦めきれない場合は、ローンで費用を賄うという手もあります。
今回はブライダルローンのメリットおよび注意点、審査のポイントや審査落ちした際の対処方法について紹介します。
ブライダルローンについて

最初にブライダルローンの特徴を解説し、結婚式の費用やブライダルローンの相場も紹介します。
ブライダルローンとは
ブライダルローンは、お金の使い道を結婚資金に限定する「目的別ローン」の一つです。対象は挙式・披露宴、結婚指輪、新婚旅行など、結婚式前後に発生する支出です。また、一部のブライダルローンは新居への入居費や家具・家電の購入費用にも利用できます。
結婚が決まると、2人の貯蓄額・ご祝儀の予想・親族の援助を合わせた予算で結婚式のプランを検討していくことになりますが、自分たちはもとよりさまざまな人の意見を反映していくうちに、予算オーバーになってしてしまうことも少なくありません。
そんなときにまとまったお金の借り入れの方法として検討したいのが「ブライダルローン」です。まとまった資金がなくてもブライダルローンを利用すればお金を準備できます。借入金額を毎月の収入で無理なく返済できる範囲に設定しておけば結婚生活も安心です。
ブライダルローンの相場
結婚式の費用の相場とブライダルローンの相場を見ていきましょう。
結婚式の費用の相場
経済産業省の調べ(結婚式場業務による年間2,292億5,300万円/年間取扱件数6万3,190件より算出)によると、2024年における結婚式の費用の平均は約363万円でした。
結婚に関する費用は、挙式や披露宴だけではありません。新婚旅行やお土産代、結婚指輪購入費用、さらに婚約指輪や結納など、婚約時からの費用も考えると、結婚費用は上記相場に150万円程度は多めに見ておくのが無難です。
ブライダルローンの相場
結婚式の費用のうち、ご祝儀で賄えるのは、一般に6割程度だといわれています。賄えない分は、自己資金で対応しなければなりません。
結婚式の費用の平均は363万円なので、145万円程度は不足する計算になります。もし自己資金で賄うのが難しいようでしたら、ブライダルローンの活用も選択肢の一つとして考えられるでしょう。
金融機関にもよりますが、ブライダルローンでは最大500万円程度まで借り入れが可能です。
ブライダルローンのメリット
ブライダルローンは、専用ローンならではの特徴をもっています。上手に使えば理想の結婚式を実現する手助けになります。
理想の結婚式を挙げられる
理想の結婚式を追い求めた結果、当初の予算をオーバーしてしまうことは少なくありません。手元の資金でのカバーが難しいようなら、いくつかのプランを諦めざるをえません。
しかし、足りない部分にブライダルローンを利用すれば、理想の結婚式に近づけることができます。
結婚式費用の前払いができる
式場によっては、結婚式の費用は前払いというところもあります。平均で300万円以上もする結婚式の費用を手元資金だけで用意するのは簡単なことではありません。
そんな時は、ブライダルローンを利用して前払いに対応し、結婚式後にご祝儀で返済するといった方法もあります。
借入金額を自分で設定できる
式場やホテルによって支払いのタイミング・方法がそれぞれ異なりますが、支払いのタイミングは式場の打ち合わせ時に必ずチェックしておきたいポイントです。
費用には事前に払うもの・当日に払うもの・後で払うものがあります。後払いの分はご祝儀を支払いに充てることも可能ですが、他は事前の準備が必要です。式場を決めた際の契約内金、結婚指輪、衣装の予約金、引き出物や引菓子、招待状など結婚式に用意すべきものは多くあります。前払い分、当日払い分、後払い分をリスト化し予算を把握しておきましょう。
ブライダルローンにかぎりませんが、目的別ローンを利用すると、必要となる金額を自分で調整できることがメリットです。前払いの費用は、事前にローンで借りられるように準備しておくと安心でしょう。後で払う費用は、ご祝儀で賄うこともできます。支払うタイミングごとに、「必要となる金額」「不足する金額」を事前に計算し、必要以上に借り入れをしないよう、あらかじめ借入金額を調整することが大切です。
