第52回

住宅ローンは何歳まで組める?上限年齢と年齢別のローンの支払い

住宅ローンは返済期間が長期に及ぶことから、何歳まで借り入れができるのか、自分の年齢で組んでも大丈夫なのか、気になる方は多いのではないでしょうか。
おおよそ65歳~70歳以下なら住宅ローンの借り入れはできるようです。
また、完済時の年齢は80歳までとしている金融機関が大半です。
この記事では、住宅ローンを組める年齢や、住宅ローンを早めに組むメリットと注意点を解説します。住宅ローンを組む適切な借入時の年齢や、自分の年齢に合った返済プランを知りたい方は、参考にしてみてください。

住宅ローンを組める上限年齢は何歳まで?

ここでは各金融機関の年齢制限を一覧で紹介しながら、以下のポイントを解説していきます。

  • 審査時に年齢がどれだけ考慮されるのか
  • 完済時年齢の目安
  • 返済期間が最長の35年ローンを組む際の上限年齢

金融機関の年齢制限

金融機関で設定されている住宅ローンの年齢制限は、以下が一般的です。

  • 借入時年齢:65歳~70歳未満
  • 完済時年齢:75歳~80歳未満

都市銀行からネット銀行まで、さまざまな形態の金融機関の年齢制限を次の表にまとめました。

主要金融機関の住宅ローン年齢制限
金融機関・住宅ローン 借入時年齢 完済時年齢
三菱UFJ銀行
〈住宅ローン>
〈ネット専用住宅ローン〉
70歳未満 80歳未満
みずほ銀行
〈みずほ住宅ローン〉
71歳未満 81歳未満
三井住友銀行
〈三井住友住宅ローン〉
70歳未満 80歳未満
りそな銀行
〈りそな住宅ローン〉
70歳未満 80歳未満
三井住友信託銀行
〈住宅ローン〈リレープランフレックス〉〉
66歳未満 81歳未満
横浜銀行
〈横浜銀行各種住宅ローン〉
指定なし
返済期間により異なる
82歳未満
※3大疾病付団信加入時は76歳未満、ワイド団信加入時は80歳未満
千葉銀行
〈ちばぎん"選べる住宅ローンベストチョイス21"「新築・新規購入コース」〉
70歳未満 80歳未満
新生銀行
〈新生銀行各種住宅ローン〉
65歳未満 80歳未満
ARUHI
〈ARUHIフラット35買取型〉
70歳未満
※親子リレー返済であれば70歳以上も利用可
80歳未満
中央労働金庫
〈ろうきん住宅ローン〉
指定なし
返済期間により異なる
76歳未満
JAバンク 66歳未満 80歳未満
住信SBIネット銀行
〈ネット専用住宅ローン〉
65歳未満 80歳未満
ソニー銀行
〈住宅ローン>
〈変動セレクト住宅ローン>
〈固定セレクト住宅ローン〉
65歳未満 85歳未満
※ワイド団信利用時は満81歳未満
楽天銀行
〈楽天銀行住宅ローン(金利選択型)〉
65歳6ヶ月未満 80歳未満

※2020年10月28日現在の情報に基づきます

金融機関による差は多少あるものの、概ねどの金融機関も同じ年齢帯を上限にしています。

金融機関が融資を行う際に考慮する項目

民間金融機関が住宅ローンの融資時に考慮している審査項目
  • 「健康状態」(98.6%)
  • 「借入時年齢」(98.3%)
  • 「完済時年齢」(97.7%)
  • 「担保評価」(97.2%)
  • 「勤続年数」(95.7%)

※出典:「平成30年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」より、P18「融資を行う際に考慮する項目」(国土交通省 住宅局)[PDF]

国土交通省の調査によれば、95%以上の金融機関がローン審査で年齢を重視していることがわかります。

完済時期は75歳~80歳が上限だが、70歳までを目安に

ほとんどの金融機関は住宅ローンの完済時年齢を75歳~80歳未満に設定していますが、上限年齢はあくまでローンを組む際の条件です。完済時年齢が上がるほど審査は厳しくなるので、できれば70歳までにローンを払い終えるように計画するのが良いでしょう。

金融機関が年齢を重視するのは、健康や収入面などによる不安を考慮してのことです。借入時は健康で収入があっても、病気になったり定年を迎えたりすれば、今まで通りの生活を維持することはできません。完済時年齢を高く設定すると、ローン破綻のリスクも高くなることになります。

そのため、完済時年齢の上限が80歳になっている場合も、もしもの返済破綻リスクを考慮し、最長でも70歳までに完済できるローンをおすすめします。

35年の住宅ローンを組むための上限年齢

返済期間が最長の35年ローンを組む場合、借入時の年齢は以下の計算式で求めます。

完済時年齢-35年=借入時年齢は○○歳まで

(例)80歳-35年=借入時年齢は45歳まで

住宅ローンは年齢が高くなるほど審査条件が厳しくなり、申込みが可能な年齢でも融資を受けられない場合があります。35年返済でローンを組むときは契約時の年齢を考慮し、早めの借り入れを検討してください。

住宅ローンを早めに組むメリット・注意点

ここでは住宅ローンを早めに組むメリットと注意点やローンを組むときに活用したい制度についても紹介しますので、参考にしてください。

住宅ローンを早めに組むメリット

住宅ローンを早めに組む場合の主なメリットは、以下の3つです。

  • 返済期間を長期とすることが可能で月々の返済額を少なくしやすい
  • 教育費や老後資金などの計画を立てやすい。
  • 生涯の家賃負担を少なくできる

住宅ローンを早めに組めば、年齢制限を気にせずに長期の借り入れがしやすくなります。返済期間を長くすれば、その分、月々の返済負担を抑えられるため、教育費や老後資金の準備もしやすくなるでしょう。

また、早くから住宅ローン返済に取り組めば、生涯で支払う家賃負担も少なくなります。いずれ住宅購入を考えているのであれば、住宅ローンを早めに組むメリットは大きいでしょう。

住宅ローンを組む上での注意点

住宅ローンを組むときは、以下の点に気をつけましょう。

借入金額を無理のない範囲にする。

実際に借入可能な金額と無理なく返済していける金額は違います。特に若い方は、長期返済で多額のローンを組むことができるため気をつけましょう。

無理のない返済金額は各家庭の収入や貯蓄状況によっても異なりますが、一般的には手取り収入の20%が目安です。

総務省の家計調査でも、住宅ローン返済世帯の返済負担率は、手取り収入の18%程度となっています。

※出典:「家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表」(総務省)

3大資金を考慮する

安定したローン返済を続けるには、住宅資金以外の教育資金、老後資金も含めた人生の3大資金を考慮した返済計画を立てるようにしましょう。

子ども1人が大学を卒業するまでにかかる教育費の目安は、すべて公立に進学した場合でも約1,000万円。また夫婦がゆとりある老後を過ごすための必要貯蓄額の目安は、1,300万円~2,000万円です。

  • 教育費の目安
    幼稚園から高校までの学習費(541万円)は、「平成30年度 子供の学習費調査」(文部科学省)を参照。国公立大学の学費(499.4万円)は、「令和元年度 教育費負担の実態調査結果」「日本政策金融公庫」を参照
  • 老後資金の目安
    「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書(金融庁)」より、高齢夫婦無職世帯が20年~30年生きると仮定した場合に必要な貯蓄の取り崩し額を参照

もちろん教育費や老後資金の必要額は各家庭によって異なるため、一概には言えません。

上記の目安を参考に、必要な額を考え、それぞれをバランスよく準備できるようにしてください。

頭金とのローンのバランスを適切にする

頭金を多く入れると利息分の支払いを抑えることができますが、そのせいで手持ちの資金が少なくなっては今後の生活が不安になります。ある程度の資金は手元に残しておきましょう。

ローンを組むときに活用したい制度

住宅ローン契約時には、以下のような各種制度も活用できます。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

住宅ローンの「年末借入残高」に応じて、毎年の税金を10年間軽減できる税額控除制度です。ローン借入残高の1%の所得税が戻ってくるため、節税効果が非常に高くなります。

※令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に入居した場合には、控除期間が3年間延長されます。その場合、11年目~13年目までの控除額は、以下の(1)(2)のうちいずれか少ないほうの金額となります。

(1)住宅ローン残高又は住宅の取得対価(上限4,000万円)のうちいずれか少ないほうの金額の1%

(2)建物の取得価格(上限4,000万円)の2%÷3

※参照 国税庁:No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)

すまい給付金

年収や床面積、家屋の品質など、所定の条件を満たした住宅購入者は最大50万円の現金が給付される制度です。

※参照 すまい給付金事務局

財形貯蓄制度(企業の福利厚生)

勤務先が財形貯蓄制度を導入していれば活用でき、一定額の住宅資金を非課税で貯められる「財形住宅貯蓄」や、住宅金融支援機構から低金利の融資を受けられる「財形住宅融資」を利用できます。

【年齢別】住宅ローンの返済シミュレーション

住宅ローンを組むときは年齢を考慮し、適切な返済プランを立てることが大切です。
ここでは、年齢別の理想的な住宅ローン返済シミュレーションをご紹介していきます。
「自分の年齢ではどれくらい借り入れすればいいのか、どのような返済プランを立てればいいかわからない」という方は参考にしてください。

30歳・40歳代の返済プラン
  • 前提条件:借入金額3,000万円/返済期間35年/金利 年1%/元利均等返済/ボーナス払いなし/借入時年齢35歳/ローン完済時年齢70歳
  • 人物像:乳幼児~小学生の子供がいるが収入はまだそれほど高くない。妻はパートに出て共働きをしている。将来の教育費が気がかり。
  • 毎月のローン返済額:約8.5万円 ・ローン返済総額: 約3,557万円

30歳~40歳代はまだ子供が小さく、工夫次第で教育費の負担を抑えられる年代です。本格的に支出が増える前に35年ローンでこつこつローン返済しながら、教育費や老後資金の貯蓄に注力しましょう。

50歳代の返済プラン
  • 前提条件:借入金額1,800万円(頭金1,200万円済)/返済期間25年/金利 年1%/元利均等返済/ボーナス払いなし/借入時年齢50歳/ローン完済時年齢75歳
  • 人物像:中学生~大学生の子供がいる。役職がつき、収入も貯蓄額も大幅にアップしたものの、教育費の負担も増えている。
  • 毎月のローン返済額:約6.8万円
  • ローン返済総額:約2,036万円

50歳はローン審査が厳しくなり、35年の住宅ローンも借りられなくなる年齢です。収入も貯蓄もそれなりにある年齢でもあるため、頭金を多めに入れて借入金額を調整しましょう。借入金額を少なくしてできる限り毎月の返済額を抑え、大学進学という教育費のピークにそなえることが大切です。

60歳代の返済プラン
  • 前提条件:借入金額1,200万円(頭金1,800万円済)/返済期間15年/金利 年1%/元利均等返済/ボーナス払いなし/借入時年齢60歳/ローン完済時年齢75歳
  • 毎月のローン返済額: 約7.2万円
  • ローン返済総額:約1,293万円
  • 人物像:子供が独り立ちし、夫婦だけの生活になった。定年後も再雇用制度などを利用し働く予定で、働き方や退職金の運用方法を模索している。

60歳は定年に差しかかる年齢ということもあり、ローンの審査はさらに厳しくなります。審査通過や安定した返済を叶えるためにも、老後の資金や収入源をしっかり確保した上で、借り入れを検討してください。また応用編にはなりますが、最近では『住宅ローン控除』を適用させるために、貯蓄はあるものの、あえて住宅ローンを組む人もいます。低金利な今だからこそできる節税対策と言えます。

まとめ

住宅ローンはおおよそ65~70歳まで組める金融機関が一般的です。また、完済時年齢も大半が80歳に設定しています。

しかし、年齢が上がるほど完済時年齢があがり、ローン審査は厳しくなるので、長期ローンを利用する場合でも、70歳までに完済できる借り入れをおすすめします。比較的若いうちに住宅ローンを組めば、返済方法や商品の選択肢も広がります。住宅ローン減税などの制度を活用し、借入時の年齢に適したローンを組んでください。

ランキング
ライター紹介
氏名
服部 椿(はっとり つばき)
保有資格
AFP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
主なキャリア
金融代理店での勤務経験と自身の投資経験を活かしたマネーコラムを多数執筆中。子育て中のママFPでもあり、子育て世帯向けの資産形成、ライフプラン相談が得意。

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