第193回
個人事業主向けビジネスローンの申込条件
- 資金繰りが苦しくなりそうなので、条件のよいビジネスローンを探しておきたいと思っています。個人事業主にも利用できる、担保や保証人のいらないローンはありますか?確定申告は白色申告で行っています。(埼玉県 T)
- 個人事業主向けの無担保ローンは多数ありますが、申込資格や必要書類などの条件で選択肢が変わってきます。
 
			「自営業者向け」を条件に検索してローンを探す
		個人事業主、自営業者向けの無担保ローンも多数あるので、まずは検索して探してみましょう。
イー・ローンのビジネスローンのコーナーでは、ビジネスローンを金融機関別(銀行か、その他の金融機関か)に検索することができます。自営業者や法人代表者向けに
		「スモールビジネローン特集」を現在掲載中なので、こちらもチェックを。また、姉妹サイトの
		「資金調達ガイド」では、法人・個人といった借主の属性や保証人の有無、金融機関の別など、より細かい条件で検索することができて便利です。
		
借りやすいほど金利は高め
利用したいローンがみつかったら、詳細内容をみてみます。金利や借入限度額、審査期間はもちろんですが、「申込資格」や「必要書類」などの欄のチェックも忘れずに。ビジネスローンを借りるには、本人確認資料(運転免許等)のほかに、事業内容や経営状態のわかる書類(決算書や確定申告書類等)が求められます。これらの具体的な条件は金融機関・ローン商品によって異なるので、「スモールビジネスローン特集」で取り上げられているうちの3つのビジネスローンの内容をみてみましょう。
| ローン商品 | スモールビジネスローン Qマネーアルファ (東京スター銀行) | クレディアビジネス (クレディア) | 信用融資(保証人のいらないビジネスローン) (インター) | 
|---|---|---|---|
| 金利
						 | 5.0~9.8%
						 | 18.0%~29.2%
						 | 23.725%
						 | 
| 借入可能額
						 | 50万円~1,000万円
						 | 50万円~500万円
						 | 10万円~1,000万円
						 | 
| 最長借入期間
						 | 5年
						 | 5年
						 | 3年
						 | 
| 資金使途
						 | 事業性資金に限る
						 | 自由(一部商品は営業資金に限る)
						 | 不問
						 | 
| 申込資格
						 | ・青色申告している業歴2年以上・従業員30名以下の中小企業または個人事業主 ・申込人および代表者のうち、少なくとも一人の年齢が満20歳以上75歳以下 | 法人事業主及び個人事業主 (未申告、未決算の方やこれから事業を始められる場合も検討) | 事業を営んでいる人(経営規模・業種問わず)
						 | 
| 必要書類
						 | ・本人確認資料の写し(運転免許証、パスポートなど公的機関発行の顔写真付の証明書) ・審査の過程で、疎明資料(決算書、商業登記簿謄本など)の追加提出を求める場合あり | ・身分を証明するもの(免許証・保険証のコピー) ・決算書もしくは確定申告書(1期分以上)のコピー ・印鑑証明書(契約時) | ・ご本人を確認できるもの(運転免許証など) ・印鑑証明書 ・収入を証明できる書類 | 
| 保証人
						 | 不要 原則無担保・第三者保証不要(法人の場合は代表者の連帯保証が必要) | 不要 200万円以上をご希望、またはお客様の状況によっては必要となる場合も。 | 不要
						 | 
		東京スター銀行の「スモールビジネスローン Qマネーアルファ」は5.0~9.8%の低金利ですが、「青色申告」「業歴2年以上」でなければ申し込みもできず、資金使途も事業資金に限られます。
		
		一方、クレディアビジネス(クレディア)の場合は、金利は18.0~29.2%と高めになりますが、「未申告、未決算の方、これから事業を始める方」も申し込みは可能。ただし、決算書等は必要ですし、場合によっては保証人が必要になります。資金使途は「一部は営業資金に」と少しゆるやかです。
		さらに、インターの信用融資(保証人のいらないビジネスローン)の場合は、金利は23.725%、最長借入期間3年と返済条件は厳しくなりますが、申込み資格は「事業を営んで」いればOK、必要書類も「収入が確認できる書類」、資金使途も「不問」と、ハードルは低くなります。
		
		このように、自営業者にも利用できるビジネスローンは多数ありますが、借りやすいものほど返済条件は厳しく、返しやすい(低金利等)ものほど条件は厳しくなります。最終的に借入できるかどうかは、本人の属性、事業の経営状態等によって異なりますが、申し込みできる(審査の対象になる)かどうかは、用意できる書類によって変わってくるわけです。利用したいローンの必要書類欄は必ずチェックして、あらかじめそろえておきましょう。
		
今後の事業展開のためにも、経営状態を明らかに
なお、そもそも帳簿をきちんとつけて決算書等を作成すれば、経営状態を正確に把握できて、事業展開を考える上でも役にたつはずです。ビジネスローンの選択肢も増えます。個人事業主なら、青色申告にすれば、税務上数多くのメリットがあります。会計ソフトを使えば記帳もそれほど面倒でもないので、Tさんも今回の資金繰りにメドがついたら、帳簿や申告についても検討してみてはどうでしょうか。
| 青色申告とは
						 | 一定の要件を備えた帳簿を備え付けて記録し、書類を保存することによって、所得税の計算を行う上で数多くの特典が受けられる制度。 不動産所得、事業所得、山林所得がある人が利用できる。 | 
|---|---|
| 青色申告のメリット
						 | ・最高65万円の特別控除 ・赤字損失分を繰越できる ・家族への給与が必要経費になる など40以上あり。 | 
| 青色申告の承認申請手続き
						 | 「青色申告承認申請書」を所轄の税務署長に提出 <新規開業の場合> ・1月1日~1月15日までに開業 → その年の3月15日まで ・1月16日以降に開業 → 開業日から2ヶ月以内 <白色申告から青色申告に切り替える場合> ・青色申告にする年の3月15日まで | 

 
						 
						 
						 
						 
					 
				 
					