第63回

住宅ローンで叶った「子供が走り回れる家」。中古戸建をリノベーション。

宮城県にお住まいのりかさん(ハンドルネーム)は、住宅ローンで築21年の中古戸建を購入し、リノベーション。予算内で、希望の条件を叶える家づくりを実現しました。

オーナーさんデータ
宮城県在住 りかさんご一家
家族構成:
夫(39歳・会社経営)、妻・りかさん(39歳・契約社員)、子2人(6歳、3歳)
購入時の世帯年収:
600~800万円
延床面積:
118m2(2階建て、3LDK)
購入価格:
3,400万円(物件価格2,050万円+リノベーション費用1,350万円)
自己資金:
200万円
利用ローン:
北日本銀行「大安吉日」
金利タイプ:
変動金利型
金利:
0.65%(2017 年12月実行)
ローン借入金額:
3,200万円
借入期間:
35年
毎月の返済額:
8万5,000円

当初は新築の建売住宅を検討していた、りかさんご夫婦。しかし、予算内で希望を叶えるには、中古一戸建てのリノベーションしかないという結論に行き着きました。
りか
「20畳以上のリビングがあって、子供達が走り回れる」「ガーデニングができて、家族や友人とBBQができる庭がある」「リビングにスタディスペースを設置する」……。
家探しを始めた当初はそんな理想像を描いていたのですが、建売物件を探すうち、予算との兼ね合いでどんどん現実的になり、そんな理想を失いかけていました。しかし、リノベーションを手がける不動産会社と出会って、「リノベーションなら、理想を実現できるかもしれない」と想いが再燃。紹介していただいた築21年の戸建て住宅は、広くて庭もあり、良い家だったので、この家をリノベーションしよう!と決めました。
ちなみに、一応、欠陥がないかどうか調べるため、ホームインスペクションサービス(住宅診断)を依頼。雨漏りの跡は見つかりましたが、大きな問題はなく、安心できました。雨漏りの件で値下げ交渉をしたところ、120万円も値下げできました。
購入した築21年の戸建て住宅は、2階建てで、間取りは3LDK。延床面積は118m2ありましたが、その割に、広さを感じられないつくりでした。
りか
そこで、1階を大きく変えました。まず、キッチンが閉ざされた環境にあったので、ダイニングやリビングが見渡せるよう、対面式に変更。
リノベーション前のキッチンダイニング。キッチンが右奥にある

リノベーション前のキッチンダイニング。キッチンが右奥にある

リノベーション後のキッチンダイニング。キッチンを対面式にし、リビングダイニングが見渡せるように

リノベーション後のキッチンダイニング。
キッチンを対面式にし、リビングダイニングが見渡せるように

また、リビングに隣接していた4畳半の和室の壁を取り払い、リビングを拡張しました。天井の石膏ボードを取ったことで天井が20cm高くなり、開放感がぐんと増しました。
リビングの隣にあった和室とつなげることで、約23畳のリビングダイニングに

リビングの隣にあった和室とつなげることで、約23畳のリビングダイニングに

暖房効率を上げるためにつけたシーリングファンは、部屋のアクセントに。息子さんもお気に入り

暖房効率を上げるためにつけたシーリングファンは、部屋のアクセントに。息子さんもお気に入り

アクセントに使ったのは、タイルです。雰囲気や質感が好きで、キッチンの腰壁、調理場側の立ち上がり部分、リビングの窓際、リビング壁面、洗面所、と贅沢なぐらいに使いました。見た目だけでなく、掃除のしやすさや耐久性を考えても、タイルは良いですね。
キッチンはLIXILの「シエラ」をチョイス。他のブランドと比べて価格は抑えめだが、十分な使い心地。取り囲むように貼られたタイルもポイント

キッチンはLIXILの「シエラ」をチョイス。
他のブランドと比べて価格は抑えめだが、十分な使い心地。
取り囲むように貼られたタイルもポイント

リビングに設けたスタディスペースもこだわりの一つです。毎日、息子が宿題をする様子をキッチンから眺められます。息子たちが寝静まると、私が仕事をするスペースにもなります。
リビングにはスタディスペースも設置した

