第1167回NEW
中古住宅購入で失敗しないための物件選び
- マイホームの購入を検討しています。ただ、最近、新築住宅は価格がとても高いので、中古も含めて探してみようと思います。中古住宅の場合、物件選びの際に、特に気をつける点はありますか?(会社員、30代)
- 建物の状態はもちろんですが、中古住宅では「住宅ローンが希望通りに通るか」という視点も欠かせません。築年数や法令遵守の状況によっては、審査が厳しくなったり、減税が受けられない場合もあります。そのため、物件選びと併せて、希望する金額や返済期間で住宅ローンが組めるか、また希望どおりに借りられなかった場合の資金面の備えも確認しておきましょう。
昨今の新築住宅の価格の高騰で、中古住宅を選択肢に入れる方も多くなっているようです。同等の立地や広さであれば、中古住宅の方がリーズナブルに取得できる可能性があります。また、あえて中古住宅を選び、リノベーションして自分仕様の住宅にするという方もいらっしゃいます。
中古住宅にはこのようなメリットもある一方で、建物の状態や資産価値には注意が必要です。シロアリ被害や雨漏りといった建物そのものの問題だけでなく、住宅ローンが通らないかもしれないというリスクもあります。
住宅ローンの借り入れに際して気をつけたい点
中古住宅のローン審査は、新築住宅よりも厳しくなる傾向があります。それは、建物の資産価値が新築に比べると低下しているため、担保価値も低くなるためです。特に、次のような点について確認をしておきましょう。
新耐震基準に適合しているか
多くの金融機関では、建物が新耐震基準(1981年6月1日以降の建築確認)に適合していることを条件としています。フラット35についても、中古住宅の融資を受けるには、適合証明書が必要です。その物件検査を受けるためには、建築確認が1981年6月1日以降であることが要件になっています。
また、住宅ローン控除を受けるためには、1982年1月1日以降に建築された住宅であるか、それ以前に建築された住宅の場合には、「耐震基準適合証明書」が必要になります。
建築基準法の規定に違反していないか
一戸建ての中古住宅の場合、増築によって、「建ぺい率・容積率」を超過しているケースや、接道義務(幅員4m以上の道路に建物の敷地が2m以上接していること)を満たしていない「再建築不可」の物件である場合があります。このように、建築基準法の規定に違反している場合には、住宅ローンの審査が通らない可能性が高くなります。
中古住宅の住宅ローンは対策を講じておこう
中古住宅の場合、審査の結果、希望通りの住宅ローンが借り入れできないということもありえます。そのような事態に備えて、次のような対策も講じておきましょう。
頭金を多めに準備する
担保評価が低く、希望額まで借り入れできないことも想定されます。全額借り入れることを前提にしていると購入そのものができなくなってしまいます。このようなケースに備えて、頭金を少し多めに準備しておきましょう。
家計に余裕をもたせる
築年数が古いと返済期間を短く設定されてしまうことがあります。返済期間が短くなると、毎月の返済額が増えることになります。あらかじめ、支出を見直し、予定よりも毎月の返済額が増えても対応できるように準備しておきましょう。
契約書に住宅ローン特約を付ける
万一、住宅ローンの審査が通らなかった場合に備えて、売買契約書には「ローン特約」を必ず付けておくようにしましょう。ローン特約は、融資が受けられなかった場合には、ペナルティなしで契約を白紙に戻すことができるというものです。単に「融資が受けられなかった場合」とするのではなく、金融機関や借入金額、借入期間なども明記し、あくまでも希望する内容での住宅ローンが通らなかった場合には契約が解除できるようにしておくことをお勧めします。
中古住宅の場合には、希望する物件が見つかると、契約や引き渡しまでの期間が短い傾向にあります。しかし、短期間であっても、物件そのもののコンディションと住宅ローンの借り入れについては、事前に、そして慎重に確認をするようにしましょう。
- 【参考リンク】
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー。金融デザイン株式会社 取締役。
大学卒業後、信託銀行に就職。その後イベント会社、不動産コンサルティング会社を経て、1996年FPとして独立。2010年より現職。個人のお客様の声を直接聞いてきたからこそ作れるコンテンツ作成しながら、50代と60代からのセカンドキャリアを応援するサービス「50カラ」を展開中。
※執筆日:2026年01月30日
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