借り過ぎを防げる
ブライダルローンは借入資金の用途が限定されるローンです。申込時には結婚式の見積書や請求書の提出が求められるため、結婚関連費用に必要な金額しか借りられません。
新居への転居費用や家具の買い替えに対応しているローンであっても、同様に借入金額の根拠となる資料を提出する必要があるため、借り過ぎてしまう恐れはほとんどありません。
貯金を残して結婚式を挙げられる
結婚式の費用を自己資金で支払えるだけの貯金があるとしても、貯金を全て使えば手元にお金が残らない状態になり、急な出費や入院など、予想外のトラブルに対応できなくなります。
ブライダルローンを利用すれば、利息を支払う必要はあるものの、手元に貯金を残したままで結婚式を挙げることができます。
ブライダルローンはやめたほうがいい? 押さえておきたい注意点
ブライダルローンは便利なローンである一方、使い方には注意が必要です。ローンの特徴を十分に理解したうえで賢く便利に利用しましょう。
使途が限定されている
ブライダルローンは、その名の通り結婚に関する費用にしか利用できません。結婚披露宴に関する資金は問題ありませんが、新婚旅行の費用やお土産代、結納資金など目的によっては利用できるかどうかは金融機関によって異なる場合があるので、事前に確認する必要があります。
融資までに時間がかかる
借り入れまでに時間がかかることがあるので、余裕を持った申込みが必要です。事前申込みを行い、金融機関の承諾が得られたら必要書類を準備して、正式な契約をしてから借り入れを行うという流れになります。必要書類の準備を考えると借り入れまでに1週間~2週間かかかることもあるため、時間的余裕も考慮しましょう。
所得が不安定な場合には審査が通りにくい
融資には必ず審査が必要になるため、必ずしも借り入れができるとはかぎりません。「収入状況」「勤務先」「勤続年数」などにより安定した収入がないと判断されると、審査に通らないこともあります。その場合には、ほかの借り入れ方法を検討しなければなりません。
ブライダルローンの審査について
ブライダルローンの一般的な審査の流れや必要書類について見てみましょう。審査で重視されるポイントについても解説します。
審査の流れ
ブライダルローンの申込みの流れは、いたって簡単です。店頭での申込みや郵送での申込みもありますが、今はパソコンやスマートフォンによる申込みが主流です。自分のライフスタイルに合った申込みができる金融機関を選びましょう。
仮審査申込み
現在は、インターネットによる申込みが可能な金融機関がほとんどです。来店不要で契約まで完結する金融機関も多く、スマートフォンやパソコンから気軽に申込み可能です。ホームページの申込みサイトから入り、説明に従い申込み情報や勤務先情報を入力していきます。取引がない金融機関で申込む場合には、いつまでに返済口座の開設手続きが必要かを確認しておきましょう。
仮審査
各金融機関、独自の審査基準に従って審査を行います。
仮審査の結果
「メール」「電話」「郵送」など仮申込み時に希望した回答方法で仮審査結果の連絡があります。審査には1営業日~3営業日程度かかるのが一般的です。
必要書類の用意
仮審査の承諾の連絡があったら、必要書類を準備します。Web申込みなら必要書類をデジタルカメラやスマートフォンで撮影し、その画像データをアップロードすることにより提出が可能です。
本審査
各金融機関、独自の審査基準に従って審査を行いますが、仮審査が承認されても本審査に通らないことがあります。
借り入れ
契約手続きが終われば、借入金が口座に振り込まれます。
必要書類
必要書類は漏れがないよう申込む金融機関に確認しましょう。
- 運転免許証やパスポートなど本人確認書類
- 健康保険証など勤務先の勤続年数を確認できるもの
- 所得証明書類(源泉徴収票・住民税決定通知書・確定申告書など)
- 見積書や契約書など結婚資金が確認できる書類
- 銀行印
審査で重視されるポイント(審査基準)
ローンの審査で重要視されるポイントがあります。事前に審査基準を押さえておきましょう。
安定した収入があるか
収入の安定性は、審査するうえで最も重要なポイントの一つです。パートやアルバイトというように収入が不安定な場合は、取り扱い自体不可とする金融機関もあります。安定した収入があるということは、毎月の返済を確実に行えるという目安になるのです。
借り入れ状況
ブライダルローンにかぎらず、他社の借入件数や借入総額が多ければ、返済能力という点で審査は不利になることがあります。
信用情報
金融機関は、ローンの申込み情報や契約内容、支払状況を個人信用情報機関(CIC,JICC,KSCなど)に登録をします。この信用情報機関に信用照会を行い審査するため、ほかに借り入れがあることをごまかすことはできません。個人信用情報機関に自己破産など債務整理の事故情報が登録されていると審査に通ることは困難になります。
ブライダルローンの利用が難しい場合の対処法
ブライダルローンの利用には審査に通過する必要があります。また、離島などブライダルローンが利用できない地域もあります。残念ながら審査に通らなかったときや、利用できる専用商品がない場合は、以下で紹介するほかの方法を検討しましょう。
借入金額を見直す
審査に通らなかった場合は、借入金額を見直すことで審査に通る可能性があります。借入金額を減らすために、結婚式の演出や衣装の数、会場の広さ、時期や時間帯などを見直したり、招待状や席次表といったペーパーアイテムを依頼せずに手作りしたりするなど結婚式の費用を減らすことも検討しましょう。
フリーローンを利用する
ブライダルローンの利用が難しいようなら、フリーローンの利用を検討するのも一つの方法です。フリーローンは使途を限定しないローン商品のひとつです。利用時には審査に通過する必要がありますが、ブライダルローンの利用が難しい場合でも、フリーローンの審査に通過する場合がありますので、利用を検討してもよいでしょう。
なお、フリーローンはブライダルローンと同様に借り入れは原則1回のみであり、追加の利用は別途申込みをする必要があります。借入金額が後から不足しないよう、結婚式場の見積書などから必要な借入金額を算出してから申込みましょう。
カードローンを利用する
カードローンはフリーローン同様に、用途を限定しないローン商品です。利用限度額内であれば何度でも借り入れが可能であり、申込みから借り入れまでの期間が短いことが特徴です。
急ぎで借り入れしたい場合や、追加で借り入れする可能性がある場合に便利です。
おすすめのブライダルローンとは?ブライダルローンの選び方

ブライダルローンはどのように選び、どのように利用すれば良いのでしょうか。例えば、金利が低いことは、ブライダルローンを選ぶうえで重要な判断要素の一つです。また、必要な金額が借り入れできなければ意味がありません。金融機関ごとにブライダルローンの借入可能額が異なるので、金融機関選びは重要です。
ブライダルローンの金利とシミュレーション
ブライダルローンの金利の相場は、一般的には3%~10%です。ブライダルローンの利用を検討する際は、なるべく金利が低い金融機関で借り入れするのが良いでしょう。しかし、銀行のホームページを一つずつ検索して商品を見比べるのは時間と労力が必要となります。そのようなときには、「イー・ローン」のブライダルローン総合ランキングを利用してみてはいかがでしょうか。結婚資金に対応可能なローンが簡単に検索できるので大変便利です。
また、ブライダルローンを組む前には、必ず返済額シミュレーションを利用することをおすすめします。年収に見合った金額で計画的に返済するように心がけましょう。毎月の返済額が簡単に計算できる「イー・ローン」のかんたん返済額シミュレーションをぜひ利用してみてください。例えば、300万円を8年間、金利3%で借り入れした場合には次のようになります。
借入金額 | 金利 | 返済期間 | 毎月返済額 | 返済総額 |
