第189回

墓地や墓石の購入にローンは利用できますか?

自分に万一のことがあったときのために、今のうちから墓地や墓石の準備をしておきたいと考えています。ただ、手元の資金が一度に減ってしまうことも心配なのですが、墓地や墓石の購入に利用できるローンはありますか?(56歳 Hさん)

墓地や墓石の購入に利用できるローン

墓地には、公営、民営、寺院とその形態もいくつかの種類があり、形態によって、また地域によってもその金額はさまざまです。かかるお金には、永代料のほか、墓石を立てる場合にはその購入費用などがあり、平均では合計で300~400万円程度とも言われています。このようなまとまった金額が、一度に出ていってしまうのが不安という場合には、ローンの利用も検討の価値があります。
墓地や墓石の購入には、一般のフリーローンの他、目的ローンで「メモリアルローン」、「墓苑ローン」、「葬儀・葬祭ローン」などのネーミングの商品が利用できます。借入金額が小さければ、変動金利でのフリーローンの利用も良いでしょうが、300万円近い金額を借入れ、5年程度の期間をかけて返済するのであれば、金利の上がらない固定金利タイプを利用すると安心です。目的ローンであれば、変動金利のフリーローンと大差のない金利で借入れすることも可能です。

<墓地や墓石の購入に利用できるローンの例(固定金利)>

・フォルクスワーゲン・ファイナンシャル・サービス・ジャパン

 パーソナルローン【メモリアルローン】
     借入可能額   10万円 ~ 300万円
     最長借入期間  5年
     金利        固定金利 5.8%

千葉銀行

 メモリアルローン
     借入可能額   300万円
     最長借入期間  7年
     金利        固定金利 8.0%

葬儀費用にも利用することができる

メモリアルローンの中には、葬儀費用にも利用できるものもあります。葬儀費用もかかった金額の平均は約345万円(東京都生活文化局「葬儀にかかわる費用等調査報告書」、2002年3月)となっています。遺産や貯蓄でカバーできればよいのですが、生命保険金でカバーしようと考えている場合には、すぐには準備できないこともあるでしょう。このような場合には、一時的にローンの利用をするのも良いでしょう。

私が書きました

高田 晶子 の写真

高田 晶子 (たかだ あきこ)

ファイナンシャル・プランナー。金融デザイン株式会社 取締役。

大学卒業後、信託銀行に就職。その後イベント会社、不動産コンサルティング会社を経て、1996年FPとして独立。2010年より現職。個人のお客様の声を直接聞いてきたからこそ作れるコンテンツ作成しながら、50代と60代からのセカンドキャリアを応援するサービス「50カラ」を展開中。

※執筆日:2006年10月26日