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車の購入に10年ローンは長い? メリット・デメリットと後悔しない返済のコツを解説

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この記事のポイント
  • 車の10年ローンは、月々の負担を軽減できるが、返済総額や将来の支出を考慮して検討する必要がある
  • メリット・デメリットを正しく理解してから契約することが大切
  • 後悔なく車のローンを組むためにも、計画的な返済期間の設定が求められる
洗車をする男性

車の購入費用は高額で、月々のローンの返済額が大きな負担だと感じる人は少なくありません。
そこで注目を浴びているのが、10年ローンです。
10年ローンの魅力は毎月の返済額を抑えられることです。一方で「返済総額が膨らむ」「車の買い替え時にローンが残る」といったリスクもあります。長期ローンを利用して後で後悔しないためには、その仕組みを深く理解し、ライフプランに合わせた計画的な返済計画を立てることが重要です。
本記事では、車の10年ローンを検討する際に知っておきたい特徴や、具体的なメリット・デメリット、さらに自分に最適な返済期間を見極めるためのポイントについて詳しく解説していきます。

車のローンの一般的な返済期間

一般的に、新車を購入する際のローン返済期間は5年から7年、回数にして60回から84回払い程度に設定されるケースが多いといわれています。これは新車の初回車検が3年後、その後は2年ごとに訪れるというサイクルや、多くのメーカー保証が5年程度で終了するといった「車の寿命や維持費のバランス」を考慮した結果、この期間が選ばれやすい傾向にあるからです。

一方、中古車のローンは新車よりも返済期間が短めに設定されることが一般的です。多くは3年から5年、36回から60回払い程度に設定されます。中古車は新車に比べて将来的な故障のリスクや乗り換えまでの期間が短いことを想定して、早めに完済を目指すプランが選ばれています。

また、金融機関によっては最長で10年から15年という超長期の借り入れが可能な商品もあります。

車の10年ローンを組むメリット

虫眼鏡を+マークにかざしている画像

車のローンを10年という長期で契約することには、短期のローンにはない独自の利点が存在します。ここでは、10年ローンを組むことで得られる主なメリットを3つの視点から解説していきましょう。

毎月の返済負担が軽くなる

10年ローンは返済期間が長いため、1回あたりの返済額を抑えやすくなり、月々の返済負担を軽減できます。急な出費が必要になった際や、貯蓄を並行して行いたい場合でも、車の支払いが家計を圧迫しすぎることがないため、精神的な余裕にもつながるでしょう。

さらに、10年ローンで月々の返済額を低く設定しておけば、自動車税や車検、消耗品の交換といった維持費が増えても対処しやすくなり、家計への負担を抑える助けとなります。

返済遅延を防ぎやすい

月々の返済額を家計に無理のない金額に抑えられるため、支払いが滞る可能性を抑えやすくなります。返済の遅延や滞納が発生してしまうと、個人の信用情報に傷がつき、住宅ローンやクレジットカードなどの利用に悪影響を及ぼしかねず、場合によっては、車を利用し続けることが難しくなる可能性もあります。

ワンランク上の車種も選びやすくなる

返済期間を長く設定することで、当初の予算では手が届かなかった車種や上位グレードを選択できる可能性が高まります。月々の支払限度額が決まっている場合、返済期間を10年に延ばすことで、借入可能額の枠を広げやすくなるためです。

長く乗る前提であれば、安全装備や燃費性能、家族構成に合った車内空間など、購入後の使いやすさを重視した車種を選びやすくなるでしょう。

車の10年ローンを組むデメリット

10年という長期のローンには注意すべき課題も少なくありません。ここでは、10年ローンの3つのデメリットについて解説します。

返済総額が高くなる

10年ローンを選択する際に注意しなければならないのが、最終的に支払う利息の総額が増大するという点です。

ローンの利息は「借入残高×金利×期間」で算出されるため、返済期間が長ければ長くなるほど、支払う利息の総額も比例して増えていきます。そのため同じ金額を借りた場合でも、短期ローンと比較すると、10年ローンの返済総額は高くなります。特に、適用される金利が高めに設定されるローン商品の場合は、返済期間が延びることによる利息の負担増はさらに大きくなります。

利息だけで数十万円の差が出ることも珍しくないため、月々の返済額の安さに飛びつかず、必ず「最終的にいくら支払うことになるのか」をシミュレーションして確認することが大切です。

買い替え時にローンが残る可能性がある

10年ローンを組むと、車を手放したくなった時に、ローンの返済がまだ終わっていない状態である可能性が高くなります。車の下取り価格や売却価格が、残っているローンの金額(残債)を下回る「オーバーローン」の状態になると、不足分を支払ってローンを精算する「追い金」が必要になります。

そのため、数年での乗り換えを前提にしている人にとっては不向きかもしれません。

他のローンが通りにくくなる

金融機関がローンの審査を行う際は、まず年収に対するすべての負債の年間返済額の割合、すなわち「返済負担率」をチェックします。例えば、10年ローンの返済が続いている最中に住宅ローンや子供の教育ローンなどを組もうとした場合、車のローンの存在が返済負担率を押し上げ、審査に通りにくくなったり、借入可能額が減らされたりすることがあります。

若い世代なら、結婚、出産、住宅購入といった大きなライフイベントが10年ローンの返済中に重なることもあるでしょう。そのため、10年ローンの利用が将来的に家計を圧迫するようなことにならないか、長期的な視点で検討しておく必要があります。

車の10年ローンの返済額は?月々の負担シミュレーション

車のローンの計算をする男性

具体的な数字を見ることで、10年ローンがどれほど月々の負担を軽減するのか、より明確なイメージが湧くはずです。ここでは、イー・ローンが提供する「マイカーローンのこだわり返済額シミュレーション」を用いて算出した、200万円の車を10年ローンで購入した場合の返済イメージを紹介します。

シミュレーションの条件は以下の通りです。

  • 借入金額:200万円
  • 返済期間:10年(120ヶ月)
  • 頭金・ボーナス返済:なし
  • 金利タイプ:固定金利0.900%
  • 返済方式:元利均等返済

この条件で計算した結果、毎月の返済額は17,434円となりました。

年間の返済額で見ると209,208円となり、10年間の返済総額は2,092,046円です。

200万円というまとまった金額を借りているにもかかわらず、月々の支払いは2万円を切っています。一方で、金利が0.900%という非常に低い設定であっても、10年の間に約9万円の利息が発生していることも分かります。

このように、シミュレーションを通じて「月々の返済額」と「返済総額」を比較し、現実的な負担の重さを知ることが、後悔しないローン選びの第一歩となります。

車のローンの返済期間はどう決める?10年ローンを選ぶ判断基準

ローンの返済期間は、どのような判断基準で決めればいいのでしょうか?ここでは、期間を決める際の4つのポイントについて解説します。

月々の返済額を踏まえて検討する

返済期間の基準は「月々の返済額が現在の家計にとって無理のない範囲に収まっているか」という点です。返済額を高く設定しすぎると貯蓄が難しくなり、生活の質の低下や家計の圧迫を招くことになります。

期間を長く設定すれば月々の支払いは軽くなりますが、先述の通り利息の総額は増えていきます。家計の余裕と利息のバランスをとれる返済額を見極める作業が必要です。

車の買い替え時期を目安にする

次に考慮すべきは、購入した車の買い替え時期です。ローンの返済期間は、その車を実際に使用する予定年数に合わせて設定するのが理想です。

もし「この車が動かなくなるまで10年以上乗りたい」という強い決意があるのなら、10年ローンを組む合理性があります。しかし、もし5年後や7年後には最新の技術を搭載した車に乗り替えたいと考えているのであれば、話が違ってきます。その買い替え時期よりもローンの期間が長いと、乗り換え時に残債の問題を解決する必要があるからです。また、古い車のローンが残っている状態では、新しい車を買う際のローン審査も厳しくなります。自分のカーライフサイクルをあらかじめ想定し、それに合わせた期間設定を行うことが大切です。

繰上返済や売却時の対応を確認する

長期ローンを組んだとしても、状況が変わって途中で早めに返済したくなることもあります。その時に備え、契約時には「一部繰上げ返済」が可能であるか、また、売却時に残債をどう処理できるのか、確認しておきましょう。その際の手数料や条件は金融機関によって異なるため、あらかじめ確認しておくと安心です。

他のローンや支出とのバランスを考える

車のローンを利用する際には、住宅ローンや教育費など、ライフイベントごとに発生する車以外の支出も考慮する必要があります。年収に対するすべてのローンの年間返済比率(返済負担率)が高すぎると、日常生活に余裕を持てなくなったり、将来的なローン審査に影響を受けたりするだけでなく、新たな融資を受けられなくなるリスクも生じます。

車の10年ローンで後悔しないための返済のコツ

10年という歳月は決して短いものではありません。その間に「やっぱり10年ローンにしなければよかった」と後悔しないために、契約時や返済中に実践したい3つのコツをお伝えします。

頭金をできるだけ多めに入れる

ローンを組際、まずは頭金を可能な限り多く用意することを検討しましょう。頭金を増やすことは借入額そのものを減らすことになるため、返済負担の軽減に直結します。

借入額が小さくなれば、同じ10年ローンであっても月々の返済額はさらに低くなり、元金に対してかかる利息の総額を大きく減らすことができます。また、相応の自己資金を準備しているという点が金融機関に高く評価され、ローンの審査に通りやすくなるというメリットもあります。

もし現時点で十分な頭金が用意できないのであれば、無理に今すぐ購入するのではなく、購入時期を数ヶ月から半年ほど後ろ倒しにして資金を貯め、余裕を持った状態でローンを組むというのもよい判断です。

金利の低いローンプランを優先して比較する

10年という長期間にわたる借り入れでは、わずか0.1%の金利差であっても、最終的な返済総額には大きな差が生じます。

銀行、ディーラー、信販会社など、複数の金融機関を比較して、負担の小さなローンを選ぶことが大切です。また、金利だけではなく、借入額と返済期間のバランスを調整し、無理のない返済ペースを作ることが大切です。

保険料・税金・車検などの維持費を含めて返済計画を立てる

車の維持には、ローンの返済以外にも多額の費用が必要です。返済計画を立てる際には、ローン以外の出費も織り込んで考えることが、長期的な家計の安定につながります。

自動車税や車検費用、重量税、自賠責保険、任意保険の保険料など、車を維持するためのコストは多岐にわたります。これに加えてタイヤの交換代やガソリン代なども考慮しなければなりません。これらの出費が重なる月でも、家計が苦しくならないような返済計画が求められます。

車の10年ローンに関するよくある質問

車の10年ローンに関する質問と回答を紹介します。

車の10年ローンはやめたほうがいい?向いている人の特徴は?

10年ローンは、すべての人に一律でおすすめできるわけではありませんが、特定の方にとっては非常に有効な手段となり得ます。

まず、月々の支出を最小限に抑えたいという人には活用しやすい方法です。家計にゆとりを持たせながら車を維持できる点は大きなメリットといえます。一方で、利息の増加や将来の残債リスクに不安を感じる方は、慎重に検討すべきでしょう。

このローンが向いているのは「1台の車に10年以上大切に乗り続ける予定があり、かつ将来の支出増も見据えて無理のない返済計画が立てられる人」といえます。

車の10年ローンを組むときの注意点は?

一度契約を結んでしまうと、後から返済期間を変更することは簡単ではありません。そのため、契約前に月々の返済額が自分の生活を圧迫しないか、複数のパターンでシミュレーションしておくことが重要です。

また、家計に余裕が出た時に期間を短縮できるよう、繰上返済の可否も必ずチェックしておきましょう。金利や維持費を含めたトータルのコストで判断し、無理のない返済計画を策定してください。

まとめ

車の10年ローンは、月々の返済負担を抑えたい人には有効な選択肢の一つです。一方、支払う利息が増えることや、車の買い替え時にローンが残ってしまうリスク、そして将来の他のローン審査への影響といったデメリットもあるため、利用には十分な検討が必要です。

大切なのは、メリットとデメリットを天秤にかけ、自分自身のライフプランや車の使用予定期間、および家計の状況に照らし合わせて、適切な期間を設定することです。

頭金の用意や金利の低いローンの選択、繰上返済の活用など、返済総額を抑える方法はいくつもあります。長期ローンの利用を後悔しないよう、他のローンや維持費などを含めた無理のない返済計画を立てましょう。

車のローンに興味がある方は、ぜひこちらのページもご覧ください。

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ライター紹介

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手塚 裕之 (てづか・ひろゆき)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

都内ゲーム会社に12年勤務後、2018年12月にフリーライターとして独立。個人事業主としての開業を機に、金融・年金・不動産などのFP領域への関心を深める。毎年iDeCoと小規模企業共済の掛金を増額中。好きなものはふるさと納税。

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