第27回

不動産投資ローンで叶った収益物件。今やシェアハウスに別荘も。

青山さんは自宅マンションを貸し出して副収入を得たことをきっかけに、不動産投資の世界へ。区分、中古アパート投資にシェアハウスなど幅広く不動産投資を手掛けています。

オーナーさんデータ
神奈川県 青山さんご一家
家族構成:
夫・幸成さん(43歳・デザイン会社経営)、妻(38歳・主婦)、子一人
購入した物件:
神奈川県茅ヶ崎市のアパート1棟(ワンルーム・10室。敷地面積366m2)
購入価格:
7,200万円
自己資金:
0円
利用ローン:
静岡中央銀行「不動産投資ローン」
金利タイプ:
変動金利型
金利:
2.35%(2010年7月実行)
ローン借入金額:
7,200万円
借入期間:
22年
毎月の返済金額:
約35万円

青山さんが不動産に興味を持ったきっかけは、広告代理店に勤めていた1999年に、渋谷に自宅マンションを買ったことでした。
青山
それまで同じ渋谷にマンションを借りていたのですが、家賃が毎月10万円程度でした。そんな時、近所を散歩していたら新築マンションのモデルルームが目に入ったのです。渋谷駅から徒歩7分、35m2程度のスタジオタイプで価格は2,300万円から。「え、買ったほうが安いのでは?」と、2,700万円の部屋を衝動的に購入。月々の返済額は8万円程度でした。
購入から住み始めるまでに1年以上あったのですが、その間に結婚して子供も生まれ、生活は一変。住み始めたマンションはすぐ手狭となり引っ越しをしなければならず、一時的に渋谷のマンションは貸し出すことに。すると、立地も良いので希望した家賃で貸し出すことができて、ローン返済など諸経費を差し引いても、月々5万円が手元に残ることに。また10年も経つと返済も進み、残債も1,800万円になりました。価格は上がっていたので、当初の購入価格程度で売ったとしても900万円ほど利益が出る状態、つまり含み資産のある状態になっていました。この経験で、不動産投資の魅力に気付かされ、あれこれ研究し始めました。
じっくりと物件を探し、2010年に購入したのが神奈川県茅ヶ崎市にある築浅の中古アパートです。
青山
築5年で、南欧風の雰囲気漂うおしゃれなアパートです。価格は7,200万円で表面利回りは10%超。しかも評価は建物・土地を合わせて8,500万円と物件価格を上回っていましたから、決して悪い物件ではありません。
それでも売れ残っていた理由は、駅から見て海と反対にある山側にあったこと。さらに駅まではバスを使っても12分程度かかります。湘南の人気エリアの茅ヶ崎といえど、都会に住んでいる不動産投資家は土地勘がないので手を出さないのですね。逆にいえば、場所がちょっとズレていたために物件が残っていたとも言えます。しかし、私はこのあたりの出身なので、山側でも工場などが多く、そこで働く独身男性のニーズがあるのでそれなりに埋まるだろうと考えていました。

駅遠の場合は駐車場も入居者が集まる決め手のひとつ

室内は1K・約25m2のロフト付き。タイル張りのキッチンも好評

青山さんの予測は当たり、また賃料条件や内装を工夫することで、購入後はほぼ部屋が埋まっている状態。5年間通しても9割方埋まっているそうです。
青山
満室時の家賃収入は、だいたい月々60万円。ローン返済を差し引いても、毎月25万円が手元に残るようになりました。「利回り10%、担保評価の高い収益物件を、融資期間20年超でフルローン購入する」という、当時のアパート投資の教科書のような事例とも言えます。
ローン借入額は7,200万円。静岡中央銀行の不動産投資ローンを選びました。
青山
静岡中央銀行を選んだのは、金利優遇など有利なローンがあったというより、父が仕事の関係でお付き合いがあったからですが、担当者の熱意も大きな要素でした。担保価値が高かったとは言え、こちらの希望を汲んで最初からフルローンでなんとしても通す、という意気込みを感じ、信頼してお願いすることに。築浅だったため中古の木造アパートでも借入期間を22年まで延ばしてくれたのも助かりました。手元キャッシュフローを最大化させるために、金利タイプは変動金利型にしました。
茅ヶ崎のアパートの購入以降、青山さんは他の物件の購入にも乗り出しています。
青山
不動産会社や工務店、設計士などを集めて、「オモロー不動産研究会」を結成して多様な不動産投資の形を研究していますが、2011年頃から個人的に力を入れているのは、シェアハウスの運営です。第1号は横浜の築70年の日本家屋を購入し、その趣を活かす形でリノベーションをすると、オープンから3カ月で部屋が埋まりました。管理は委託せずに自主管理。シェアハウスがどんなものかを知るために、私も半年ぐらい一緒に現地に住んでみたのですが、同じ釜の飯を食べ、コタツで語らいあい、友人を招いてのホームパーティーを開いたりとシェアハウスの醍醐味を味わいました。現在は、湘南・横浜エリアを中心に4つのシェアハウスを運営しています。このノウハウを生かして、コンサルティングも手がけています。夏にはクライアントの新築のシェアハウスも完成の予定です。

古民家を改造したシェアハウス。雰囲気を気に入り入居する人多数

また、最近は箱根の築85年の別荘や湯河原の元民宿などの古い物件を購入しました。今年中には旅館業法が改正される予定なので、貸別荘ビジネスにでも活用しようかと企画を練っている段階です。アイデア次第で多様な展開ができるのも不動産投資の魅力ですね。

箱根の強羅にある別荘も購入

最後に、不動産投資を検討している人へのメッセージをお聞きしました。
青山
不動産投資の長所は、株やFXと違って不確定要素が少ないこと。大きな金額が動きますが、地震保険などによってリスクも抑えられるので、やるべきことをやっておけば予想外の大損をする可能性は高くありません。おすすめは、いきなり投資をしなくてもいいので、例えば住宅ローンで自宅を購入する際に、「資産価値」と「収益価値」を考えて買うこと。私の渋谷のマンションのケースのように、仮にライフステージが変わり手狭になったとしても、資産・収益価値のある物件なら、売ったり貸したりどうにでもなります。特に20代や30代の若い人は、毎月の家賃を払っているぐらいなら、その分を購入資金に回したほうが給料を有意義に使えるはずです。そうして不動産に慣れていけば、不動産投資のカンも養われていくでしょう。
ライターからのコメント。

本業だけでなく、ビジネスパーソンの副業としてもやりやすい不動産投資。高利回りでリーズナブルなお買い得物件は少なくなっているようですが、青山さんの例を見ると、やり方次第ではまだまだチャンスはあるようです。ローンに関しても、都銀や地銀、信用金庫、ノンバンクなど、さまざまな金融機関が不動産投資ローンを用意しています。それぞれの特性を踏まえて比較検討すれば、自分に合ったローンを探し出せるはずです。

※取材にご協力いただいた青山さんのFacebook(https://www.facebook.com/kosei.aoyama)

文・企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン