第549回

消費税増税前の最後の年末!増税前に本当に購入・整理すべきものは?

年末も近くなり、気分も今年の締めをしなければと考える時期になってきました。 今回の年末年始は大型連休になる可能性もあり、家族で何をするか今から考えていこうかと思います。一方、来年は消費税増税ということもあり、ボーナスも出るので増税前に必要なものを買い揃えようかとも思っています。使いすぎてしまうのも怖いので、どのようなものを購入または見直しておけばよいのでしょうか?(Yさん 山梨県 35歳)
消費税が上がる!となるとついつい上がる前に「購入すること」を考えてしまいますが、現在受けているサービスや定期的に購入しているものを見直すことで増税対策になります。増税前にボーナスで必要なものを購入するのも良いですが、今後の生活のために、家計の見直しをしてみましょう。

どんなものが増税対象になるのか

消費税増税まであと3カ月余り。ボーナスも支給されるこの時期、「今、買っておくべきものは?」と考えている方も多いのではないでしょうか。

そもそも、消費税はどのようなものにかかっているのでしょう。国税庁HPによると、「消費税の課税の対象となる取引は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等と外国貨物の輸入」であるとされています。「資産の譲渡等」には、商品や製品の販売はもちろん、その貸付、さまざまなサービスの提供も含まれますので、私たちがお金を払って対価を得るほとんどの行動に消費税がかかっているといえます。この定義に当てはまらない給与、生命保険料、寄付金などは消費税の対象外です。また、この定義に当てはまるものでも、社会政策的な配慮から賃貸住宅の家賃、住宅購入時の土地、学校教育法で規定されている学校の授業料や入学検定料など、消費税がかからないものもあります。

消費税増税前に買っていいもの、いけないものは?

実際に買い物をする場合には、ほとんどのものに消費税がかかっているのですから、どうせ買うなら増税前に買っておこうと考えがちですね。日用品や食料品は、ストックするにも限度がありますし、もともと値段が安い物なので節約効果も限定的です。それより、この時期に買っておトクなものは、増税後もあまり値下がりしない高価なものです。例えば、大型家具や貴金属、時計、スーツなどです。ずっと欲しかったけれど購入に踏み切れなかった憧れのブランド品などがある場合、ボーナスの金額と相談して増税前に購入するのもひとつの手です。

また、4月以降にサービスを受ける場合でも、支払いを3月末までに終えていれば5%の税率で済むというものもあります。例えば、運賃、映画、コンサートなどの料金などです。電車の定期券など、必ず使うものは3月末までに買っておくと良いでしょう。

逆に、この時期の購入で気を付けたいのは高額で納品までに時間がかかるもの。3月末までに購入していても、場合によっては消費税が8%になることがあります。例えば、自動車は契約日ではなく、ナンバーを発行する登録日で消費税率が決まります。人気のある車は納車が間に合わないという事態も考えられます。また、ネットショッピングや通信販売では、増税前に注文していても発送が4月1日以降になった場合の税率をどうするか、会社によって対応が分かれそうです。買う予定があれば、早めに注文しておいた方が良いでしょう。

【参考リンク】

今受けているサービスを見直すチャンス

増税前に何を「購入」するべきかと考えがちですが、消費税は私たちが現在受けているサービスや定期的に購入しているものにもかけられています。まずは、毎月無意識に払っている携帯電話料金や習い事などの固定費を見直すことから始めてみましょう。

また、消費税の対象ではありませんが、生命保険や火災保険、住宅ローンなどの見直しもこの機会に取り組んでみましょう。このような見直しは、一度行うとその効果はずっと続く事が多いです。月々の節約金額は少なくてもトータルで見るとかなりの節約になりますし、生活習慣を変えることが無いのでストレスもあまり溜まりません。

消費税が増税になるのに何も対策を行わなければ、支出額が増え、家計が苦しくなるのは当然です。この機会に家計を見直し、無駄な支出を減らしましょう。景気が上向きになっているというニュースもちらほらと聞きますが、実際の生活ではまだまだ実感できません。消費税が10%になることも視野に入れ、生活を守るための行動を起こすことが大切です。増税後に「しまった!」と後悔しないためにも、今のうちに対策を立てておきましょう。

私が書きました

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福島 佳奈美 (ふくしま かなみ)

ファイナンシャルプランナー(CFPR)。

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFPR)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、独立系FPとして活動を行っている。

※執筆日:2013年12月03日