第579回

特産品がもらえるだけじゃない!話題のふるさと納税って?

テレビで、ふるさと納税をするとその地域の特産品がもらえて、税金面でもメリットがあると言っていました。私にも簡単にできるのでしょうか?
特典が話題の「ふるさと納税」は、地方自治体への寄附をした翌年に確定申告を行って、税金の優遇が受けられる制度です。手続きは難しくありませんが、税金面でのメリットはご家庭の状況によって違うので、寄附する前にチェックしておきましょう。
大林 香世
大林 香世

「ふるさと納税」って?

テレビや雑誌などで話題になった「ふるさと納税」は、都道府県や市区町村に対して寄附(ふるさと納税)をすると、寄附金のうち2,000円を超える部分について、所得税・個人住民税から寄附した金額が控除される(一定の上限あり)制度です。「ふるさと納税」という名称ですが、寄附先は自分の出身地やゆかりのある土地だけでなく、どの都道府県・市区町村に寄付をしても控除の対象になります。

また、寄附を受け付ける自治体によっては特産品などがもらえる特典が用意されています。特典には食品やお酒、化粧品やイベント・チケットなどさまざまなジャンルの品々が用意されています。ふるさと納税の情報サイトには、特典を一覧できたり、ジャンル別に検索できたりするものもあり、目移りしてしまいそうです。複数の自治体への寄附も「ふるさと納税」の対象になるので、実質2,000円の負担で、複数の自治体から特典の特産品などを受け取ることも可能です。

ふるさと納税で集めた資金の使い道も各自治体のホームページなどで公開されており、使い道を指定して寄附することができる自治体も多くあります。通常は税金の使い道を納税者が選ぶことができませんが、「震災の復興支援に」「子育て支援に」等、使い道が見えれば寄附金で自治体を応援する甲斐もありますよね。

寄附から税金優遇を受けるまで

では、ふるさと納税を行って、税金の優遇を受けるまでは、どんな流れになるのでしょうか。

まず、ふるさと納税の情報サイトや各自治体ホームページの情報をもとに、寄附したい自治体を決めたら、寄附の申し込みをします。申し込み方法は、メールやファクス、郵送、電話、窓口など各自治体でさまざまなので、各自治体のホームページで確認しましょう。

申し込み後、手続きを行い、寄附金を支払います。支払方法は、銀行振り込みや現金書留、クレジットカード決済など、自治体によって異なります。支払い後、寄附先の自治体から寄附金受領証明書を受け取ります。

寄附をした翌年に確定申告をすれば税金の優遇が受けられますが、その際には自治体の発行した寄附金受領証明書が必要になるので、きちんと保管しておきましょう。

なお、控除時期は所得税と住民税で異なります。所得税の軽減分は寄附をした年分の所得税から控除されますが、住民税は寄附をした年の翌年に課税される住民税から控除されることになります。

税金の優遇には限度がある

ふるさと納税で優遇される税金は、次のように2,000円を超える部分について所得税と住民税への優遇があります。

表1:ふるさと納税の控除額の計算

1.所得税(寄附金-2,000円)を所得控除
⇒所得控除額×所得税率(0~40%※)が軽減される
2.個人住民税(基本分)(寄附金-2,000円)×10%を税額控除
3.個人住民税(特例分)(寄附金-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税率(0~40%*
⇒1.2.で控除できなかった寄附金額を控除する(所得割額の1割を限度)

* 平成26年度から平成50年度については、復興特別所得税を加算した率とする。

※総務省ホームページより筆者抜粋

ただし、自治体への寄附であれば、いくらでも控除対象になるわけではありません。収入や家族構成、子どもの年齢(年齢によって扶養控除の金額が異なるため)、住宅ローン控除の有無などによって、控除される寄附額は違ってきます。総務省のふるさと納税に関するホームページには、控除される寄附額の目安の表や、簡単に控除金額の目安がわかる試算ソフトなども掲載されているので、参考にされるとよいでしょう。

表2:全額控除される寄附額の目安(2,000円を除く)

※あくまで目安であり、正確な計算は寄附の翌年にお住まいの市区町村にご確認ください。

<給与所得者のケース(給与収入のみ。住宅ローン控除等を受けていない。)>

・夫婦Aの妻は専業主婦と仮定。

・夫婦Bは共働きで、妻の給与収入が141万円以上と仮定。

・高校生は「16歳から18歳の扶養親族」を、大学生は「19歳から22歳の特定扶養親族」を指す。中学生以下の子どもは計算上加味しない。

給与収入独身夫婦A夫婦B夫婦A夫婦B夫婦A
子1人
(大学生)
子1人
(高校生)
子2人
(大学生と高校生)
子2人
(大学生と高校生)
300万円
16,000
12,000
10,000
8,000
6,000
3,000
500万円
34,000
30,000
27,000
24,000
22,000
17,000
700万円
59,000
55,000
53,000
44,000
42,000
38,000
1億円
1,923,000
1,916,000
1,914,000
1,909,000
1,907,000
19,000,000

(単位:円)
※総務省ホームページより筆者抜粋・表作成

表2は総務省ホームページ掲載の「全額控除される寄附額の目安」から抜粋したものです。例えば、「給与収入300万円の夫婦(妻は専業主婦)の場合、12,000円以下の寄附であれば自己負担額は2,000円となるが、これ以上寄附をすると自己負担額が増加していく」ということになります。一般に、所得が高く、配偶者控除や扶養控除などの控除の額が少ない方ほど、控除される寄附金額は大きくなります。

逆に、納めている所得税や住民税が少なければ、差し引くべき税金が少ないので多額の寄附をしても節税効果は大きくなりません。寄附金控除を受けるなら、家族の中で所得の多い方の名義で寄附を行ったほうがメリットも大きくなります。

寄附金控除の申告

所得税・住民税から控除を受けるためには、寄附を行った翌年3月15日までに、住所地等の所轄の税務署へ確定申告を行います。

確定申告書の作成は、国税庁ホームページの「確定申告書作成コーナー」を利用すると便利です。年末調整が済んでいる会社員の方が寄附金控除のみを申告するのであれば、源泉徴収票と寄附金受領証明書、還付される税金の振込先口座番号のわかるもの(通帳など)を用意し、画面の案内に従って金額等を入力していけば税額などが自動計算され、確定申告書を簡単に作成できます。

なお、住宅ローン控除を受けたなどにより、所得税額がなく、住民税のみから控除を受ける場合は、住民税の申告書をお住まいの市区町村に提出する必要があります。お住まいの市区町村にご確認ください。

「ふるさと納税」は魅力的な制度ですが、手続き方法や受けられるメリットの大きさは各自治体や各ご家庭によって異なります。事前に「この地域に寄附した場合」「我が家の場合」の情報をチェックして、気持ちよく「寄附」で地域を応援しましょう。

担当:大林 香世 (執筆:2014年07月07日)