第843回

教育ローンのカードローン型と一括借入型の違いは?

大学入試を控えた娘がいます。学習塾の費用や受験費用などが思った以上にかかっているので借り入れも検討しています。 教育ローンについて教えてください。(44歳 主婦)
教育ローンにはカードローン型(当座貸越方式)と一括借入型(証書貸付方式)の2つのタイプがあります。 それぞれの特徴を理解して、自分に合う商品を選びましょう。

受験から入学後までにかかるお金を把握しよう

大学受験には受験料のほか、試験会場に行くための交通費や場合によっては宿泊費と、思った以上にお金がかかります。 近年では私立大学の定員厳格化により併願校を増やす受験生も多く、受験費用が膨らむケースも見受けます。 合格発表日と納付金払込期日のタイミング次第では、入学金を重複して支払わなければならない場合もあります。

また、入学後も教材費や実習費など、授業料以外の費用がかかることもあります。さらに自宅から通えない大学に進学する場合には下宿代や新生活の準備費用も必要です。お子さんの進路希望と照らしながら、必要な金額と時期を確認しておきましょう。

資金が不足する場合には奨学金や教育ローンの利用を検討することになります。 奨学金は無利子や低金利で借りることができますが、支給時期は入学後のため、受験費用や合格後すぐに必要になる納付金などには利用できません。 このような場合には教育ローンの利用を検討しましょう。

教育ローンにはカードローン型と一括借入型がある

教育ローンにはカードローン型(当座貸越方式)と一括借入型(証書貸付方式)の2つのタイプがあります。

カードローン型は、契約した利用限度額の範囲内であれば何度でも借り入れが可能なタイプです。 入学金や授業料のほか、学習塾に費用や下宿への引っ越し費用、仕送り費用、海外留学の費用など、教育に関わる資金に幅広く対応している商品もあります。 資金使途が自由なカードローンと比べると金利は低めで、在学期間中は元金の返済は据え置かれ利息のみを支払うのが一般的です。

一括借入型は必要額を一括で借り入れ、毎月一定額を返済していくタイプです。 追加の借り入れはできないため、追加資金が必要な場合には改めて申し込みをし、審査を受け、契約する必要があります。 カードローン型と比べると金利は低めですが、契約時に手間や時間がかかる場合があります。

どちらのタイプで借りればいい?

必要な金額や時期が明確で、繰り返し借り入れをする必要がない場合は、一括借入型の方が向いています。 借り入れ後は毎月一定額を返済していくだけなので計画的な利用が可能な上、カードローン型に比べて金利も抑えられます。

一方、いつどのくらい資金が必要になるのかわからない場合や次年度以降の学費にも利用したい場合などには、繰り返し借り入れ可能なカードローン型が便利です。 ただし安易な借り入れを繰り返すと返済が困難になってしまう恐れもありますので、無理のない返済計画を立てて利用しましょう。

教育ローンは金融機関によって資金使途の範囲や金利タイプ、据置期間の設定の有無、繰上返済手数料の有無など商品内容が異なります。 資金が必要な場面を具体的に想定して、条件に合う商品を探しましょう。

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私が書きました

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宮野 真弓 (みやの まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。

大学在学中にFP資格を取得。証券会社、銀行、独立系FP会社を経て独立。忙しくても無理なく実践できるメリハリ家計を提案するママFP。 ライフプラン全般の相談業務や家計簿診断、ライフプランセミナー講師、FP資格取得講座の講師として活動中。 学校での金銭教育にも注力している。

※執筆日:2019年10月07日