リビングにはスタディスペースも設置した

一方で、予算を抑えるため、変えないところは変えないようにしたそうです。
りか
家自体は2,050万円で購入したのですが、希望する条件をリノベーション会社さんに伝え、概算でリノベーション金額を出してもらうと、1,300万円。キッチンやトイレなどの設備工事は230万円程度で済んだのですが、造作でいろいろつくり過ぎて、これが100万円近くかかりました。注文住宅と比べれば安上がりですが、地域の平均的な建売住宅よりはかなり高くなってしまいます。
そこで、優先順位が低いところは、こだわることなく、最低限の改修で済ますことにしました。
たとえば、2階の間取りはほとんど変えないようにしました。フローリングは既存のものに重ね貼りし、トイレや既存のドア枠を使用しています。庭にタイルデッキを作りたかったのですが、これは予算の面で一旦諦めました。少しお金を貯めてから作ろうかなと企んでいます。
4カ月ほどでリノベーション工事は完了。今年3月に引っ越しました。新居での生活は非常に満足しているそうです。
りか
「子供たちが走りまわれる家にしたい」という希望は、ばっちり叶いました。約23畳あるリビングダイニングを、兄弟で走り回っています。狭い賃貸に住んでいた頃より、のびのびと子供らしく生活ができています。
私自身も、賃貸の狭いリビングにいた頃のようなストレスがなくなったように思います。ゆったりとして広いながらも、家族の気配を感じられる間取りが良かったのだと思います。
また、リビングから庭に出られるところに、小さなインナーテラスを設けました。ここは、夫のこだわりで、アウトドアのギアを収納する大容量のクローゼットを設けました。庭からのアクセスが良い場所にアウトドアグッズを収納することで、気軽にBBQを始められるようになりました。
リビングの庭につながっている窓際に、インナーテラスを設置。アウトドア道具を収納できるクローゼットを設けた

リビングの庭につながっている窓際に、インナーテラスを設置。
アウトドア道具を収納できるクローゼットを設けた

庭はまだまだ発展途上なのですが、花の種を植えたり、記念樹にライラックを植えたりと楽しんでいます。
ローン借入額は3,200万円。北日本銀行の「大安吉日」を選びました。
家を購入した当時は、夫が2年間の個人事業主期間を経た後、会社を立ち上げて1年程度だったので、住宅ローンの審査に通るかどうかが、少し不安でした。実際、審査に通らなかったり、審査の前に「法人化してから3年経過していないと受付できない」と門前払いされることがありましたが、北日本銀行と仙台銀行は審査が通りました。その2行の金利を比べ、北日本銀行を選びました。変動金利で0.55%、ガン保障特約付き団信をつけても0.65%と低く抑えられ、非常に満足しています。
結びに、中古住宅のリノベーションを検討している人へのメッセージを伺いました。
りか
建具、タイル、床、造作家具に至るまで、自分で決める楽しさを味わうなら、リノベーションがおすすめ!「やりたいこと」と「予算」のせめぎ合いはよくある話ですが、「ここは譲らない!」「ここはお金をかけない」と、メリハリをつけると、予算内で自分の「好き」が詰まった家ができるかもしれません。家は生活の基盤になる場所ですから、どんな家に住みたいのかというのは時間をかけて考えたほうが良いと思います。設計担当者との話し合いや、夫との意見のすり合わせを繰り返し、夫婦で住みたい家のイメージを具現化していきました。
ライターからのコメント。

住宅ローンの資金使途といえば物件購入や建築の費用をイメージすることが多いと思いますが、今回のように中古物件購入とリノベーションの費用をまとめて借入が出来るローンがあります。希望の条件を叶えるために中古物件をリノベーションする選択肢は資金調達の面からも十分実現可能ですね。
また、自営業者や個人事業主は「住宅ローンの審査が通らない」というイメージがありますが、安定した収入が継続的に見込める等の基準を満たせば借入の出来る金融機関はあります。しかも、会社員と変わらない低金利で、ローンを借りることも可能です。自営業だからといってあきらめずに、まずは金融機関のホームページ等で申込資格に該当するかを確認してみて下さい。

今回ご協力いただいた、りかさんのブログ「リノベ-ションのひとつひとつ」のURLは、https://kodate-renovation.com/

文/杉山直隆、企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン