第304回

グッドクレジットヒストリーを蓄積して借りやすく!

いざというときのためにキャッシングできるようにしておきたいと考えています。友人から、キャッシング/カードローンを申し込んだら審査に落ちて利用できなかったという話を聞きました。金融機関は何を基準に審査しているのでしょうか?(S・Iさん/32歳/会社員)
キャッシング/カードローン、クレジットカード、その他のローンを申し込むと、金融機関は独自の審査基準で申込者の「信用力」を判断して融資の可否を決定します。その際、個人信用情報機関に登録・蓄積されている「クレジットヒストリー」も判断材料として利用しています。クレジットヒストリーとは何か、また申込をする前に気をつけた方がいいことを知っておきましょう。

クレジットヒストリーとは?

個人信用情報機関は、個人のローンやクレジットカードの申込や、契約の内容に関する情報を登録・蓄積し、会員である金融機関がその情報を照会することで過剰融資の防止を図るために設置された機関です。この機関に登録されている情報を「個人信用情報」といい、あなたが既に契約しているローンやクレジットカード、返済状況などが記載されていることから「クレジットヒストリー(クレジットの利用履歴)」と呼ばれています。クレジットヒストリーは、個人の信用力の基準になりつつあると言われています。よいクレジットの利用履歴のことを「グッドクレジットヒストリー」といい、延滞などをせずにきちんと返済を継続的に行うことで築かれていきます。くだけた表現で言うと、グッドクレジットヒストリーを蓄積するほど、審査に通りやすくお金が借りやすくなるわけです。逆に、返済が期日に遅れたり、一部しか支払わないなど無計画な利用の仕方をするとクレジットヒストリーは悪くなり、審査が通りにくくなる可能性が高くなります。

申込をする前に気をつけることは?

では、これからキャッシング/カードローンの申込をする際はどんなことに気をつければよいでしょうか。まずは、 ローンの比較サイトで商品をよく比較してみることです。金利・借入限度額・借入方法・返済のサイクルなど、商品によってさまざまな違いがありますので、自分のライフサイクルにあったローン商品を選べるよう比較検討しましょう。ある程度商品が絞り込めたら、その中から全ての商品を申込…するのは避けた方が無難でしょう。たとえクレジットカードやローンをきちんと利用していたとしても、審査が通りにくくなる可能性があります。金融機関や保証会社は、ローンの申込が入ると加盟している個人信用情報機関を利用し、申込の内容等を登録します。短期間の間に手当たり次第申込を行うと、複数の金融機関から同時に借入をしようとしていると判断されてしまうことがあり、与信判断に影響が出る可能性があるので注意が必要です。

自分の「信用力」と照らし合わせて申込をしよう

自分である程度ローン商品が絞り込めたら、次に自分がどのような評価をされているのか「ローンスコア」で確認してみましょう。 『myscore(マイスコア)』では、独自の評価システムであなたを分析し、スコア(信用力)とファイナンシャル・プランナーからのアドバイス、「マッチ度」に応じたおすすめのローンが表示されます。もしかしたら、あなたが最初に絞り込んだローン商品とは異なるものが表示されるかもしれませんが、あなたの現状を客観的に把握した上で、最終的にローンの申込をするかどうかを決めるのがよいでしょう。
お金を借りたら、期日に遅れないよう返済し、グッドクレジットヒストリーをどんどん蓄積していきましょう。よい循環を積み重ねることであなたの信用力がアップし、いざというときに必要なお金を借りやすくしてくれるのです。

私が書きました

小川 千尋 (おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー。

1994年ファイナンシャル・プランナー資格取得。資格取得後、以前から携わっていた出版物の編集・執筆の経験を活かし、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー誌や一般誌、新聞、ウエブサイトなどのマネー記事の編集・執筆・監修などの執筆関連業務および個人のライフプランなどの相談業務、セミナー講師として活動。

※執筆日:2009年02月19日