第1152回NEW

おまとめローンの特徴を解説!

生活費の補填にときどきカードローンを利用しています。それとは別に日頃から決済アプリやクレジットカードのリボ払いも利用しており、支払いの管理が難しくなってきました。おまとめローンでまとめた方がいいでしょうか?(会社員 33歳)
複数の借り入れがあり、支払い管理が難しくなった場合には、おまとめローンの利用が効果的です。おまとめローンの利用にはメリットだけでなく注意点もありますので確認しておきましょう。
支払い管理に悩む女性の手元

おまとめローンとは

ローン商品の多様化やキャッシュレス決済の普及などにより、お金を貯めてから買うのではなく、買ってから支払う「後払い」を利用する機会が増えています。キャッシュレス決済により、多額の現金や小銭を持ち歩く必要がなくなり便利になりました。

一方で、ついお金を使いすぎてしまっていないでしょうか。リボ払いは毎月の支払額が一定のため、利用残高が膨らんでも気づきにくく、支払いがいつまで続くのかわからないという状況に陥りかねません。複数のキャッシュレス決済を利用していて、いつどの口座からいくら引き落とされるのかを把握できていないといったケースも見受けられます。

複数の借り入れがあり支払い管理が難しい場合には、おまとめローンの利用を検討しましょう。一般的に、既存の借り入れをより適用金利の低いローンへ変更する「借り換え」のうち、複数の借り入れを一本化するものを「おまとめローン」と呼んでいます。一本化の対象となるのは、カードローン、クレジットカードのキャッシング、そしてリボ払いです。ただし商品によっては一本化の対象となる借り入れに制限がある場合があるので、注意が必要です。

おまとめローンのメリット・デメリット

おまとめローンの大きなメリットは、複数の借入先への返済が、おまとめローンを組んだ1社への月1回の返済に一本化され、返済管理が楽になることです。複数の返済日や返済額を管理する手間がなくなり、入金忘れのリスクを減らせます。

また、1社に対する借入総額が大きくなることで、利息制限法に基づきより低い金利が適用される可能性があります。これにより、支払う利息の総額を減らし、返済総額を抑えられる可能性があります。さらに金利が下がることや返済期間を見直すことで、毎月の返済額を軽減できる場合があります。

多くのメリットがあるおまとめローンですが、利用するためには金融機関の審査に通る必要があります。書類をそろえるなどの事前準備が必要なうえ、審査に時間がかかることが多く、借入金額が大きい場合などには審査に通らない場合もあります。また、商品によっては一本化の対象となる借り入れに制限があり、一つにまとめられない場合もあるため、事前にしっかりと確認しておく必要があります。

おまとめローンの多くは「返済専用」の商品であるため、完済を目指す途中で追加の借り入れをすることはできません。利用限度額内であれば繰り返し借り入れができるカードローンでローンの一本化をすることも可能ですが、借り入れを繰り返してしまうとおまとめした意味が薄れてしまいます。おまとめの金額以上の借り入れができるフリーローンもありますので、家計の状況に合わせて幅広い選択肢からより有利な商品を選択し、計画的に完済を目指しましょう。

おまとめローンにより着実に返済を進めることと並行して、今後は利用するキャッシュレス決済の方法を絞り、一括払いが可能な金額を目安に無理のない範囲での利用に抑えることも大切です。

【参考リンク】

私が書きました

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宮野 真弓 (みやの まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。

大学在学中にFP資格を取得。証券会社、銀行、独立系FP会社を経て独立。忙しくても無理なく実践できるメリハリ家計を提案するママFP。 ライフプラン全般の相談業務や家計簿診断、ライフプランセミナー講師、FP資格取得講座の講師として活動中。 学校での金銭教育にも注力している。

※執筆日:2025年10月10日