第29回

アパートローンで叶った不動産投資。年収320万円でも実現。

e-ヤンさんは年収320万円の時に不動産投資に挑戦。低年収、低属性のハンデを乗り越えて金融機関から融資を受け、現在は給料を上回る家賃収入を得ています。

オーナーさんデータ
神奈川県 e-ヤンさん(ハンドルネーム)
家族構成:
独身(34歳・建設設備業)
年収:
300~400万円
購入した物件:
千葉県船橋市のアパート1棟(2K×4室)
敷地面積:
199m2
購入価格:
1,380万円
自己資金:
0円
利用ローン:
三井住友トラスト・ローン&ファイナンス「アパートローン」
金利タイプ:
変動金利型
金利:
4.5%(2012年9月実行)
ローン借入金額:
1,380万円
借入期間:
20年
毎月の返済額:
8.5万円

e-ヤンさんが不動産投資を始めたのは4年前。紆余曲折を経て、世のお金持ちの実態を調べる中で目をつけました。
e-ヤン
大学卒業後、新卒で入った会社から悲劇は始まりました。50代課長の給料が月収30万円と知り、がく然としたのを今も覚えています。そこを半年で辞めて転職したものの、移った先も変わらぬ薄給。しばらく我慢して働いていましたが、当時付き合っていた彼女が僕より高収入なのを変に意識するようになって、彼女につり合う男になるべく副収入を求めてまずFX投資に挑戦しました。
FXは当初絶好調でした。円安に向かう相場の波に乗り、元手100万円は一気に1,000万円にまで増えました。しかし喜びも束の間、リーマンショックで全額失うハメに・・・。この失敗を教訓に、世のお金持ちの実態を調べ始めました。すると、お金持ちの多くが不動産に投資して財を成していることがわかり、これだ!と辿り着いたのです。
ただ、e-ヤンさんは年収320万円と収入が低く、金融機関から不動産投資用の融資を受けるのは難しい状況でした。
e-ヤン
そこで、最初は千葉県東金市の280万円の激安戸建てを、貯金をはたいて現金で購入しました。その半年後にも親から資金援助を受けて、埼玉県上尾市の310万円の激安戸建てを現金購入。2つの戸建物件で賃貸運営の実績を積んだのち、金融機関から融資を受けてアパート1棟にステップアップしようという狙いが当時ありました。
どちらの戸建物件も築年数はかなり古いものの、家賃は5万円台と格安。一方は入居条件が日本人より厳しい外国人のファミリーに貸し、もう一方は単身のタクシー運転手の方に貸しています。戸建賃貸で格安家賃の物件は多くないため、長期契約につながって安定運営を継続できましたね。

2011年9月に初めて、東金市の一戸建てを購入。すぐに入居者が見つかった

2012年1月に、埼玉県上尾市の戸建て物件を購入。古いが、こちらもすぐに借り手がついた

こうして実績を積んだ上で、アパート投資に乗り出しました。選んだのは千葉県船橋市の築古・木造アパート。利回り20%!
e-ヤン
物件選びは、田舎の物件だと一般的に金融機関から融資を受けづらいため、1都3県で最寄り駅から徒歩15分以内の物件を大前提にしました。また、物件の販売価格と土地価格が同等水準のものを選定したのもポイント。金融機関は基本的に土地の評価をもとに融資額を決めるからです。
千葉県は縁もゆかりもない土地でしたが、該当する穴場の物件が見つかり、指値をして2割引きで購入しました。築38年のオンボロながら、価格1,380万円で表面利回り20%。満室状態で購入したため、リフォーム費用は一切かかっていません。
ローン借入額は満額1,380万円。三井住友トラスト・ローン&ファイナンスのアパートローンを選びました。
e-ヤン
戸建物件で、不動産投資の実績を積んだとはいえ、金融機関からの融資はすんなりとはいきませんでした。利回りが高い築古アパートが投資対象だったのに、都市銀行、地方銀行では年収を明かした途端、担当者が渋い顔になって結局融資審査は通りませんでした。そこでノンバンクにお願いしたところ、低属性ながらアパートローンで融資を受けることができたのです。
融資審査の申し込みをしたのは3つのノンバンク。その中で三井住友トラスト・ローン&ファイナンスを選んだのは、購入価格に対して満額融資の審査結果になったからです。他のノンバンクは9割、8割に留まりました。ノンバンクによって審査の方針は異なり、三井住友トラスト・ローン&ファイナンスの場合、2件の戸建物件を担保に入れた価値に、購入物件の土地の価値をプラスして見てくれたのだと思います。
ノンバンクは金利の高さがネックですが、物件の利回りも高ければリスクはある程度軽減されます。私の場合、イールドギャップ(物件の表面利回り-借入金利)が10%以上なら安心と判断しました。
購入後から満室継続中。入居者はみんな長く住んでくれるそうです。
e-ヤン
入居者の多くが高齢の方で、引っ越しするのは容易ではない。そのせいか、みなさん腰を落ち着けて、長く住んでもらえています。おかげで満室を継続。ローン返済金額を差し引いて手元に残るのは月々10万円です。
着実に家賃が得られるようになったので、アパートをもう1棟購入しました。同じ千葉県で千葉市の物件です。この物件もノンバンクを活用し、満額融資を受けることができました。満室状態が続き、ローン返済金額を差し引いて手元に残るのは15万円。2つの戸建物件、2棟のアパートの手取り家賃は30万円以上になり、給料を上回っています。

4件目の千葉市のアパートは1,500万円で購入。6つの部屋がすべて埋まっている

最後に、不動産投資を検討している人へのメッセージをお聞きしました。
e-ヤン
年収が低い、手持ち資金が少ない、といった低属性であっても、不動産投資実現に向けて行動を起こせば道は開けます。私がそうだったように、誰でも大家になれるチャンスはあるのです。だから、あきらめずに第一歩を踏み出し、もがきながらもそのチャンスを手にしてほしいですね。
ライターからのコメント。

アパートローンを都市銀行、地方銀行、ノンバンクで比較した場合、申込条件や融資審査のハードルはノンバンクが比較的低いと言えます。ただ同じノンバンクでも、金融機関によって審査の条件は異なります。借り入れ先にノンバンクを検討する際には、その点を研究して臨むべきでしょう。

※取材にご協力いただいたe-ヤンさんのブログ「e-ヤンの目指せ!! 低属性の星」
http://ameblo.jp/neoducktail/

文/百瀬康司、企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン