第1169回NEW
共働き世帯こそ、教育資金は計画的に考えよう!
- 共働きで、財布を別々に管理していますが、家計管理で気を付けるべきことは何でしょうか。特に教育資金をしっかり貯められるかが気になっています。(会社員、33歳、子どもは1歳)
- 近年、共働き世帯の増加に伴い、夫婦が収支も資産も別々に管理するスタイルが広がっています。自由度が高い反面、特有の落とし穴もあります。共働きならではの注意点と、教育資金のような「長期・高額」な資金準備のコツを押さえておきましょう。
共働き家計の「盲点」とは?
現在、日本の夫婦世帯の約7割が共働きと言われています(内閣府「男女共同参画白書」など)。産後も働きやすい制度の整備により、収入源が2つあることは家計の大きな強みです。どちらかに万が一のことがあっても、すぐに生活が立ちゆかなくなるリスクは低く、本来はライフプランも立てやすいはずです。
一方で、資産を個々に管理している場合、家計全体がブラックボックス化しやすいという盲点があります。お互いの正確な貯蓄額が見えにくいため、「相手がそれなりに貯めているだろう」という根拠のない期待を抱きがちです。「なんとなく貯めている」状態では、無意識に支出が膨らみ、いざ教育費が本格化する時期になって「貯金が足りない」とパニックになるケースも少なくありません。
33歳でお子さんが1歳の今は、教育資金を準備する黄金期です。ここで仕組みを作れるかどうかが、老後のための資金形成までも左右します。
家計と貯蓄の「見える化」を!
まず取り組むべきは、個人の貯蓄とは別に「家庭の貯蓄」を見える化し、情報を共有することです。おすすめは、共有可能な家計簿アプリと、家計用の銀行口座の活用です。夫婦それぞれが毎月の分担額を決めて入金し、その残高推移を2人でチェックできる環境を作りましょう。
また、児童手当を一方が預かって「新NISA」のつみたて投資枠で運用する場合などは、特に注意が必要です。運用状況はブラックボックスになりやすいため、年に数回は「家計会議」を開き、実際の管理画面を一緒に確認する習慣をつけましょう。数字をリアルに共有することが、夫婦の信頼関係とモチベーション維持に繋がります。
教育資金の分担については、「それぞれが目標額を決めて貯める」方法がシンプルです。例えば、「高校3年生の夏までに各自300万円、合計600万円」を目標にするケース。進路が公立中心で、大学や専門学校への進学を想定するなら、この金額に日々の家計からの捻出分を合わせれば概ね対応可能でしょう。
ただし、近年の学費上昇やインフレを考慮すると、2~3割の余裕を見て「1人あたり400万円(合計800万円)」を目標に据えておくと、より選択肢の広い進路提案をしてあげられるでしょう。
不足分は「教育ローン」や「奨学金」も視野に
教育資金への不安から、今の生活を極端に切り詰める必要はありません。人生には予想外の進路変更がつきものです。医学・薬学系、芸術系への進学、あるいは海外留学など、想定以上にお金がかかる場面が出てくるかもしれません。
そんな時のセーフティネットとして、奨学金や教育ローンの知識を持っておきましょう。
- 奨学金:子ども自身が借り、卒業後に本人が返済するもの。
- 教育ローン(国の教育ローンや民間ローン):親が借り、親が返済するもの。
これらはあくまで不足を補う手段ですが、存在を知っておくだけで心理的なゆとりが生まれます。もちろん、利息負担を最小限にするためにも、基本は計画的な貯蓄が王道です。
ご夫婦が「共同経営者」という意識をもって家計のグランドデザインを描き、しっかり準備を進めてくださいね。
- 【参考リンク】
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。
20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。
※執筆日:2026年02月16日
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