300万円 | 3.00% | 8年 | 3万5,189 円 | 337万8,144円 |
無利子のブライダルローンはある?利息を抑えたい人は一括返済も選択肢のひとつ
ブライダルローンの返済方法は「分割返済」と「一括返済」の2つです。
なお、一部のブライダルローンは特定の期間内に返済すれば利息が発生しない無利息期間を設けています。ある程度の自己資金を持っている人は、無利息期間があるブライダルローンを使って結婚披露宴の費用を前払いしておき、披露宴を終えた後、ご祝儀と自己資金で一括返済して利息を抑えるという使い方ができます。ご祝儀と自己資金で結婚費用を賄える資金力があり、なおかつ利息を抑えたい場合には、無利息期間を設けているブライダルローンの利用も検討してみましょう。
ブライダルローンの選び方
ブライダルローン選びにおける重要なポイントは、金利と借入可能額です。低金利のローンにこだわるなら「金利重視型」、招待したい人が多く結婚資金が多額となる場合には「借入可能額重視型」と、それぞれ重要視するポイントに絞ってローンを選びましょう。
また、ブライダルローンとカードローンを併用する方法もあります。式場使用料や披露宴に関する費用で、事前に結婚式場に支払う資金はブライダルローンを利用し、「当日発生するゲストへのお礼やお車代」「スタッフに渡す心づけ」「2次会の飲食代」などはカードローンを利用することも効果的です。ご祝儀や親類からのお祝い金を利用して返済すれば、カードローンの利息の支払いも最小限に抑えること可能です。
なお、多額のブライダルローンを利用すると、毎月の返済額が結婚後の生活を圧迫するおそれがあります。結婚後には引っ越しやマイホームの購入、出産など多くのライフイベントが待っています。それぞれのイベントは大きな出費をともないますので、無理なくブライダルローンを返済できるよう、借り入れ前にシミュレーションしておくことが大切です。
まとめ
経済産業省によると、2024年における結婚式費用の平均額は363万円です。また結婚には結婚式以外にも多くの費用がかかるため、若い夫婦がすべての結婚資金を自己資金だけで賄うのは容易ではありません。そのようなときにはブライダルローンを利用すると便利です。
ブライダルローンは、カードローンと比べて一般的に金利が低く、事前に資金計画を作成しておけば、必要な金額だけ借りるといったように借入金額を自分で調整できるメリットがあります。しかし、お金の使い道が結婚費用に限定され、融資を受けるまでに時間がかかることもあるでしょう。
また、ブライダルローンは審査が必要であり、必ず審査に通るとはかぎりません。ブライダルローンの審査に通らなかったときの対処法としては、銀行系のカードローンや消費者金融系のカードローンを申込む方法があります。計画的な返済を行うためにも、年収と見合った返済金額となるよう、事前に返済額シミュレーションを利用することをおすすめします。
数ある金融機関の中から自分に合った商品を探すなら「イー・ローン」を利用すると非常に簡単で便利でしょう。金利重視で探すことも借入可能額重視で探すことも可能です。カードローンとブライダルローンを併用するなど工夫して、自分の目的に合うローンを選びましょう。
気になるブライダルローンを徹底比較!「イー・ローン」
数多くある金融機関から自分の条件に合ったローンを探すのは、大変な労力と時間が必要になります。「金利重視型」「借入可能額重視型」どちらにも役立つのが「イー・ローン」のランキングです。日本最大級のローンデータベース、イー・ローンのランキングで、比較してみてはいかがでしょうか。
ライター紹介

2級ファイナンシャル・プランニング技能士
都内ゲーム会社に12年勤務後、2018年12月にフリーライターとして独立。個人事業主としての開業を機に、金融・年金・不動産などのFP領域への関心を深める。毎年iDeCoと小規模企業共済の掛金を増額中。好きなものはふるさと納税。
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