第782回

「ペーパードライバー講習」で自信をつけてマイカー購入を!

これまでずっと東京に住んでいたためマイカーは必要ありませんでした。しかし、今年の4月に地方へ転勤になり、マイカーがなければ思うように移動できず、とても不便です。そのため、自動車の購入を検討しているところですが、ペーパードライバーなので運転に自信がなく、購入に踏み切れません。どうしたらよいでしょうか。(会社員26歳宮城県)
ペーパードライバーの克服ができるように、各地の自動車教習所では「ペーパードライバー講習」が実施されています。受講者の運転技術レベルやライフスタイル、目的などに応じた講習が行われていますので、講習を受けて運転の自信をつけた上で自動車を購入してはいかがでしょうか。

自動車の運転に自信のない方向けの「ペーパードライバー講習」

大都市圏で暮らしていると、公共交通機関が充実しているため、自動車を持っていなくても支障をきたすことはあまりないでしょう。 むしろ、自動車を持つことによる高額な駐車場代などの経済的負担が、家計の圧迫要因になる場合もあります。 自動車の運転免許証を取得していても、普段運転する機会がないとペーパードライバーになってしまいます。

会社の転勤などで公共交通機関が不便な地域に転居し、生活をしていく上で運転をせざるを得ない状況になったり、大都市圏に住んでいながらマイカーを購入して運転をしたくなったりしても、 これまでほとんど運転したことがないペーパードライバーだと、運転に自信が持てず、自動車の購入に踏み切れない方もいるでしょう。

そんなペーパードライバーの方を主な対象にして、多くの自動車教習所は、運転の再教育・再訓練が受けられる「ペーパードライバー講習」というプログラムを設けています。

ペーパードライバー講習の内容は教習所によって異なりますが、自動車の基本操作や自宅や商店街周辺の狭い道路での行き違い 車庫入れなどの実習を、受講者の運転技術レベルやライフスタイル、目的などに応じて教習所内および一般道で行います。 料金は時間制になっているところが多く、たとえば、1H50分単位で5,000円などと決まっています。 教習所ごとにまちまちですので、受講したい場合は最寄りの教習所に確認してください。

ペーパードライバー講習を受けて、運転に自信を持てるようになった上で、自動車を購入してはいかがでしょうか。

自動車の購入に自己資金だけで足りない場合は自動車ローンも検討する!

運転の再教育・再訓練を受けるのと並行して行いたいことが、自動車購入資金の準備です。 興味や価値観、用途などによって、購入する自動車のメーカー、車種などは異なるものの、ある程度まとまった金額が必要になることには変わりありません。

購入時期までに十分な貯蓄ができていればよいのですが、資金が貯まるまで待っていられないこともあります。 たとえば、突然公共交通機関が不便な地域に転居することが決まり、暮らしの不便を早めに解消する必要があるような場合です。

自己資金で足りない金額は自動車ローンを活用してカバーする方法があります。

自動車ローンは、さまざまな金融機関が取り扱っており、借入条件も異なっています。 そのため、しっかりと比較・検討して、少しでも自分にとって有利な商品を選ぶことが大切です。

比較・検討の主なポイントは、金利タイプ(固定金利/変動金利の別)、適用金利、返済期間です。 借入金額が同じであれば、金利が低いほど、また、返済期間が短いほど支払う利息の負担が軽くなって有利です。 ただ、変動金利タイプは、借り入れ当初の適用金利は固定金利タイプより低くても、返済期間中に市場金利が上昇するとそれに伴って適用金利も上がり利息負担が重くなることに注意が必要です。 一方、固定金利タイプは、借り入れ当初の適用金利が変動金利より一般的に高いものの、返済終了まで適用金利が変わらない安心感があります。

複数の自動車ローン商品を候補に選び、具体的な条件でシミュレーションをした上で、どの金融機関のローンにするかを決めるようにしましょう。

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私が書きました

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中村 宏 (なかむら ひろし)

ファイナンシャル・プランナー。株式会社 ワーク・ワークス代表取締役。

教育出版社勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。「お客様のお金の不安を解消する」をモットーに、1,500件を超える個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を中心に活動。無料メルマガ「生活マネー ミニ講座」を配信中。著作 「自分のお金の育て方」(祥伝社)、「老後に破産する人、しない人」(KADOKAWA中経出版)。

※執筆日:2018年06月20日