第769回

使途自由のフリーローンで、新生活も準備万端

育児を手伝ってくれている実家の近くに引っ越すことにしました。ところが、引っ越し料金が思った以上にかかることがわかり、新居に必要な家具や家電をそろえる資金が足りません。 クレジットカードを利用するか、ローンを使うか、迷っています。(神奈川県 K)
銀行等で借りられるフリーローンは、資金使途自由でも比較的低金利。 計画的な返済もしやすいでしょう。

一括支払いできるならクレカ、毎月着実に返済するならフリーローン

進学・就職や転勤などによる引っ越しが集中する時期は、引っ越しの予約も取りにくく、料金が高い場合が多いですね。 引っ越しや家具家電の購入費用の支払いのためにクレジットカードを使うかローンを使うかを迷っているなら、まず、必要な費用がどれくらいで、どうやって返済したいのかを考えてみましょう。

クレジットカードをショッピングに利用する場合、1回払い・2回払い、ボーナス一括払いであれば金利・手数料はかかりません。 したがって、1回払い・2回払い、ボーナス一括払いで無理なく支払えるのであれば、クレジットカードの利用が有利です。

しかし、クレジットカードの残高をまとめて支払うことが難しく、分割払いやリボ払いを利用するなら、フリーローンなどの比較的低金利なローンのほうが有利になります。 クレジットカードの分割払いの金利は8~18%程度、リボ払いの金利は15%程度です(カードの種類や返済回数によって異なります)が、フリーローンの金利は2%~15%程度だからです。 ローン商品や利用金額、利用者の信用度によってかかる金利は違ってきますが、フリーローンのほうがクレジットカードよりも有利な金利で利用できる場合も多いでしょう。

使途自由で金利は低め。計画的に返済しやすいフリーローン

フリーローンは、使途が自由な証書貸付ローンです。資金使途が限られた目的別ローン(教育ローンや自動車ローンなど)に比べると金利は高くなりますが、クレジットカードの分割払いやリボ払い、キャッシング・カードローンよりは金利は低めになります。 利用金額が一定以下であれば原則として資金使途を証明する書類の提出も不要です。

証書貸付ローンは、1回の借入ごとに借入額を決め、契約書を作成し返済していくことになります。 カード型のローンとは異なり追加で借り入れることはできません。 追加借入ができないことを不便に感じられるかもしれませんが、借入残高が増えることもないので、契約した借入額・借入金額・金利に基づいた返済スケジュールで着実に返済を進めることができます。 臨時返済・一括返済の手数料がかからない商品を選んでおけば、余計な費用をかけずに資金に余裕があるときにまとめて返済することができ、利息負担をより減らすこともできます。

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いくら必要なのかをはっきりさせて、比較検討を

フリーローンを利用するなら、まず「いくら必要なのか」をはっきりさせておきましょう。 ローンシミュレーションを利用して、月々の家計に無理のない返済額から借入可能額を割り出し、その範囲内で今回不足する費用がまかなえるかどうかを検討してみるのもよいでしょう。 借入希望額が無理のない返済額を上回るようなら、新居の家具・家電計画を見直したほうがよいかもしれません。

また、フリーローンの各商品の金利や条件、手数料等はさまざまです。 たとえば「店頭で手続するのかweb上での申込みをしたいのか」「事務手数料や臨時返済の手数料はかかるのか」など、金利だけでなく、自分が重視する条件を満たしているかも比較検討して、利用しやすいローンを選びましょう。

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大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2018年03月27日