第1174回NEW
国の教育ローンの年収上限とは?
- 子どもが海外留学を検討しています。比較的金利が低いといわれている「国の教育ローン」を検討していたのですが、世帯年収に制限があると聞きました。共働きで、それなりの収入があると、借り入れは難しいでしょうか?(会社員 女性 50代)
- 国の教育ローンには世帯年収(所得)の上限が定められているため、共働き世帯の場合には意外な盲点となるかもしれません。まずは世帯での収入額を把握し、要件に当てはまるかどうかを確認してください。もし、上限を超えてしまっている場合には、民間ローンも視野に入れて検討しましょう。
国の教育ローンの特徴
国の教育ローンは、日本政策金融公庫が取り扱っている教育資金のための公的な融資制度です。大学や短大、専門学校、高校などへの入学金や授業料のほか、受験費用、教科書代、自宅外通学のための費用など幅広い用途に対応しています。
子ども1人につき350万円(自宅外通学や大学院等の場合は450万円)まで借り入れが可能です。固定金利で金利は比較的低めであること、最長20年と長期間で返済できるため、毎月の返済の負担を抑えられるのが特徴です。
国の教育ローンの世帯年収上限
一般的なローンとは異なり、国の教育ローンの利用にあたっては、世帯年収(所得)の上限が決められています。
目安となる年収上限は、扶養している子どもの人数によって異なります。例えば、子どもが1人の場合は世帯年収790万円以内、2人の場合は890万円以内、3人の場合は990万円以内といったように、子どもの人数が増えるほど上限額は高くなります。
| 子どもの人数 | 世帯年収(所得)の上限額 |
| 1人 | 790万円(600万円)※ |
| 2人 | 890万円(690万円)※ |
| 3人 | 990万円(790万円) |
| 4人 | 1,090万円(890万円) |
| 5人 | 1,190万円(990万円) |
日本政策金融公庫ウェブサイトより・括弧内の金額は事業所得者の場合の所得上限額
※子どもが2人以内の場合、以下の1~8の要件のいずれか一つに該当する場合、990万円(790万円)まで上限額が緩和される
- 勤続(営業)年数が3年未満
- 居住年数が1年未満
- 世帯のいずれかの方が自宅外通学(予定)者
- 借入申込人またはその配偶者が単身赴任
- 今回の融資が海外留学資金
- 借入申込人の年収(所得)に占める借入金返済の負担率が30%超
- 親族などに「要介護(要支援)認定」を受けている人がいて、その介護に関する費用を負担
- 大規模な災害により被災された方
ここで注意したいのは、年収は「世帯年収(所得)」で判定されるという点です。共働き世帯では夫婦それぞれの年収を合計した金額で判断されます。検討の際は、まず世帯年収(所得)が基準内かを確認しておくことが大切です。
国の教育ローンが使えない場合の選択肢
近年は共働き世帯が増え、また、賃上げの傾向もあり、世帯年収(所得)が上限を超えているケースが多くなっていると考えられます。
一方で、昨今の物価上昇で家計に余裕はない、しかし教育費は削りたくないと考える方が多いでしょう。「収入はあるのに、教育費の負担が重い」という状況であっても、この世帯年収(所得)の上限があるため、国の教育ローンが利用できないこともあるのです。
もし年収条件を満たさない場合には、銀行や信用金庫などが取り扱う民間の教育ローンを検討してみましょう。
民間金融機関の教育ローンは、年収に上限は無く契約者の年収が高いほど審査が有利になります。また、融資限度額も1,000万円、2,000万円など国の教育ローンよりも大きくなっていますし、審査期間も比較的短いので、急ぎで教育資金が必要な場合にも対応可能です。
金利は固定金利のもの以外に変動金利のものも選べます。最近では、国の教育ローンの金利も上昇傾向です。金利はなるべく低く抑えたいという場合には、民間金融機関で変動金利の教育ローンを検討するとよいでしょう。ただし、将来的に金利が上昇するリスクはあります。
まとめ
国の教育ローンは、世帯年収(所得)の上限が設けられています。共働き世帯では、この上限を超えてしまい利用できないケースもあります。その場合には、民間の教育ローンなど他の選択肢を検討してみましょう。制度の仕組みを理解し、自分の家庭に合った方法を選んでください。
- 【参考リンク】
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー。金融デザイン株式会社 取締役。
大学卒業後、信託銀行に就職。その後イベント会社、不動産コンサルティング会社を経て、1996年FPとして独立。2010年より現職。個人のお客様の声を直接聞いてきたからこそ作れるコンテンツ作成しながら、50代と60代からのセカンドキャリアを応援するサービス「50カラ」を展開中。
※執筆日:2026年03月19日
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