第277回
カードローン選びは、返済方法にも注目!
- 夏休みで帰省したり、旅行に行ったりと出費が続き、財布の中身が心細くなってきました。いざというときに頼れるカードローンを見つけておきたいと思っています。金利面で比較するほか、チェックしておきたい点を教えてください。
- 自分にあった返済方法を選択できるカードローンをみつけましょう
ローンを選ぶ際には、金利や審査期間、借入限度額などのほか、自分にあった返済方法を選択できるかどうかも重要なポイントとなってきます。 カードローンの返済方法は「リボルビング方式」「残高スライド」等、耳慣れない言葉もでてきて、よくわからない方も多いのではないでしょうか。
今回は、カードローンの主な返済方法である「残高スライドリボルビング方式」について確認し、 返済期日、臨時返済など返済方法についてもチェックしてみましょう。
残高スライドリボルビング方式
カードローンの返済方法のうち代表的なのが「残高スライドリボルビング方式」です。
まず、「リボルビング方式」とは、限度額の範囲内なら何度も借り入れでき、借入金の増減に関わらず毎月の返済額が変わらない方式のことをいいます。
それが、残高スライドリボルビング方式となると、毎月の返済額(最低支払額)が借入残高に 応じて変化(スライド)するリボルビング方式のことをいいます。
残高スライドリボルビング方式には、「残高スライド元利定額リボルビング方式」「残高スライド元金定額リボルビング方式」
「残高スライド元利定率リボルビング方式」に分類されます。
(用語については →イーローン・ローン大辞典 「残高スライドリボルビング返済」を参照)
このうち、多くのカードローンで採用されている返済方法で、単に「残高スライドリボルビング方式」とも呼ばれる
「残高スライド元利定額リボルビング方式」について、具体的にみてみましょう。
「残高スライドリボルビング方式」の場合、利用残高に応じて、下記の表のように毎月返済しなければならない金額(毎月の最低返済額)がかわります。
(利用残高と毎月返済額の区切りはローン商品によって異なります)。
例の場合だと、30万円借り入れると、当初の毎月返済額は1万円ですが、残高が10万円以下になると毎月返済額は5,000円になります。 返済中にさらに借入し、借入残高が55万円になったとすると、毎月返済額は15,000円となります。
<残高スライド元利定額リボルビング方式の例>
| 借入残高 | 毎月返済額 |
| ~10万円 | 5,000円 |
| ~30万円 | 10,000円 |
| ~50万円 | 15,000円 |
| ~70万円 | 20,000円 |
| ~100万円 | 30,000円 |
では、実質年率12%(月利1%)で30万円を借り入れた場合、どのように返済されていくのかみてみましょう(カードローンの金利は、「借入日数/365日」をかけて日割で計算されますが、ここでは、計算を単純にするために、年率を12ヶ月で割った月利で計算しています。実際に借り入れた場合の数字は異なってきますので、ご了承ください)。
第1回目の利息は、30万円×1%で3,000円です。借入額が10万円超~30万円までの毎月返済額は1万円なので、元金返済分は「10,000円-3,000円=7,000円」。借入残高は、「300,000円-7,000円=293,000円」となります。
| 支払い回数(回) | 毎月返済額(円) | 元金分(円) | 利息分(円) | 借入残高(円) |
| 0 | 0 | 0 | 0 | 300,000 |
| 1 | 10,000 | 7,000 | 3,000 | 293,000 |
| 2 | 10,000 | 7,070 | 2,930 | 285,930 |
26回目の返済が終わると、借入残高が10万円を切るので、27回目から毎月返済額は5,000円になります。返済はラクになりますが、その分借入残高が減るスピードは遅くなりますね。
| 支払い回数(回) | 毎月返済額(円) | 元金分(円) | 利息分(円) | 借入残高(円) |
| 26 | 10,000 | 8,977 | 1,023 | 93,321 |
| 27 | 5,000 | 4,067 | 933 | 89,254 |
| 28 | 5,000 | 4,107 | 893 | 85,146 |
この条件の場合、完済までの返済回数は47回、利息総額は63,812円となります。
ちなみに、返済額が残高スライドせず、1万円のままだとすると、返済回数は36回、利息総額は58,462円です。
このように残高スライドリボルビング方式は、借入残高が少なくなると毎月返済額が少なくなるので、 返済はラクになりますが、返済負担は重くなるという特徴があります。 5,000円返せばよい月にも10,000円返し続ければ、早く返済を終わらせ、利息を節約することもできます。
なお、借入残高が減って返済額も少なくなると、つい、「もう少し借りても大丈夫」と気が大きくなりがちです。 むやみに借り入れを増やし、いつまでたっても返済が終わらないことになりかねないので、気を引き締めておくことも必要ですね。
